モンティ・パイソンのホーリー・グレイル シーン3
アーサー王:老婆よ!
デニス:男だ!
アーサー王:男か、すまぬ
向こうのあの城には、どのような騎士が住んでいるのだ?
デニス:おら37だ
アーサー王:...何?
デニス:おら37歳だで年寄りじゃねえ
アーサー王:では、ただ「男」ではいかんのか
デニス:ああ、「デニス」ちうだ
アーサー王:ほう、「デニス」と呼ばれているとは知らなんだ
デニス:ま、訊くのが面倒臭かったべや?
アーサー王:「老婆」と呼んだことは謝った
だが後ろから見るとだな...
デニス:何であんたから当り前みてえに、見下げられにゃなんねえんだ!
アーサー王:いや、我は王なるぞ
デニス:おぅ、王様だと? ああ上等だ
王様どうやって食ってんだよ?
労働者からの搾取だろが!
国内の経済的・社会的格差をなくさねえでいる、時代遅れの帝国主義者のお題目に頼ってんだべ
もし何か進歩がありゃあ...
女:デニス、この下にええ肥やしがあるだよ
おや、初めまして!
アーサー王:よろしく、ご婦人のかた
我はアーサーと申す、ブリトン人の王である
あれは誰の城かね?
女:誰の王様だって?
アーサー王:ブリトン人だ
女:ブリトン人て誰のことよ?
アーサー王:いや、我ら皆そうだ
我々は皆ブリトン人なのだ
然るに我はそなたの王である
女:王様がいるだとは知らなかったわ
自治共同体と思っとった
デニス:バカこくでねい
専制主義だべ、労働階級のなかで互選する独裁主義の...
女:ほらまた階級の話だよ
デニス:それっきゃないべ
もしただ民衆が聞いたら...
アーサー王:すまぬ、すまんが、善良なる民よ
我輩は急いでおる
あの城には誰が住んでいるのだ?
女:誰も住んどらんよ
アーサー王:ではそなたらの領主は?
女:領主はいねえわな
アーサー王:何?
デニス:言ったべ
無政府主義の労組共同体だ
幹部執行委員みてえなのを週替りで持回りするだよ
アーサー王:そうか
デニス:だがその執行委員が決裁したものはみんな、週おきの特別委員会で議決されにゃならねえ
アーサー王:なるほど
デニス:まるっきり内部の事務的なことなら過半数でいいがな
アーサー王:黙れ!
デニス:もっとでかい話は3分の2以上の賛成で...
アーサー王:黙れ!命令だ、黙りおろう!
女:命令だって、え?
自分を何様だと思ってるだよ? ねえ?
アーサー王:お前の王様だ
女:何よ、あんたに投票なんかしてねえべさ
アーサー王:王には投票など要らぬ
女:じゃ、どうやって王様になったのよ?
アーサー王:湖の女性が差し出した...
[天使のコーラス]
...純絹の華奢な衣にまとわれたその腕には、水底からすくい上げられた銘剣エクスカリバーが握られていた
我、アーサーこそがかのエクスカリバーを持つべきであるという、神の思し召しによる証しとして
[コーラスやむ]
故に我こそ王なのだ
デニス:あのな
池のなかに寝てる変な女が剣をくれたって、政府の機構には何の根拠にもならんべ
最高執行力は大衆からの委任によるもんで、そんなバカくせえ水の儀式なんぞで決まるもんかね
アーサー王:黙れ!
デニス:ま普通、最高執行力を持てるとは期待しねえよな
水のしたたるアバズレが剣を投げて寄越したってさ
アーサー王:黙れっ!
デニス:例えばさ、おらぁ皇帝様だ、ずぶ濡れのあまっ子が刀投げつけてきたもんで、なんて触れ回ったら、おら追放されるだよ!
アーサー王:黙れ、よいか? 黙るのだ!
デニス:あっ、こりゃ政府機構につきものの暴力だべ
アーサー王:黙れというに!
デニス:ほら! 見てくれ、政府機構につきものの暴力だぞ!
助けてくれ! 弾圧だ!
アーサー王:腐れどん百姓が!
デニス:うわ、なんちう言い草だべ
聞いたか? 聞いたか、え?
おらの言うとおりだべ
弾圧を見たべ?
見たよな?
デニス:男だ!
アーサー王:男か、すまぬ
向こうのあの城には、どのような騎士が住んでいるのだ?
デニス:おら37だ
アーサー王:...何?
デニス:おら37歳だで年寄りじゃねえ
アーサー王:では、ただ「男」ではいかんのか
デニス:ああ、「デニス」ちうだ
アーサー王:ほう、「デニス」と呼ばれているとは知らなんだ
デニス:ま、訊くのが面倒臭かったべや?
アーサー王:「老婆」と呼んだことは謝った
だが後ろから見るとだな...
デニス:何であんたから当り前みてえに、見下げられにゃなんねえんだ!
アーサー王:いや、我は王なるぞ
デニス:おぅ、王様だと? ああ上等だ
王様どうやって食ってんだよ?
労働者からの搾取だろが!
国内の経済的・社会的格差をなくさねえでいる、時代遅れの帝国主義者のお題目に頼ってんだべ
もし何か進歩がありゃあ...
女:デニス、この下にええ肥やしがあるだよ
おや、初めまして!
アーサー王:よろしく、ご婦人のかた
我はアーサーと申す、ブリトン人の王である
あれは誰の城かね?
女:誰の王様だって?
アーサー王:ブリトン人だ
女:ブリトン人て誰のことよ?
アーサー王:いや、我ら皆そうだ
我々は皆ブリトン人なのだ
然るに我はそなたの王である
女:王様がいるだとは知らなかったわ
自治共同体と思っとった
デニス:バカこくでねい
専制主義だべ、労働階級のなかで互選する独裁主義の...
女:ほらまた階級の話だよ
デニス:それっきゃないべ
もしただ民衆が聞いたら...
アーサー王:すまぬ、すまんが、善良なる民よ
我輩は急いでおる
あの城には誰が住んでいるのだ?
女:誰も住んどらんよ
アーサー王:ではそなたらの領主は?
女:領主はいねえわな
アーサー王:何?
デニス:言ったべ
無政府主義の労組共同体だ
幹部執行委員みてえなのを週替りで持回りするだよ
アーサー王:そうか
デニス:だがその執行委員が決裁したものはみんな、週おきの特別委員会で議決されにゃならねえ
アーサー王:なるほど
デニス:まるっきり内部の事務的なことなら過半数でいいがな
アーサー王:黙れ!
デニス:もっとでかい話は3分の2以上の賛成で...
アーサー王:黙れ!命令だ、黙りおろう!
女:命令だって、え?
自分を何様だと思ってるだよ? ねえ?
アーサー王:お前の王様だ
女:何よ、あんたに投票なんかしてねえべさ
アーサー王:王には投票など要らぬ
女:じゃ、どうやって王様になったのよ?
アーサー王:湖の女性が差し出した...
[天使のコーラス]
...純絹の華奢な衣にまとわれたその腕には、水底からすくい上げられた銘剣エクスカリバーが握られていた
我、アーサーこそがかのエクスカリバーを持つべきであるという、神の思し召しによる証しとして
[コーラスやむ]
故に我こそ王なのだ
デニス:あのな
池のなかに寝てる変な女が剣をくれたって、政府の機構には何の根拠にもならんべ
最高執行力は大衆からの委任によるもんで、そんなバカくせえ水の儀式なんぞで決まるもんかね
アーサー王:黙れ!
デニス:ま普通、最高執行力を持てるとは期待しねえよな
水のしたたるアバズレが剣を投げて寄越したってさ
アーサー王:黙れっ!
デニス:例えばさ、おらぁ皇帝様だ、ずぶ濡れのあまっ子が刀投げつけてきたもんで、なんて触れ回ったら、おら追放されるだよ!
アーサー王:黙れ、よいか? 黙るのだ!
デニス:あっ、こりゃ政府機構につきものの暴力だべ
アーサー王:黙れというに!
デニス:ほら! 見てくれ、政府機構につきものの暴力だぞ!
助けてくれ! 弾圧だ!
アーサー王:腐れどん百姓が!
デニス:うわ、なんちう言い草だべ
聞いたか? 聞いたか、え?
おらの言うとおりだべ
弾圧を見たべ?
見たよな?
モンティ・パイソンのホーリー・グレイル シーン2
(疫病の蔓延した村。荷車を引く男が、棒で鉦を叩いて呼ばわりながらやって来る)
荷車引き:死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
(死体を預かる)
...9ペンス
(代金を受取る)
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
客:1人頼むよ
荷車引き:9ペンス
死人:わしゃ死んどらん!
荷車引き:えっ?
客:なんでもないよ
はい9ペンス
死人:わしゃ死んどらん!
荷車引き:おい まだ死んどらんてよ
客:いや死んでる
死人:死んどらん!
荷車引き:死んでねえのか?
客:いやまもなくだよ
ひどく悪くてね
死人:よくなってきとるよ!
客:そんなことないって
じきに冷たくなってるさ
荷車引き:あー こんなんじゃ連れて行けねえな
法律違反になっちまう
死人:荷車にゃ乗りたかないよう!
客:そんなダダこねないでくれよ
荷車引き:連れてけねえ
死人:わしゃ元気じゃ!
客:なあ、頼むよ
荷車引き:ダメだ
客:そうだ、その辺ちょっと回って来てくれないか?
そんなに長くかからないから
荷車引き:いや、ロビンソンのとこへ行くんだ
今日9人も死んだとよ
客:じゃあ、次はいつ来る?
荷車引き:木曜だ
死人:散歩に行きたいのう
客:何をふざけたことを言ってるんだ、え?
なあ どうにかしてもらえないかね?
死人:わしゃ気分いい~
気分がいいぞ~
(荷車引き、鉦を叩く棒で死人の頭を殴りつける)
客:あー すまないね
荷車引き:いいってことよ
じゃまた木曜日に
客:ああ どうもね
(アーサー王と従者パッツィが、村を通り抜けて行く)
客:ありゃ誰だね?
荷車引き:さあね
王様だろ
客:どうして?
荷車引き:糞にまみれてねえ
荷車引き:死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
(死体を預かる)
...9ペンス
(代金を受取る)
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
[カン]
死体~ 引取り~
客:1人頼むよ
荷車引き:9ペンス
死人:わしゃ死んどらん!
荷車引き:えっ?
客:なんでもないよ
はい9ペンス
死人:わしゃ死んどらん!
荷車引き:おい まだ死んどらんてよ
客:いや死んでる
死人:死んどらん!
荷車引き:死んでねえのか?
客:いやまもなくだよ
ひどく悪くてね
死人:よくなってきとるよ!
客:そんなことないって
じきに冷たくなってるさ
荷車引き:あー こんなんじゃ連れて行けねえな
法律違反になっちまう
死人:荷車にゃ乗りたかないよう!
客:そんなダダこねないでくれよ
荷車引き:連れてけねえ
死人:わしゃ元気じゃ!
客:なあ、頼むよ
荷車引き:ダメだ
客:そうだ、その辺ちょっと回って来てくれないか?
そんなに長くかからないから
荷車引き:いや、ロビンソンのとこへ行くんだ
今日9人も死んだとよ
客:じゃあ、次はいつ来る?
荷車引き:木曜だ
死人:散歩に行きたいのう
客:何をふざけたことを言ってるんだ、え?
なあ どうにかしてもらえないかね?
死人:わしゃ気分いい~
気分がいいぞ~
(荷車引き、鉦を叩く棒で死人の頭を殴りつける)
客:あー すまないね
荷車引き:いいってことよ
じゃまた木曜日に
客:ああ どうもね
(アーサー王と従者パッツィが、村を通り抜けて行く)
客:ありゃ誰だね?
荷車引き:さあね
王様だろ
客:どうして?
荷車引き:糞にまみれてねえ
モンティ・パイソンのホーリー・グレイル シーン1
(一面の霧。馬に乗っているつもりのアーサー王と、馬のひづめの効果音を鳴らしながらついてくる従者。とある城へたどり着く)
アーサー王:あそこだ!
兵士1:止まれ! 誰だ?
アーサー王:我こそはアーサー、ウーサー・ペンドラゴンの子、キャメロット城から参った
ブリトン人の王にして、サクソン人を制圧し、イギリス全土を治める者だ!
兵士1:連れのほうは?
アーサー王:連れ?...我が頼れる家来パッツィだ
我らは国中を馬で駈けめぐり、キャメロットの宮廷にて我にくみする騎士を探している
お前のあるじたる領主と話をせねばならん
兵士1:何? 馬で駈けてきた?
アーサー王:そうだ!
兵士1:ココナッツじゃないか!
アーサー王:何だと?
兵士1:ココナッツの殻を半分に割って、叩いて音を出してるだけだろ!
アーサー王:それが何か?
我らはこの国が雪に覆われた冬のさなかから駆けめぐり、マーシア王国を抜け、また...
兵士1:そのココナッツはどこで手に入れた?
アーサー王:見つけたのだ
兵士1:見つけた? マーシアで?
ココナッツは熱帯植物だぞ!
アーサー王:何のことだ?
兵士1:ここは温帯だろうが
アーサー王:ツバメは太陽と共に南下し、イワツバメやチドリも冬には暖かい気候を求めるという
ココナッツとてこの国では珍しくもない
兵士1:ココナッツが勝手に旅をするとでも言い出すつもりか?
アーサー:いやいや 運ばれてきたかも知れんではないか
兵士1:何? ツバメがココナッツを運ぶってか?
アーサー王:殻ならつかめるだろう
兵士1:どこをつかんだかって話じゃない
単純に重さの比較の問題だ
5オンスしかない鳥が、1ポンドもあるココナッツを運べるわけがないだろ
アーサー王:いや、そんなことはどうでもよろしい
お前のあるじに、キャメロット城のアーサーが来ていると、伝えてきてくれ
兵士1:いいか
速度を保つために、ツバメは毎秒43回も羽ばたかなきゃならないんだ
アーサー王:頼むから!
兵士1:よく知ってるだろ?
アーサー王:関係ないから!
兵士2:アフリカツバメなら運べるかもね
兵士1:ああ、うん、アフリカツバメならそうかもな
だがヨーロッパツバメじゃダメだ そこが焦点なんだ
兵士2:あー そうだね
アーサー王:お前のあるじに、キャメロット城に来たくないか訊いてくれ!
兵士1:しかし言うまでもなく、アフリカツバメは旅をしない
兵士2:うんうん
兵士1:だからいずれにしろ、ココナッツは持って来られないんだ
兵士2:ちょい待ち
2羽のツバメが一緒に運んだら?
兵士1:いや、並ばないと持てないだろう
兵士2:簡単だよ! ツタの蔓を使えば!
兵士1:えっ、翼の下にくくりつけるとか?
兵士2:そうだよ!
アーサー王:あそこだ!
兵士1:止まれ! 誰だ?
アーサー王:我こそはアーサー、ウーサー・ペンドラゴンの子、キャメロット城から参った
ブリトン人の王にして、サクソン人を制圧し、イギリス全土を治める者だ!
兵士1:連れのほうは?
アーサー王:連れ?...我が頼れる家来パッツィだ
我らは国中を馬で駈けめぐり、キャメロットの宮廷にて我にくみする騎士を探している
お前のあるじたる領主と話をせねばならん
兵士1:何? 馬で駈けてきた?
アーサー王:そうだ!
兵士1:ココナッツじゃないか!
アーサー王:何だと?
兵士1:ココナッツの殻を半分に割って、叩いて音を出してるだけだろ!
アーサー王:それが何か?
我らはこの国が雪に覆われた冬のさなかから駆けめぐり、マーシア王国を抜け、また...
兵士1:そのココナッツはどこで手に入れた?
アーサー王:見つけたのだ
兵士1:見つけた? マーシアで?
ココナッツは熱帯植物だぞ!
アーサー王:何のことだ?
兵士1:ここは温帯だろうが
アーサー王:ツバメは太陽と共に南下し、イワツバメやチドリも冬には暖かい気候を求めるという
ココナッツとてこの国では珍しくもない
兵士1:ココナッツが勝手に旅をするとでも言い出すつもりか?
アーサー:いやいや 運ばれてきたかも知れんではないか
兵士1:何? ツバメがココナッツを運ぶってか?
アーサー王:殻ならつかめるだろう
兵士1:どこをつかんだかって話じゃない
単純に重さの比較の問題だ
5オンスしかない鳥が、1ポンドもあるココナッツを運べるわけがないだろ
アーサー王:いや、そんなことはどうでもよろしい
お前のあるじに、キャメロット城のアーサーが来ていると、伝えてきてくれ
兵士1:いいか
速度を保つために、ツバメは毎秒43回も羽ばたかなきゃならないんだ
アーサー王:頼むから!
兵士1:よく知ってるだろ?
アーサー王:関係ないから!
兵士2:アフリカツバメなら運べるかもね
兵士1:ああ、うん、アフリカツバメならそうかもな
だがヨーロッパツバメじゃダメだ そこが焦点なんだ
兵士2:あー そうだね
アーサー王:お前のあるじに、キャメロット城に来たくないか訊いてくれ!
兵士1:しかし言うまでもなく、アフリカツバメは旅をしない
兵士2:うんうん
兵士1:だからいずれにしろ、ココナッツは持って来られないんだ
兵士2:ちょい待ち
2羽のツバメが一緒に運んだら?
兵士1:いや、並ばないと持てないだろう
兵士2:簡単だよ! ツタの蔓を使えば!
兵士1:えっ、翼の下にくくりつけるとか?
兵士2:そうだよ!