四国へ 最終回 高級を味わう | 964 makes me happy

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試験運転中

 四国旅行三か所目のお宿は鳴門市の北にあります。
 とうとう四国の東の端っこまでやって来たのです。
 が、その前にお昼ごはんです。
 私は鳴門市街のチェーン店に入ることを提案したのですが、ナビを過信している旦那は「ホテルに着くまでの間に、必ず食べ物屋がある」と言って聞き入れず、ナビの言うがままに車を進めるので、車は市街を通らずバイパス道路を通り、目的地近くまで来てしまいました。
 しかも、宿泊予定のホテルは開業してからまだ時間が経っていないらしく、ナビのデータに反映されていません。
 喧嘩というほどでもないのですが、車内で一悶着です。(笑)
 これも我々にとっては必要なコミュニケーションですから。
 でも、傍目にはただの喧嘩にしか見えないでしょうな…。
 
 「ああ、あそこの店に入ろう!」
 そう旦那が指差したのは、ある喫茶店でした。
 「『軽食』って書いてあるから、サンドイッチくらいあるだろう」と店に入ると、そこは昭和時代から時が止まったままの空間が広がっていました。
 店の人もとても愛想がいいとは言えません。
 立地から考えるに、車で来た観光客相手のお店だと思われるのですが…。
 旦那はカレー、私はナポリタンを注文したのですが、メニューもまた昭和時代のままでした。
 
 会計の際、店の人にホテルの場所を聞いて再出発です。
 まさに「高・近・短」の旅を象徴するかのようなホテルは、丘の上の広大な敷地の中にありました。
 
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 鳴門の自然に溶け込むよう、建物は皆、低層造りに設計されています。
 それぞれの部屋は二棟続きの建物になるのですが、宿泊者のプライベートはほぼ守られます。
 完全に「大人の為の」ホテルです。
 
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 チェックインの時間よりもかなり早く到着したのですが、このクラスのホテルになると、絶対に嫌な顔はしません。
 仮に部屋が準備できてなかったとしても、それなりのフォローはしてくれます。
 ま、それだけの代金を払いますからね。
 
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 部屋からは鳴門の海と淡路島が望めます。
 このホテルの経営者は「ボンカレー」のあの会社でした。
 なので、部屋の冷蔵庫に入っている飲み物は、皆、自社製品です。
 創業者が鳴門の出身なのだそうです。
 つまり、「故郷に錦」を飾った、ということでしょう。
 ホテルの界隈には、関連の施設がいくつもありました。
 美術館はかなりの人気らしく、駐車場待ちの車が行列を成していました。
 鳴門における経済効果は如何ほどでしょうか?
 地元に還元する企業の鏡ですね。
 
 さて、食事は箱根から移築したという古民家で頂くことになっていたのですが、その食事処まではなんと「リムジン」で送迎してくれました。
 私、生まれて初めて「リムジン」に乗りました。
 ただ「長いだけの車」とばかり思っていたのですが、長い車でした。(笑)
 
 おそらく京阪神からのアッパークラスをターゲットに作られたホテルなのでしょう。
 料理は上方風の非常に上品な内容でした。
 食材はとことん、徳島産もしくは国産にこだわっているのが良く分かりました。
 私は吉野川で採れたという「蜆のお澄まし」がビンゴでした。
 「うん、ここは高級だ。本当に高級だ。でも、遠い」と、旦那も非常に気に入った様子。
 確かにお高いお宿でしたが、その値段に十分、見合うだけのサービスを提供してくれました。
 
 一夜あけて、旅も四日目。
 もっとゆっくりしたかったのですが、この日は愛媛・八幡浜~別府のフェリーに乗らねばなりません。
 渋滞に巻き込まれることも予想されます。
 余韻に浸る間もなく、早々にチェックアウトをし、ひたすら車は西へ西へと四国を一気に横断です。
 
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 途中、自然渋滞に捕まったりもしましたが、まるで計ったかのように乗船時間に丁度いい時間に到着することができました。
 始まったばかりだと思っていた四国旅行も終わりです。
 これから約3時間の乗船時間を経て、最後の宿泊地・別府の温泉宿に向かいます。
 そして今回の旅行記もこれで終了です。
 毎度の如く、ハプニングにも見舞われながらも充実した時間を過ごすことができました。
 
 いや~、旅はいいですね~。
 「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる 」ではあの世に逝ってしまうのですが、旅に駆り出される先人の心がよぉ~く分かります。
 そして、日本はいい国であることを再認識できた旅でもありました。