笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~ -58ページ目

キミトイタバショ





ボクの小さな部屋

二人で過ごした たくさんの時間



二人乗りした 自転車で

ボクにつかまる キミのぬくもり




思い出は こぼれ落ちるほど

たくさん あったね



ボクのそばには いつもキミがいて

それは 当たり前のことで

不変の事実で

永遠の存在





そう 思っていたんだ

そう 思っていたんだ



  
ボクの小さな部屋

そこに キミは もういない





アオゾラ






こんな日も あるよね

ただ訳もなく 悲しいときって



誰が悪いのでもなく

誰のせいでもなく



それは  僕の中で

ココロの中で







見上げた空は 

ただ真っ直ぐな 青空だった








第13話 急変

それは突然だった・・・・

なんの前触れさえも無かった・・・・





久しぶりに自宅へ戻ってきた私は

家族と過ごせる時間がいとおしく

とても幸せだった。



家族揃っての食卓

みんなでお風呂に入って

みんなで布団に入って眠る幸せ。

こんな当たり前のことが

嬉しくて楽しくて

そして幸せだった。











そうして目覚めた次の日の朝早く

妹から電話がきた。


「もしもしお姉ちゃん?」

その声はひどく慌てていた。



「どうした?なんかあったの?」


「お姉ちゃんに心配掛けたらいけないと思って

言わないでおこうと思ったんだけど・・・」


「え・・・どうゆうこと?」

「お母さんね、昨日の夜中

また混乱しちゃって・・・それで今日の朝

病院から連絡が来てね・・・

お母さん・・・いま血圧が急に下がって昏睡状態なの・・・」



「えっ・・・・」



昏睡状態って・・・・

昨日はあんなに元気だったのに・・・

どうして・・・・




私は電話口で何も言えなくなってしまった。





「もしもし?お姉ちゃん?聞いてる?」


「うん・・・聞いてるよ・・・」


「どうしよう・・・お姉ちゃん・・・

すぐに戻ってこれないよね?」





戻る・・・戻らなきゃ・・・

でも・・・子供達はどうしよう・・・

どうしたらいいのだろう・・・




余りに突然の出来事で

私は混乱していた・・・





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第12話 幸せ

母が看護師さんに大部屋に移動したい希望を告げると

今ちょうど空いているとのことで

移動したいならばすぐ出来ますよと、言われた。

それならば!と、すぐに大部屋を見に行くことにした。

大部屋は6床ベットがあった。

空いているベットはちょうど窓際で眺めも良い。

母は気に入ったようだった。


「よかったわ!窓際が空いているし

すぐにでも移動したいなぁ~」


「そうなの?でも・・・本当に大丈夫?」

「なに心配しているのよ!大丈夫だから

心配することないって!」


いつになく強気な母。

私は心配で堪らなかったが

母が余りにも張り切っているので

強く反対することは出来なかった。


すぐに看護師さんに移動することを伝えて

荷物の整理をして大部屋に移ることにした。

移動が一段落してから同室の患者さんに挨拶をして

一息ついたときに母が言った。

「今日はもう帰りなさい。

お母さんもここにいたら心細くないから、付き添いはしばらくいいからね。

あとMも少しの間、家に帰りなさい。」


「うん・・・でも本当に本当に大丈夫?」

「も~しつこいわね。大丈夫だって!」

「そう・・・じゃあ今日は帰るけど・・・」

「そう!早く帰りなさい。じゃあね」

母に追い立てられるように病室を後にして

ナースステーションに寄り看護師さんに何かあったら

すぐに連絡をくれるように言ってから

私は病院を後にした。



それから4、5日母の体調も変化することなく

心配していた副作用も余り無かったので

私は2ヶ月ぶりに自宅へ帰ることにした。

新幹線に乗って最初に夫の実家へ行き

見てもらっていた子供と久しぶりに再会して

次の日に自宅へ子供と帰った。

夫も仕事が休みだったので

本当に久しぶりに家族4人揃った。


やっぱり家族が揃うと、ホッとする。

子供達も小さいながらこの環境に戸惑いを見せていたが

自宅に戻ってからは、安心したのか

のびのびと遊んでいて、とても嬉しそうだった。


今まではこの生活が当たり前で

そしてこの生活が私にとって一番の幸せだなんて気がつかなかったが

離れて暮らしてみて、初めて家族の大切さ

当たり前の生活が出来る幸せ・・・

そんなことに気づかされた。









だがその生活も

長く続くことは無かった・・・・





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第11話 心境の変化

いよいよ抗がん剤治療が始まった。

私たち家族にとっては

抗がん剤治療と言っても

母がいつもしている点滴から

抗がん剤を投与していたので

実感は余り無かったが

母は少し不安もあったようだった。



治療が始まる前に先生から副作用の説明もあったが

初めの頃は、心配だった吐き気や脱毛など

顕著に現れないので少し安心だった。

母の体の調子も少しずつではあるが良くなってきて

私が付き添っていた時に母は病棟内を散歩したり

時にはシャンプーをしてもらったりしていた。


母の担当看護師さんは何人かいて

その中には男の人もいた。

ある日母がシャワーを浴びたいと言うので

看護師さんに頼んだら

その男の人がやってくれることになった。

正直私も母も男の人は嫌だった。

でも他の看護師さんはとても忙しそうで

頼める雰囲気じゃなかったので

仕方なく彼にお願いした。

母は明らかに嫌そうだったが、私も一緒にいるという条件で

仕方なしにシャワーを浴びることにした。

今考えると、母にはかわいそうなことをしたと思う・・・



そんなある日母は私に言った。

「この病棟には個室しかないの?」

「私も全部みたわけじゃないけど、大部屋もあるんじゃないかな?」

「ちょっと見に行ってみようか」

「どうしたの?急に・・・」

「お母さんの体の調子もここんとこいいし、大部屋にもし入れそうなら

そっちに移動しようかと思うの。

いつまでもあなた達に付き添ってもらう訳にはいかないでしょ?

Mも少しは家に帰れるだろうし・・」


「そんな心配しなくてもいいよ。」

「子供達だってずっとTくん(私の夫)の実家で見てもらっているんでしょ?

あちらだってお店があるんだから、余り頼ってばかりいるわけにはいかないでしょ?」


「大丈夫だって!」

「とにかく、移動できるかどうか聞いてみようよ。」

そう言って母は、看護師さんを呼んで

移動できるのか聞き始めた。


母が大部屋に移動して

付き添いをしないことになるのは

私たちの負担も軽くなることは事実だったが

正直不安だった。



一人になる時間が増えたら

また精神的に不安定になるのではないのか・・・?

一人にしておいて(もちろん毎日病院には誰かが来るようにはするが)

本当に大丈夫なのか・・・?


そんな私の不安を知ることもなく

母は大部屋へ行くことを本気で考えて

看護師さんと話を進めていた。


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