今日の一曲!UNDER17「泳・げ・な・い」【テーマ:水泳】
【追記:2021.1.4】 本記事は「今日の一曲!」Ver. 1.0の第四十五弾です。【追記ここまで】
あんまり泳げません。100mも泳げれば上出来レベル。記憶が曖昧なのですが、体育のテストだと25m毎に泳法を変えながら100m泳ぐとかだった気がするから後半はキツかったな。特に平泳ぎが苦手だったからそこで体力がだいぶ奪われる。背泳ぎで回復出来るからなんとか完泳は出来たけど。
海でもなるべく足が付くところまでしか行かないし基本的に泳ぎには苦手意識があります。だから普通の海水浴なら問題ないけれど、一度だけ港に停めたクルーザーから直接海に入る機会があってその時は怖かったです。浮いてなきゃいけないのは不安。
クルーザーは大学院時代の友人(といっても年配の方です)が所持していたもので、僕を含む同年代の若い衆を連れ出してくれたのですが、男女の別なく泳いで向こう側の堤防まで難なく行ける人も居て凄いなと思いました。距離的には僕にも出来ただろうけどその勇気と自信が持てなかった。
この時期になると毎年のように水難事故のニュースが何件も入ってきますが、やはりとりわけお盆に水辺は危険なのだと思い知らされますね。単に報道が多くなるせいというのもあるのでしょうけど、スピリチュアルな理由だけでなく気象的にもお盆の水辺はリスクが高いですから気を付けるに越したことはないでしょう。
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「今日は何の日?」には「国民皆泳」という耳馴染の無い言葉が使われていますが、「今日の一曲!」のためにシンプルにして【テーマ:水泳】でいきます。ということで紹介するのはUNDER17の「泳・げ・な・い」(2004)です。カナヅチのほうにスポットを当てたので厳密にはテーマに反しているのですがご容赦を。
実は前にもこの記事で少しだけ存在を匂わせたことがある曲です。とはいえブログテーマとしては初登場のUNDER17(アンセブ)なので、アーティスト紹介も含めて改めて取り上げるとしますね。【追記2017.09.04 上掲にリンクした記事のブログテーマを後から「UNDER17」に変更しました。「初登場」という言葉と整合性が取れなくなっているのはそのためです。】
この曲は『萌えソングをきわめるゾ!!』というド直球なタイトルを持つアルバムに収録されており、そこから察することが出来るかもしれませんが『すくみず ~フェチ☆になるもんっ!~』というR18ゲームの挿入歌です。同ゲームはOP曲もED曲もUNDER17が担当しています。
これは裏話になりますが、I'veの記事を書いたことでとりあえず「R18ゲーム」という言葉が即削除対象にはならないことがわかったので、UNDER17にも光を当てようと思ったのが執筆動機のひとつとしてあります。笑
I'veの名前を出したことからもわかると思いますが、UNDER17もR18ゲーム界隈にて頭角を現し人気となった存在です。全年齢アニメの主題歌もいくつか担当していましたし僕が知ったのも一般向けからなのですが、活動期間が3年足らずという短さであったため主戦場はR18ゲームだったと言って差し支えないでしょう。
長くなるので詳しくは書きませんが、ある種の使命感と明確な目的意識を持ったユニットだったと思いますし、それはR18ゲームに対する深い想いが反映されたユニット名からも推し量ること出来ますが、そのプロ意識が功を奏してか活動期間の短さに反して人気は絶大でしたし、業界や後世に残した功績も大きいと思います。まさに伝説という形容が相応しい。
I'veの記事からもご理解いただけると思いますが、年齢的な問題もあって僕は音楽にこそ明るいものの、それらが提供されたR18ゲームに関する知識はほとんどありません。よって次の一文は見当違いかもしれませんが、曲の説明のために続けます。
I'veはR18ゲームの主題歌と言っても明るい作品と暗い作品のどちらにも対応できるオールラウンダーなイメージなのですが、UNDER17はどちらかと言えば明るい系の作品に明るい楽曲を提供するのが得意なクリエイターという印象です。
アルバムタイトルにも出てくる「萌えソング」という言葉もその証左だと思うのですが、かつて所謂「電波ソング」として取り上げられたような、キュートではちゃめちゃな楽曲が多いという認識でいます。
そういう意味では今日紹介する「泳・げ・な・い」は異色作になるのではと思っています。電波な要素が一切なく歌詞も曲もいたって真面目で、往年のアイドルソングとして存在していてもおかしくないような正統派のナンバー。
冒頭でリンクした記事の中で僕はこの曲に対し「これほど水の表現が見事なサウンドもなかなかないと思う。」という表現をしたのですが、その言葉通り僕が最も気に入っているのはその編曲の鮮やかさなのです。
イントロから鳴り続けるシークエンス、煌びやかなパッド、残響音がパンするタイミングが心地良い綺麗な鍵盤系(ピアノ?)の音、ブレイクビーツのような細かさのあるドラムスから一転したサビの強烈なキック、リバーブとディレイが見事なボーカル、その全てがこの上なく水を表現していると感じるんですよね。
もう少し具体的に言うと、水の底から水面の煌きと上昇する泡沫を眺めている情景が浮かぶのです。特に2番後の間奏と落ちサビ、ここはドラムスが消えてボーカルの処理が一層きつくなる部分ですが、溺れているかようなの錯覚を起こすぐらいの素晴らしいアレンジだと評したい。
桃井さんの声質をいちばん鮮やかに利用しているとも表現出来ますね。決して悪い意味で言うわけではないのですが元々鼻声気味だと感じるボーカルなので、詰まるようなエフェクトをかけると水中で歌っているかのような感じが醸されるんですよ。この扱いにくい要素を逆手に取ったようなところに小池さんの凄さを見た気がします。
メロディが疾走感を伴っているのもアレンジによるところが大きいと思いますね。もっと優しい編曲にしても合う旋律だとは思うのですが、歌詞から伝わってくる逸る気持ちのほうを優先させたのかなと妄想できます。
ということで桃井さんによる健気で切ない歌詞も素晴らしいです。泳げない人の恋心がこれでもかと言うくらい見事に描写されていて感動すら覚えました。水泳に限らず、何かが出来ないだとか輪に入れないだとかのコンプレックスを抱えた上での恋の哀しさを描いているとも解釈できますね。
"ああ わたしは今日もひとり/水辺で はしゃいでるみんなを見てる"という淋しい立ち上がりで既にうるっときますが、その状況から脱却しようとしても出来ないというつらさを描いた歌詞が続くので、どうしても胸にくるものがあります。
僕は全く泳げないわけではないので想像でしかありませんが描写がリアルだなと思います。"はだしになったくつしたのあと/消えないまま"とか、"だけどダメなの 熱があるの/37.5℃ 仮病よ、恋のせい"とか、"泳げない 今はみてるだけでいい"や、"お風呂の中でれんしゅうして/いつかくるときにそなえても"などなど、もどかしさの波に攫われるかのようです。
ちょっとしたことですが上で挙げたサビの歌詞、"37.5℃ 仮病よ"を「ななどごぶ うそよ」と読ませているのがたまらなくツボです。「七度五分 嘘よ」でも意味は当然同じですが、字面が与える印象にも気を遣っているんだなということがわかるから(平仮名の多さも同じくですね)。
歌詞カードの上では結びにあたる部分(repeat部は除いてという意味)には、"泳げない 水はキライ…/あなたは好き"という非常にシンプルな一節が据えられていますが、このフレーズこそが歌詞全文を収束させたものだと言え、ここまでの具体的な情景描写との対比によって心に深く響くような〆になっているのがこれまた巧いです。
何メートルぐらい泳げる?
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あんまり泳げません。100mも泳げれば上出来レベル。記憶が曖昧なのですが、体育のテストだと25m毎に泳法を変えながら100m泳ぐとかだった気がするから後半はキツかったな。特に平泳ぎが苦手だったからそこで体力がだいぶ奪われる。背泳ぎで回復出来るからなんとか完泳は出来たけど。
海でもなるべく足が付くところまでしか行かないし基本的に泳ぎには苦手意識があります。だから普通の海水浴なら問題ないけれど、一度だけ港に停めたクルーザーから直接海に入る機会があってその時は怖かったです。浮いてなきゃいけないのは不安。
クルーザーは大学院時代の友人(といっても年配の方です)が所持していたもので、僕を含む同年代の若い衆を連れ出してくれたのですが、男女の別なく泳いで向こう側の堤防まで難なく行ける人も居て凄いなと思いました。距離的には僕にも出来ただろうけどその勇気と自信が持てなかった。
この時期になると毎年のように水難事故のニュースが何件も入ってきますが、やはりとりわけお盆に水辺は危険なのだと思い知らされますね。単に報道が多くなるせいというのもあるのでしょうけど、スピリチュアルな理由だけでなく気象的にもお盆の水辺はリスクが高いですから気を付けるに越したことはないでしょう。
BEST 2 “萌えソングをきわめるゾ!!”/ランティス

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「今日は何の日?」には「国民皆泳」という耳馴染の無い言葉が使われていますが、「今日の一曲!」のためにシンプルにして【テーマ:水泳】でいきます。ということで紹介するのはUNDER17の「泳・げ・な・い」(2004)です。カナヅチのほうにスポットを当てたので厳密にはテーマに反しているのですがご容赦を。
実は前にもこの記事で少しだけ存在を匂わせたことがある曲です。とはいえブログテーマとしては初登場のUNDER17(アンセブ)なので、アーティスト紹介も含めて改めて取り上げるとしますね。【追記2017.09.04 上掲にリンクした記事のブログテーマを後から「UNDER17」に変更しました。「初登場」という言葉と整合性が取れなくなっているのはそのためです。】
この曲は『萌えソングをきわめるゾ!!』というド直球なタイトルを持つアルバムに収録されており、そこから察することが出来るかもしれませんが『すくみず ~フェチ☆になるもんっ!~』というR18ゲームの挿入歌です。同ゲームはOP曲もED曲もUNDER17が担当しています。
これは裏話になりますが、I'veの記事を書いたことでとりあえず「R18ゲーム」という言葉が即削除対象にはならないことがわかったので、UNDER17にも光を当てようと思ったのが執筆動機のひとつとしてあります。笑
I'veの名前を出したことからもわかると思いますが、UNDER17もR18ゲーム界隈にて頭角を現し人気となった存在です。全年齢アニメの主題歌もいくつか担当していましたし僕が知ったのも一般向けからなのですが、活動期間が3年足らずという短さであったため主戦場はR18ゲームだったと言って差し支えないでしょう。
長くなるので詳しくは書きませんが、ある種の使命感と明確な目的意識を持ったユニットだったと思いますし、それはR18ゲームに対する深い想いが反映されたユニット名からも推し量ること出来ますが、そのプロ意識が功を奏してか活動期間の短さに反して人気は絶大でしたし、業界や後世に残した功績も大きいと思います。まさに伝説という形容が相応しい。
I'veの記事からもご理解いただけると思いますが、年齢的な問題もあって僕は音楽にこそ明るいものの、それらが提供されたR18ゲームに関する知識はほとんどありません。よって次の一文は見当違いかもしれませんが、曲の説明のために続けます。
I'veはR18ゲームの主題歌と言っても明るい作品と暗い作品のどちらにも対応できるオールラウンダーなイメージなのですが、UNDER17はどちらかと言えば明るい系の作品に明るい楽曲を提供するのが得意なクリエイターという印象です。
アルバムタイトルにも出てくる「萌えソング」という言葉もその証左だと思うのですが、かつて所謂「電波ソング」として取り上げられたような、キュートではちゃめちゃな楽曲が多いという認識でいます。
そういう意味では今日紹介する「泳・げ・な・い」は異色作になるのではと思っています。電波な要素が一切なく歌詞も曲もいたって真面目で、往年のアイドルソングとして存在していてもおかしくないような正統派のナンバー。
冒頭でリンクした記事の中で僕はこの曲に対し「これほど水の表現が見事なサウンドもなかなかないと思う。」という表現をしたのですが、その言葉通り僕が最も気に入っているのはその編曲の鮮やかさなのです。
イントロから鳴り続けるシークエンス、煌びやかなパッド、残響音がパンするタイミングが心地良い綺麗な鍵盤系(ピアノ?)の音、ブレイクビーツのような細かさのあるドラムスから一転したサビの強烈なキック、リバーブとディレイが見事なボーカル、その全てがこの上なく水を表現していると感じるんですよね。
もう少し具体的に言うと、水の底から水面の煌きと上昇する泡沫を眺めている情景が浮かぶのです。特に2番後の間奏と落ちサビ、ここはドラムスが消えてボーカルの処理が一層きつくなる部分ですが、溺れているかようなの錯覚を起こすぐらいの素晴らしいアレンジだと評したい。
桃井さんの声質をいちばん鮮やかに利用しているとも表現出来ますね。決して悪い意味で言うわけではないのですが元々鼻声気味だと感じるボーカルなので、詰まるようなエフェクトをかけると水中で歌っているかのような感じが醸されるんですよ。この扱いにくい要素を逆手に取ったようなところに小池さんの凄さを見た気がします。
メロディが疾走感を伴っているのもアレンジによるところが大きいと思いますね。もっと優しい編曲にしても合う旋律だとは思うのですが、歌詞から伝わってくる逸る気持ちのほうを優先させたのかなと妄想できます。
ということで桃井さんによる健気で切ない歌詞も素晴らしいです。泳げない人の恋心がこれでもかと言うくらい見事に描写されていて感動すら覚えました。水泳に限らず、何かが出来ないだとか輪に入れないだとかのコンプレックスを抱えた上での恋の哀しさを描いているとも解釈できますね。
"ああ わたしは今日もひとり/水辺で はしゃいでるみんなを見てる"という淋しい立ち上がりで既にうるっときますが、その状況から脱却しようとしても出来ないというつらさを描いた歌詞が続くので、どうしても胸にくるものがあります。
僕は全く泳げないわけではないので想像でしかありませんが描写がリアルだなと思います。"はだしになったくつしたのあと/消えないまま"とか、"だけどダメなの 熱があるの/37.5℃ 仮病よ、恋のせい"とか、"泳げない 今はみてるだけでいい"や、"お風呂の中でれんしゅうして/いつかくるときにそなえても"などなど、もどかしさの波に攫われるかのようです。
ちょっとしたことですが上で挙げたサビの歌詞、"37.5℃ 仮病よ"を「ななどごぶ うそよ」と読ませているのがたまらなくツボです。「七度五分 嘘よ」でも意味は当然同じですが、字面が与える印象にも気を遣っているんだなということがわかるから(平仮名の多さも同じくですね)。
歌詞カードの上では結びにあたる部分(repeat部は除いてという意味)には、"泳げない 水はキライ…/あなたは好き"という非常にシンプルな一節が据えられていますが、このフレーズこそが歌詞全文を収束させたものだと言え、ここまでの具体的な情景描写との対比によって心に深く響くような〆になっているのがこれまた巧いです。