ケビン・フォン・エリックを演じたザック・エフロンがジョン・シーナと共演のコメディ映画 | プロレスライター新井宏の「映画とプロレスPARTⅡ」

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「呪われた一族」と言われたフリッツ・フォン・エリックのファミリーを描いた『アイアンクロー』(23年)でケビン・フォン・エリックを演じ高い評価を得たザック・エフロンが、コメディ映画『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』(24年)(原題『Ricky Stanicky』)でジョン・シーナと共演している。

『アイアンクロー』ではシリアスで抑えた演技と劇的な肉体改造でエリック一家の悲哀を表現したザック・エフロンだが、今回は一転してコメディへの登板だ。『ベイウォッチ』(17年)で“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンと共演し、『ハイスクール・ミュージカル』(06年)や『セブンティーン・アゲイン』(09年)で人気となったザック・エフロンにはある意味原点回帰のような作品となるのだろう。 

シーナもアクションだけではなくTVドラマ『ピースメイカー』(22年)でMTVムービー・アワードにてコメディ演技賞を受賞するなど、コメディでの実績も残している。

また、『グリーンブック』(18年)でアカデミー監督賞&脚本賞受賞のピーター・ファレリーには『ジム・キャリーはMr.ダマー』(94年)『メリーに首ったけ』(98年)に代表されるように、こちらもコメディへの回帰になっているのだ。

 そんな3人が結束した『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』で、シーナはタイトルロールのリッキー・スタニッキーを演じている。とはいえ、リッキー・スタニッキーとはでっち上げられた架空の人物だ。

ザック・エフロンを中心とする幼なじみ3人組が事件を引き起こすが、彼らは罪を逃れるためリッキー・スタニッキーという実在しない人物を思いつき、罪を擦り付けようとする。あれから20年が経っても大人になりきれない彼らに大ピンチが訪れる。「リッキー・スタニッキーに会わせろ」と要求され、家族崩壊の危機に。そこで彼らは売れない俳優にリッキー・スタニッキーを演じさせることにする。その売れない俳優を演じさせられるのが、シーナなのだ。しかもシーナ演じる俳優が暴走、彼らのコントロールが効かなくなっていく、という物語だ。

 ウソを演じるシーナの演技に加え、カルチャークラブのボーイ・ジョージをはじめとするコスプレも見どころのひとつ。また、『マッドマックス』 公開を控えるネイサン・ジョーンズもこの作品に出演している。

 『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』は、Amazonプライムビデオで配信されている。