2019年5月17日 土曜日 (福岡・海の中道 小雨のち曇り)
2019年5月18日 日曜日 (福岡・海の中道 曇り時々小雨)
去る5月のこと。
数年前から、なんとなく気になっていたCIRCLEという福岡県内の野外フェスに行った。
私を、このフェスに行くことを決断させたのは、そう、
KIYOSHI MAEKAWA!!
まさかのフェス初参戦のレジェンドである。
前日の天気予報では、ほぼ100%雨で、14時、15時頃に至っては豪雨とか言われてしまった。
なので・・
我が家持参。
屋久島の豪雪にも耐えた我が家はそらぁもう快適だった。
1日目
■ZAZEN BOYS
喫煙所で煙草を吸っていたら「”令和”初のZAZENが見れるぜ」って語り合う若者達がいて、
これからみるライヴを、自ら高めている感じが、なんだか微笑ましかった。
ZAZEN BOYSはかっこよかった。
「まつりスタジオからやってきましたZAZEN BOYS」という第一声から既にグルーヴィンだった。
これは、日本が誇るバンドだなぁって思った。
■ハナレグミ
野外で響く、「接吻」のカヴァーが良かった。
なんだか優しい気持ちになった。
写真:なんかよく見えない佐世保バーガー。
■前川清
清を見るために、開始20分くらい前に、スタンディングエリアに向かった。
最前列から3番目あたりを陣取ることに成功。
CIRCLE出演バンドから、この日のためだけに集められたバンドのリハが始まる。
ものすごいドラムの圧力にビクッとした。
この音圧で名曲の数々を聴けるのか!?期待が渦巻く。
清登場とともに、オープニングナンバーは「長崎は今日も雨だった」
オープニングからもはや絶頂だった。
出てきた清と完全に目があった!!
会場の誰よりも先に、俺と清の目があった!!
そんで、手を振ってくれた!!
だから私は元気いっぱいに手を振り返した!!
たて続けに、じめっとした歌謡ブルースを歌い放つ清。
最高。
こんな曲を、暗くて、女々しい歌謡ブルースをこそフェスで聞いてみたかった。
1番の後の間奏と、曲終わりで必ず深々とお辞儀をする清。
私は咄嗟に、お辞儀をし返していた。
その見事なお辞儀に、私なんぞが頭を上げておくわけにはいかなかった。
絶好調なMCは、口を開けば会場中が大爆笑だった。
饒舌すぎて、金○玉発言まで飛び出した。
MCによると、糸井重里に勧められCIRCLEへの出演を決めたとのことで、
この日のセットリストも、糸井重里が考案したとのこと。
私はあまり、糸井重里は好きではないが、素晴らしい構成のセットリストだった。
嫉妬しちゃうくらい、素晴らしい構成だった。
ハードなバンド音の中、KIYOSHI MAEKAWAはいつもと変わらず、マイクから口を離して歌っていた。
明らかに声が音に埋もれていたが、誠実に歌を歌うKIYOSHI MAEKAWAに私は大満足であった。
「ちょっと米軍相手に歌っていた頃に戻って・・」
そう呟いて始まったのは・・
ブルースウェードシューズ!!
会場がドッと湧いた!
かっこいい!!
それはまるで、ジョン・レノンのスウィート・トロント。
1969年当時でも衰退していたロックンロールを、
2019年の今、高らかに鳴るブルースウェード・シューズたるや、私の眼に映る光景は一体西暦何年の出来事なのか、
もうわけわかんないけど、めちゃくちゃカッコよかった。
「俺に興味ないだろ?じめじめしたブルース退屈だっただろ?
ほれ、ロックだ、洋楽だ!拾え!拾って、あさって、卑しく口に頬張ってみろ!」
清はそんな卑屈じゃないけど、だけど、清は完全に牙を剥いていた。
写真:それでは聴いてください。
前川清とマザー・ファッザーズで、名曲 「清は牙を剥いていた」
写真:ニトリで買ったお値段以上のやつ。
続く、アンチェイン・マイ・ハート!!
あぁぁあぁぁ・・あぁぁぁああ・・・
カッコよすぎる。
「アァーーーーオ!!」
興奮しすぎた私の口から信じられない雄叫びがあがった。
写真:なんか知らんけど漂流してるみたいな感じのやつ。
東京砂漠の後半のサビで、バンドと清の歌が「ジャッ」と合うブレイク部分がカッコ良すぎた。
あな(ジャッ!)がいれば ああ あな(ジャッ!)がいれば
陽はまっ(ジャッ!)昇る この(ジャッ!)京砂漠
あな(ジャッ!!)がいれば ああ あな(ジャッ!!)がいれば
陽はまっ(ジャッ!!)昇る この(ジャッ!!)京砂漠
耐えに耐えた。叫びたい気持ちをこらえ、耐えに耐えた。
最後の「ジャッ!!京砂漠」の後、私は、天に向かって不細工な雄叫びをあげた。
それはまるで、ジャニス・ジョップリンのball and chain。
スウィート・トロントだったり、ball and chainだったり、なんにせよ、伝説だった。
清は歌い、手を振り、頭を下げ、スマホを向ける若者にピースサインを送り、
前川清にとって完全なアウェイにて、彼は完全なるエンターテイメントを実行した。
歌手の本質を、所詮芸人であるという事実を、完璧に遂行した清は最高にカッコよかった。
私たち若輩者の眼前に現れ、歌ってくれてありがとう。本当にありがとう。
■toe
CIRCLEの予習をしている時に初めて存在を知り、いいなぁって思った。
気づけば今回の出演者の中で、一番見たいかも、って思うくらいになっていた。
しかし。
清に酔わされた私は、呆然とし、生ビールを買って原っぱとかベンチに腰掛けていた。
toeが悪いんじゃなくて、清が凄すぎたから。
音楽の本質みたいなものを見せつけられて、もう、とりあえず落ち着きたかった。
だから今回はtoeは見ず、裟恥と清の思い出を語り合った。
■ego wrppin
今回初めて見たエゴラッピン。
NHKのドレミのテレビに出ていたパーカッションの人がドラムだった。
いろんなタイプのいいドラマーを見ることができたのもこのフェスのいいところだった。
そうして、大満足の1日目は終わったのだった。
2日目
帰って、寝て、起きて、シャワー浴びて、また音楽を聴きに行く。
なるほど。フェスっていいね。こういうことか。
2日続けてフェスに行ったことがなかった私は初めてフェスの醍醐味を知った。
■never young beach
最近よく聞く名前のバンド。
ボーカルの彼がすごく楽しそうで、そこが良かった。
■清水ミチコ
フェスのメインステージで、清水ミチコって。
攻めすぎだろ。サークル。
清水ミチコも、かなり最前列近くで見た。
一人で来ている男性ファンも何人かいて、きっと、辛い時とか、凹んでいるときに、
ふとつけたTVに出ていた清水ミチコを見て笑ったりして、
それ以来、清水ミチコに救われて、仕事は忙しいけど、できる限りみっちゃんのライヴは地方にも見に行ってます。
みたいな、いい話があるんだろうなとか、勝手に想像した。
「今日は、たくさん本物のお寿司が出てくるけど、この時間はカニかまなんで。カニかまとして楽しんでください」
って言ってた。
「何言ってるか聞き取りづらい人が歌うアナと雪の女王」の
天龍源一郎が歌うアナ雪はヤバかった。笑いすぎた。
て言うか、音楽としてカッコよかった。
ウケてるかどうか不安な時に、すかさず「どう?」って聞く様がなんだか可愛らしかった。
前日の清ほどではないが、清水ミチコもマイクから口を遠ざけて声を出していた。
そうだよ、音は空気に触れてなんぼなんだ。
ミラクルは、マイクと口の間の、そこで起きているんだって思った。
写真:ミラクルが起こる場所。
ショウの最後は、「○○風作曲法」という、
例えばミスチルが作りそうなメロディや歌詞を架空の歌に乗せて歌うという、
TVで清水ミチコを見る程度の私には馴染みのない、かつ完成度が微妙な(笑)ネタをやりきって、
満足げに勝手に帰っていった。
面白くて、勝手で最高に楽しい時間だった。
写真:持参した令和饅頭。
■大貫妙子
大貫妙子さんについて、私は何も知らなかった。
開演直前に、ドラムが沼澤尚であることを知った。
スタンディングエリアの後方から見た。
初めて聴く沼澤尚のドラムは、素晴らしかった。
明らかにうまかった(笑)
果たして、本人はこんなにいい音が出ていることを知っているのだろうか。
羨ましいくらいの、よかドラムスだった。
■高橋ユキヒロ
この二日間を通して初めて、レジャーシートエリアにシートを敷いて座って見た。
持参したカニかまを食べながら見た。
だって、カニかまっておいしいじゃない。
■細野晴臣
細野晴臣は最近なんとなく好きだった。
だから、前の方で観た。
シンプルな照明の中、淡々と繰り広げられるオールドなロックンロール。
暗闇の中、ボワっと明るいステージに集まる群衆。
みんなで秘密の集会をしているような、
この船で唯一のバンドにみんなが集まってきて歌ってるような、
なんかいい感じの雰囲気だった。
歌の盛り上がりとなんの関係もなく、どっかで連発される打ち上げ花火も、
細野晴臣っぽいゆるさでなんかよかった。
2日間のフェスの大トリという気負いの全く無い、自然体なロックンロール。
小気味の良い素晴らしいエンディングだった。
そんな感じで、来年も行きたいと思える素晴らしい2日間だった。
答え合わせ!!のコーナー。
「なんだ〜そこかぁ〜。
・・ていうか無断転用だよね?僕知らないよ、そこらへんの権利関係とか」
みんなは見つけられたかなぁ〜??