大発見 / 東京事変 | A Flood of Music

大発見 / 東京事変

皆様、お待たせ致しました

ここのところ忙しくて中々書く時間を確保出来無かったのですが
漸く東京事変のニューアルバム『大発見』のレビューが出来ます


…というか文月初の更新ですね、頻度が落ちていてすみませぬ




何時ものように1曲ずつレビューしてから、全体へ


如何な大発見があるのか…楽しみに




01. 天国へようこそ For The Disc (WHERE'S THE HEAVEN FOR THE DISC)


 仰けから意表を突かれました

 配信限定の『天国へようこそ』のアルバムバージョンなのですが
 『大人』の修羅場 adult ver.のようなアレンジ違いを予想していたら
 まさかの日本語詩、茎-STEM-から茎の流れを思い出しました


 元曲(英語詩)の旋律に、綺麗に日本語が載っています
 Cメロはアレンジされていますが、巧くハマってますね


 演奏は、師匠のベースが只管気持ち好かったです
 元曲の持つ妖しげな雰囲気はその儘に、然し方向性が違うアレンジだなぁと
 こちらからは和の薫りがします、見事な変貌です




02. 絶対値対相対値 (RELATIVE VS. ABSOLUTE)


 作詞女史、作曲わっち&女史の攻撃的なロックナンバー


 言葉遊び炸裂の歌詞がツボ
 それとメロディが巧く呼応して、音韻の波乗りが楽しい


 歌い方にも意地悪い可愛らしさがあって良いですねw


 ライブで映えそうな印象です、かなり好き




03. 新しい文明開化 (BRAND NEW CIVILIZATION)


 東京メトロのCMソングとしてもお馴染みの本作リードトラック


 全編に亘り英語詩ですが、メロディはキャッチーで聴き易いです
 サビはそうでもないですが、A・Bメロは音符の数が多く早口気味なので
 英語の方が座りが良いですね、好判断だと思います


 演奏は非常に若々しいというか、新鮮さを感じますw
 ギターソロもあって、ロックのお手本と云う感じ


 これもライブではかなりの盛り上がりを魅せるに違いない



04. 電気のない都市 (CITY WITHOUT ELECTRICITY)


 これは震災後に書いたのでしたっけね
 MUSICAのインタビューに斯様な記述があった筈


 テーマは正にそうですよね
 東北は勿論ですが、関東の大都市までもが電気を奪われ
 文明て脆い物だったんだなぁと、僕も実感しました
 そう考えると、新しい文明開化からの流れにも意図性を感じる曲順


 わっち作曲で、ピアノが迚も美しい名曲です
 涙腺に来る旋律と御歌…ラストを飾っても良いような



05. 海底に巣くう男 (REGARDEZ MOI)


 浮ちゃん作詞・作曲の気怠るいナンバー
 酔ってるなぁ、という感じのイントロが好きですw


 『娯楽』に入っていても違和感無さそう
 何度か聴いているうちに段々癖になって来ました



06. 禁じられた遊び (JUEX INTERDITS)


 同名の映画が有名ですが関係があるのでしょうか


 脳内深く浸透してくるような加工を施された歌声から始まります
 リバーブとフィルターの効果でしょうか
 如何したらここまでくぐもった感じを出しつつも
 綺麗な音に仕上がるのか教えて欲しい


 然しサビやブリッジでは激情と色気を伴う歌い方で燃(萌)えます


 自分の中で東京事変と云えばこの曲のようなサウンド・展開なので
 ドツボでした、大好きです



07. ドーパミント! BMP103 (DOPA-MINT! BMP103)


 キスミントのCMソングとしても認知度が高いと思われますが
 配信限定の『ドーパミント!』のアルバムバージョンです


 元はBMP119でしたが、こちらはタイトル通りBMP103にまでダウンして
 アレンジもジャジーに変わり、ドーパミン放射が抑制された感じがしますw
 因みに歌詞もBMPに合わせて少し変わっています



 個人的にはここいらで陽性のサウンドが聴きたい流れだったので
 流れ的にはBPM119を収録して欲しかったかな
 ただ曲単体で聴くとBPM103の方が好み



08. 恐るべき大人達 (LES ADULTES TERRIBLES)


 イントロのギターが洒落乙過ぎて浮ちゃんに惚れるw
 師匠のベースラインもゾクゾクしますわ


 作曲は師匠&女史ですが、浮ちゃんぽい気もしました
 此の曲はメロディも最高です、英語詩と巧くマッチしてます
 でもBメロとサビは少し既聴感があるような
 メロディ運びが少しUtadaっぽいと思ったからだろうか


 Aメロとサビラストはディレイが効果的


 今のところ『大発見』で一番気に入ってます
 演奏は技巧派で歌詞も文学的で凝っているけれど
 実はメロディはキャッチーであったりと、良い配合



09. 21世紀宇宙の子 (CHILD OF THE 21ST CENTURY UNIVERSE)


 このアルバムで最もキャッチーな応援歌
 透明人間を彷彿させるあたり、人気出そうな予感


 これもライブで映えそうだなぁーもう映像が見えるよ


 普通に良い曲だから、余り云う事がないw



10. かつては男と女 (UN HOMME ET UNE FEMME)


 浮ちゃん作曲の小技の効いた一曲と言いますかね
 大きな盛り上がりはないけれど、良い曲です


 タイトルと歌詞から想像出来る情景・背景が人間らしく好きです
 小説から一部切り取ったかのようなね




11. 空が鳴っている (REVERBERATION)


 シングルの時にレビューしたので、詳しくはそちら



12. 風に肖って行け (GO WITH THE WIND)


 タイトル、「風に肖(あやか)って行け」であってますよね?


 本作で一番短い2分37秒の楽曲
 英語と日本語が入り組むロックチューンで
 どこがサビとも云い難い面白い構成の曲です


 歌詞が迚も好きです
 パフォーマー視点の内容だと思うんですが、人生に当て嵌めても面白い


 この曲のスタンスが東京事変(というか女史?)の裏というか深層だとしたら
 女の子は誰でもは表で表層に見えている一面だと、自分の解釈ではなるw
 そう意識した上での12-13の落差ではないかと推測



13. 女の子は誰でも (FLY ME TO HEAVEN)

 シングルの時にレビューしたので、詳しくはそちら

 最後の歌詞が(副題にもなってますが)次への布石になってますね



14. 天国へようこそ For The Tube (WHERE'S HEAVEN FOR THE TUBE)


 はい、また天国に来ました
 ボーナス・トラックとしての収録です 

 こちらは配信限定の英語バージョン
 それもリリース時にレビューしたので詳しくはそちら
 昔の記事なんで若干キャラが違う気がしますが、気にせずw


 


以上です



いやー良い曲が多い!まぁそれは毎度言っていることですがw



ただ、アルバムとしては少し書きたいことが

アルバムとしての流れを意識したんじゃないかなぁ
と思う個所をいくつかレビューでも触れましたが
基本的にはアルバムとしてのまとまりは弱いように感じました


それは流れの問題ではなくて、方向性のお話かも知れません
アルバム全体が一方を向いていないというか…
各曲はバラエティに富んでいて良い曲ばかりなんですけどね

ただ『大発見』ですからね!
色んな分野でのgreat discoveriesをまとめたものと考えれば
そりゃ方向性は雑多になりますよね


あとフェードアウトで終わる曲が多いせいってのもあるかも
05, 06, 08, 10, 11はそうですよね?


まぁでも、個々の曲が本当に素晴らしいのは
レビューで触れた通りです、おすすめです!



それと歌詞カードですが
英語のフォントが読みにくい、全部キャピタルなので余計に




暫くはヘビロテして、より理解を深めていく所存です


ではでは、長くなりましたがレビューでした