今日の一曲!Orbital「Bath Time」【テーマ:風呂】 | A Flood of Music

今日の一曲!Orbital「Bath Time」【テーマ:風呂】

 【追記:2021.1.4】 本記事は「今日の一曲!」Ver. 1.0の第三十弾です。【追記ここまで】

最近、湯船にゆっくり浸かった?

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 浸かってません!普段からシャワー派で、真冬ですらそうなので。旅行先ですら大浴場には行かず、部屋のシャワーで済ませちゃうタイプです。まあこれは僕が旅行をするのは基本的に夏で、大体が沖縄だからということも理由でしょうけど。

 別に風呂嫌いってわけではないんです。でも湯船に浸かるのは面倒なんですよね。用意もそうだけど、入る行為そのもの自体が面倒。これを指して「風呂嫌いだろ」と言われたら何の申し開きも立たないのですが、お湯に浸かること自体は好きなんですよ。笑

 だから全く浸からないというわけではないです。特に理由は無くても入りたくなった時には入りますし、肩凝りが酷すぎるときは湯治感覚で湯船を求める時があります。


Blue Album/Ato Records

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 そんな【テーマ:風呂】の「今日の一曲!」はOrbital(オービタル)の「Bath Time」です。『Blue Album』(2004)収録曲。実は前々から風呂のネタが来たらこの曲を紹介しようと思っていました。この曲を紹介したいというよりは、Orbitalの記事を書きたかったから。

 Orbitalを聴き始めたのは高校生の頃なので、ファン歴で言えば10年以上あります。しかし当ブログでは名前を出したことはあっても、曲のレビューをきちんとしたことはありませんでした。


 それもそのはず。なぜならOrbitalは2004年に一度目の解散をしていて、このブログを始めて更新が止まるまでの2010年~2011年の間にはリリースがなかったからです(更新停止前は基本的に新譜レビューしか行っていなかったので、紹介できるタイミングがなかった)。

 「一度目」と書いた通りその後Orbitalは復活するのですが、8年ぶりのオリジナルアルバムである8th『Wonky』のリリースが2012年…その頃には当ブログは長い休止期間に入ってしまっていたので、これまた機を逃すことに。

 2016年に当ブログは更新を再開しましたが、悲しいことにOrbitalは2014年に二度目の解散をアナウンス(解散自体は2012年っぽいですが)。これで今後の新譜レビューで登場することは(少なくともオリジナルアルバムでは)なくなってしまったので、いつかどこかでこの"好き"を解放したいなと思っていたのです。

【追記:2017/4/28】

 この記事をあげて間もないうちに二度目の再結成がニュースになっていて驚きました。第六感が働いたのかもしれません。笑 とはいえ調べると実は今年の2月には再結成の情報があったんですね。これは知らずに書いていました。

 今のところ確定しているのはフェス参加だけっぽいですが、新譜の噂もあるみたいなので非常に楽しみです。よかった。

【追記ここまで】


 このOrbital愛、実はブログを休んでいる間に更に大きくなっていったのです。高校生の頃から好きとは言え、ブログ更新停止時の段階では1st『Orbital』(1991)と2nd『Orbital 2』(1993)と当時の最新作『Blue Album』しか聴いていないという、所謂ニワカでした。

 当時(今もですが)僕にとっての神はUnderworldだったので、「好きと言えばかなり好きな音なんだけど、Underworldほどではないな」という気持ちが、僕の中でOrbitalの過小評価に繋がっていたことは否めません。同じイギリス出身のユニットで日本でも人気だという点で、どうしても比較対象になっていました。

 しかし2012年にアルバムが出るということを知って、「いい機会だから抜けている作品(3rd~6th)にも手を出そう」と思ったことが、僕のOrbitalとの本当の出会いだったと思っています。

Original Album Series/Orbital

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 この抜けを埋めようという僕のニーズに渡りに船のディスクがあって、それがこの『ORIBITAL ORIGINAL ALBUM SERIES』(2011)です。1st~5thが全て入ってシングルCD並みの値段という破格の商品(装丁はお察しの廉価盤といった趣)。

 3rd~5thを目当てにこれを購入し聴いたところ…「なんだよ!Orbitalってこの頃がいちばんいいじゃん!」と衝撃を受けました。いやね、今はどうか知りませんけど、普通初心者がOrbitalに手を出すとしたら1stと2nd(通称グリーンとブラウン)だってよく言われていたんですよ。

 確かに代表曲であろう「Chime」(1990)や「Halcyon」(1992)が収録されているのはこの2作(ライブ音源と別Ver.とはいえ)ですから。そして実際この2作は素晴らしい出来だと言えるので、ススメ方としては何らおかしくはありません。ただ、ついでに教えてほしかった。「3rd以降も素敵なんだよ!」と。

 
 1stと2ndと(当時最新だった)7th、この3作はどちらかと言えばフロア寄りの作りになっていると思います。だからこの3枚しか持っていなかった時は、「これはこれで良いけど、ダンスミュージックとしてはUnderworldに分があるな」と思っていました。実際これは今でもそう思っています。

 しかし僕が最も気に入ったOrbitalのサウンドは3rd~5thのもの。この3作は上手く表現できないんですが、(映画の)サウンドトラックのようだと感じています。もちろんこの3作もダンサブルなことには変わりないんですが、情報量の多さが単なるダンスミュージックで片付けられる域を超えている。

 つまり、使われている音色の種類や楽曲の奥行きに関してはOrbitalに軍配を上げたいということです。もちろんUnderwoldにも同種の素晴らしさがあることは重々承知していますが、それはやはりダンスミュージックの上に成り立っているものだと思うのです。


 陳腐にまとめればそれぞれ違った良さがあるというだけの話ですが、そもそも両者を比較することはナンセンスだなと思いました。あまりにも質が違う。

 日本でしか通じない(と言われている*)テクノ四天王という括りでは他にThe Chemical BrothersとThe Prodigyがいますが、「この4者をまとめるなんてとんでもない!」と、全部を聴いている人ならわかるであろうと思います。笑

 とにかく、Orbitalに関しては3rd~5thを聴いたことで評価がグンと上がり、一時期僕の中で「Underworldを超えていちばん好きなサウンドなんじゃないか」というところまでいきました。最大風速ならUnderworldに、最大瞬間風速はOrbitalに…という例えで両者を同時に賞賛したいと思います。笑


 さて、「今日の一曲!」である「Bath Time」からだいぶ遠ざかってしまったので改めて書きますが、7th『Blue Album』の収録曲です。一度目の解散前のラストアルバム。

 6th『The Altogether』(2001)の帯に書いてあった名キャッチコピーに、「楽しいな。あったかいな。オービタルっていいな。」というのがありましたが、収録アルバムこそ違えどこの曲はまさにこのコピーを体現していると言える、あたたかくて癒される曲です。


 やわらかい音使いで奏でられるポップなメロディに神秘的なクワイアが乗るというシンプルなトラックながら、タイトルである「Bath Time」感はバシッと伝わってきます。タイトルを見てからこの曲を聴いてバスタイムを連想できない人なんているの?とすら思う。

 ただし浮かぶのは日本の風呂ではない。笑 "バスタイム"は想像できても"湯浴み"は浮かんでこない、そんな感じ。絶対バスタブは猫足で、カーテンが引いてあって、入っているのは女性。ローズの香りの泡まで見える勢い。

 別に水の音(泡の音)やボーカルトラック(クワイアは除く)使われているわけでもないのに凄い表現力だなと感心します。しかし敢えて違うイメージを乗せるなら夢でしょうかね。ドリーミーなサウンドなので。


 このように、(帯の受け売りの繰り返しになってしまいますが)Orbitalってあったかいんですよ。それこそが最大の魅力。攻撃的なトラックも数多くありますが、それでもどこか優しさを感じられるんですよね。

 おそらくこれは音から受けるイメージや編曲の話だけではなくて、現実的に音の処理が上手いのだと思います。なるべく耳に優しい周波数/帯域使いでもってイコライズされているのではないかな。


 最後にOrbitalで特に好きな曲を10曲挙げて締めます。インスト系は「今日の一曲!」のネタでは登場させにくいので、機会が回ってきた時に一挙に放出してしまわないと今後逸しっぱなしになりかねないので。笑

 厳密に優劣を付けるのは難しいのですが、(便宜的に設定した)特に好きな10曲の中でも殊更好きなのは、「Know Where To Run」(1999)、「Are We Here?」(1994)、「Out There Somewhere? (part one)/(part two)」(1996)です。見事に3rd~5th。どれも長尺ナンバーですが、展開が神憑り的にドラマチックで延々と聴いていられる。

 残るフェイバリット・セブン(順不同)は「The Girl With The Sun In Her Head」(1996)、「Stringy Acid」(2012)、「Kein Trink Wasser」(1994)、「Old Style」(1999)、「Don't Stop Me」(2010)、「The Box」(1996)、「An Fhómhair」(1999)ですかね。

 こうして見ると全体的にはバラけていますね。一応調べましたが初出年が正確でないかも知れません。



 * 以降は注釈です。上掲の「日本でしか通じない(と言われている*)テクノ四天王」という表記についての補足。(と言われている)とわざわざ括弧付きで書いたのには理由があります。

 この「テクノ四天王」という言葉自体が不和を生む場合があると感じているので、私見を述べますということです。ただしソースは僕の記憶というレベルなので話半分に聞いたほうがいいかも…な内容。


 まず、「テクノ四天王」という言葉が通じるのは日本だけだというのは間違いないと思います。いかにもカテゴライズ好きな日本人が付けそうだし(偏見)。笑 …と、ずっとこう思っていたのですが、言葉はともかく概要としては通じるんじゃないかと思った出来事がありました。

 確かUnderworldが海外メディアの取材に答えている動画(音楽番組の配信?)だったと思うのですが、その中でインタビュアーが「Orbital, The Chemical Brothers, The Prodigy」の名前を同時に出して質問をする場面があったと記憶しているんです。

 肝心の質問内容は忘れてしまったのですが、活動形態に関してだったような…?同じイギリス出身で広義では同じジャンルを扱っているレジェンド・ミュージシャンとして、長く活動することについてとかそんな感じ。


 質問者が日本人或いは日本から情報を得た可能性も否定できませんが、これを聴いて「あ、海外でもその4者の関係性は話題になるんだ!」と思ったんですよね。出自や歴史を考えればまあ当然っちゃ当然かもですが、あながち「テクノ四天王」という括りも的外れではないのかなと思った次第。

 うーん…なんか漠然とだけど質問の趣旨を考えるに、インタビューを受けていたのはOrbitalで、名前が出たのが「Underworld, (以下略)」だったような気がしてきた。そんなに昔の記憶じゃないんですよね。だとすると『Wonky』(2012)リリース時のことかな?と思ったり。

 一度解散しているグループに訊く質問としては自然なものでしょうからね。比較として挙げるならその3者かなぁと。


 …とまあ、これが全て記憶に基づいていることなので、もしかしたら全て妄想である可能性も否定できません。記憶の混濁による与太話の線も頭に残しておいていただけると助かります。ちなみに本件について調べると余計に惑わされそうな気がするので、あえて調べていません。笑

 おそらく正式なソースは探せず、せいぜい匿名掲示板のログぐらいしか漁れないだろうと思っているからです。ファンの集いの場での書き込みを信頼していないわけではありませんが、ソースとするにはちょっとね。