TOKYO GIRL / Perfume +α(「今日の一曲!」【テーマ:バレンタインデー】) | A Flood of Music

TOKYO GIRL / Perfume +α(「今日の一曲!」【テーマ:バレンタインデー】)

 Perfumeの23thシングル『TOKYO GIRL』のレビュー・感想です。特に意識していませんでしたが去年はシングルのリリースがなかったんですね。ということでシングルとしては約1年4ヶ月ぶりとなります。

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 当ブログにおけるPerfumeの記事は13thシングル『レーザービーム / 微かなカオリ』(2011)のものが最後だったのでちょうど10作分のブランクがあります。例によってこれはブログ上だけでの話でPerfumeのファンはずっと継続中です。

 普段であればここでブランク埋めレビューを行うところですが、アルバム3枚分もやらなくてはいけないことに加えPerfumeぐらい有名であればわざわざやる必要もないだろうと思うので、いきなり本作のレビューに入らせてもらいます。まずはCDから。


01. TOKYO GIRL



 現在放送中の日本テレビ系ドラマ『東京タラレバ娘』の主題歌としてお馴染みですね。第一話だけは観ましたが色々と思うところありで切っちゃいました。その理由について書いていたら社会・政治思想論にまで発展して我ながら気分を害したので載せるのはやめます。笑

 ちょうど先週の『はくがぁる』(テレビ朝日)で原作者である東村アキコさんの特集が組まれていたのですが、原作は素直に面白そうだなと思えたので単にドラマでの描写・演出の仕方にどこか不満を持っただけという話かもしれません。


 …いきなり脱線気味ですが曲のレビューにいきます。複数の音楽番組でも言及されていましたが「音数が少ない」というのは確かにこの曲の特徴ですね。タイトルから想像するともう少しサイバー感があってもよさそうな気がしますが意外とストイックなサウンド。

 MVのメイキング映像でもこの点に関する言及があり、最初はもっと全体的に装飾があったようですがそこから引いていって今の状態になったみたいです。引き算の美学、上手いトラックメイカーほどこれをよくわかっていると思います。


 トライバルなビートのイントロで静かに幕開けし、Aメロ終わりまでは最低限の音しか使われていない印象です。この時点で既に新鮮ですが、メロディ自体にスピード感が出始めるBメロに入ってもまだキックが出てこないのがより驚きでした。自分だったら安易に"Lighting"の時点で入れちゃうなと思った。笑

 サビ前でアレンジがEDMっぽいサウンドとコードになるのでPerfumeでもこの路線なのかと思いましたが、この曲に関しては思わせぶりでとどめた感じですね。良い判断だと思う。

 サビでようやくキックが入り一気にダンサブルになりますが、メロディ自体は割と地味な気がします。キャッチーではあるけど大人しめだよね。アレンジもそれにあわせて派手過ぎないので上手く調和がとれています。


 ドラマの内容もそうですがPefumeの3人もアラサーなので、このあたりを意識して落ち着いたサウンドメイキングなのかなと思いました。確かにいくら"TOKYO"がモチーフだからといってここでド派手な曲が来たらなんかそれは違うわと思っていたことでしょう。それでも"GIRL"なのがささやかな反抗心に思えて好きです。笑

 歌詞に関しては"情報を掻き分ける熱帯魚"という表現がお気に入り。このフレーズ含めて1番Aメロの歌詞は普段の中田ヤスタカらしからぬ小難しさがあって意表を突かれました。ここは振り付けも凝ってて素敵だなと思います。


02. 宝石の雨

 「SUNSTAR Ora2×Perfume くちもとBeauty Project」CMソング。CM出演もPefumeだったので印象に残っている方も多いのでは。といってもよく流れていたのは去年な気がします。

 こちらは01.「TOKYO GIRL」とは対照的に、ポップで綺麗なメロディに爽やかなサウンドなので聴きやすいです。c/wですが両A面でも良かったんじゃないかな。

 CMではサビの歌詞は"Rainyなくらいに"しか自信を持って聴き取れていなかったのですが、"Rainyで綺麗に 精錬の過程に/ほんのマジックみたいなの"という歌詞を見てこれは聴き取れないわと思いました。笑 "精錬の過程"なんてこれもかなりヤスタカらしからぬ言葉のチョイスではないでしょうか。


 03.と04.は各曲の-Original Instrumental-です。ということでCDのレビューは以上。続いて初回盤付属のDVDのレビューにいきます。


・TOKYO GIRL -Video Clip-

 冬の澄んだ空気でクリアな東京の夜景をバックに、軌道エレベーターかと思うぐらいの高層建築が聳える様は近未来的。Perfumeメンバーそれぞれがエレベーターで上昇し、屋上で3人揃ってダンスというのがMVの流れ。

 一方地上には光る三角錐を握りしめた人々が。最初は高層建築を見上げているだけでしたが、にわかに走り出し各所に△を置きまくります。この時の足音や置く音(SE)が入っているのはMVならではの演出ですね。

 それに何の意味があるのかと思っていたら、△はレーザー光線を高層建築に向け放ち始めます。つまり屋上というステージで踊るPerfumeを彩る照明装置だったというわけですね。人々のエネルギーの照射という意味合いもおそらくあるでしょう。

 ちなみに人々の中には女優の吉高由里子さんもいます。ドラマの主演でもありますしね。吉高さんって結構MVの出演多くないですか?個人的にはMONOBRIGHTの「DANCING BABE」(2011)以来にMVでお目にかかりました。


・Perfume View

 「TOKYO GIRL」MVのメイキングです。メンバー自身による撮影なのでPerfume View。色々と制作秘話が知れて楽しい内容ですが、「今回の衣装、ブチャラティみたい」とのっちに熱く語るかしゆかがいちばん面白かったです。笑

 CDレビューのところでも書きましたが曲に関する言及もあります。メンバー曰く聴きどころは「Aメロ・Bメロとサビの緩急」だそうですよ。音楽番組でも「ダンスがコンテンポラリーっぽい」と言っていましたし、メリハリが大事な曲というわけですね。


・Special Teaser Trailer

 COMING SOON!!らしい『Perfume 6th Tour 2016 COSMIC EXPLORER』のBD・DVDのトレーラーです。短い映像。



 DVDを含め本作のレビューはこれでおしまいです。2曲だけなので特に総評はしません。言いたいことは全て各項で書ききったので参照してください。最後にちょっとした小ネタを書いて本当の締めとします。



 さて、本作の正式な発売日は明日なので所謂フラゲしてこの記事を書き上げたのですが、僕のポリシーとしてはフラゲしたとしてもレビュー投稿は早くても発売日まで待つのが筋だと思っています。

 しかし今日はそのポリシーを破ります(といってもこの記事をアップしたのが23時過ぎなのでほぼ発売日ということで大目に見てください)。その理由は日付にあって、今日がバレンタインデーだからです。

 【追記:2021.1.4】 本記事は「今日の一曲!」Ver. 1.0の第二十二弾です。【追記ここまで】

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 ということでここで「今日の一曲!」も同時に書いてしまう初試み。Pefumeの記事で【テーマ:バレンタインデー】といったら勿論…そう「チョコレイト・ディスコ」(2007)!



 バレンタインソングのニュースタンダードとして定着していますよね。…と書いたもののリリースから今日でちょうど10年という事実に気付いて戦慄しました。笑 これが10年前とか嘘でしょという気持ちです。「ニュー」と使ってしまった自分の感覚が恐ろしい。

 とはいえ曲自体は10年経っても全く色褪せていませんし、この有名曲を今また紹介することに特に抵抗はありませんね。というかヤスタカサウンドは昔から音が良いから、後続の作品と並べても見劣りしないというのが改めて凄いと思う。

 今のPerfumeにここまで元気でティーンエイジャー感満載の曲は似合わないとは思いますが、あえてこういうタイプの新曲がまたあってもそれはそれで面白そうなので密かに期待しておこう。笑