新潟・佐渡旅行記 その四 | 964 makes me happy

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試験運転中

 【YK35】
 「小さな漁村」。
 そんな形容詞が似合うのが赤泊地区。
 のどかな日本の風景だ。
 ここに「北雪酒造」がある。
 そして目の前には穏やかな日本海が望める。
 
 我々のリクエストを受けて、運転手さんが蔵元に事前に連絡を入れてくれた気がする。
 そのおかげで簡単な見学ができた。
 蔵の奥には超音波によってお酒を熟成させる部屋があった。
 会社の人の説明によると、「その昔、船に揺られた酒は旨い」という言い伝えから、超音波でお酒を熟成させることを思いついたという。
 北前船の寄港地ならではの発想である。
 また、ハリウッド俳優が経営するレストランに卸しているお酒、海洋深層水で醸造しているお酒なども造っているらしく、一通り試飲させてもらった。
 
 この「北雪」の為にはるばる九州から足を伸ばしてきたのである。
 一通りのお酒をすべてお買い上げだ。
 そして宅配便で送ってもらうことにした。
 しかし、「YK35」と銘打たれた一升瓶だけはお持ち帰り。
 今夜、ホテルでその味を堪能しようということになったのだ。
 
 会計の際、エントランスに所狭しと展示されているビンテージもののカメラが目に入った。
 「これは凄いですね~」というと、「オーナーさんの趣味」なんだという。
 日本酒ではなく、このビンテージのカメラを目当てに訪れる人もいるそうだ。
 我々の他にもう一人、中年男性のお客がいたが、その人もこのコレクションが目的で訪れた人のようだった。
 
 さて、その「YK35」。
 その日の夜の食事の際に飲んだ。
 当然、二人で一升瓶を空けてしまった。
 翌朝は気持ちよく目覚めることができたのは言うまでもない。
 
 北雪酒造のHPhttp://sake-hokusetsu.com/
 
 佐渡における蔵元巡りはこれで終了である。
 他にもいくつかの蔵元があったのだが、私の目的はこれだけではなかったので…。
 今思えば、もっと欲張っていろんな蔵元を巡ればよかったと思う。
 
 
 【角栄道路】
 佐渡は田中角栄の選挙区の一つだったのか、「角栄道路」と呼ばれる国道があるそうだ。
 運転手さん曰く、「昔に造られた道路なので、今では狭く感じますが、これでもできた当時は島民あげて喜んだんですよ」と記念碑まで案内してくれた。
 
 政治家・田中角栄。
 良くも悪くも大政治家として日本の政治史に名前を残す人物であることは間違いない。
 そしてその地盤は娘に引き継がれている。
 父娘かもしれないが、全くの別人格である。
 ただ、いくら田中角栄が大政治家であっても、娘がそうとは限らない。
 しかし、その娘も選挙で毎回、圧勝している。
 規格の古さを感じる道路ではあるけれど、この道路を作ることで動いたお金や人出を考えると、「田中王国」がゆるがないのは当然だ、と思った。
 
 これも古き良き時代の遺産なのだろうか。
 
 【尖閣湾】
 「尖閣湾に行ってみますか?」
 運転手さんの提案で、「尖閣湾」に行くことになった。
 「え、『尖閣』っていったら、沖縄の離島じゃあ…」
 当時はまだ「棚上げ状態」だった尖閣諸島が懐かしい。
 
 尖閣湾は佐渡の西側に位置する。
 佐渡の中では一二を争う風光明媚なところだ。
 遊覧船もあるとのことだったが、船酔いするのでそれはお断り。
 小さな水族館と、ドラマ「君の名は」の撮影が行われた時のパネルが展示してあった。
 旦那はここでサザエの壺焼きを食べた。
 「オレはサザエには目が無くてね」
 この時初めて、旦那の好物の一つがサザエだと知った。