有楽町スバル座 | やまちゃんの映画館ブログ

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ごく普通のサラリーマンが、全国にある単館映画館のご紹介をするブログです。是非ご覧ください。

先月東京有楽町の老舗映画館『有楽町スバル座』が閉館致しました。

この映画館は、子供の頃からよく訪れた想い出満載の映画館。

なので、最終日の10月20日朝から行ってきました。

 

 

以前このブログでも書きましたが、『有楽町スバル座』の開業は1946年12月31日。

和製英語のロードショウ発祥の劇場と紹介されております。

今でこそ当たり前の「指定席の前売り」制度をいち早く取り入れたのもこの映画館だったようです。

 

 

 

当時は『丸の内スバル座』の名称で営業しておりましたが、1953年に火災によって焼失。

その後今の「有楽町ビルヂング」に1966年4月に建物完成時から『有楽町スバル座』の名称に変更し先月まで53年間営業しておりました。

 

 

閉館の15日前からは、メモリアル上映49作品のプログラム。5日の「イージーライダー」スバル座のスクリーンで観たかったなぁ。

監督別に分けてみると最も多かったのはチャップリンで4作品、次いで黒澤映画も3作品がラインナップされております。

 

 

2F売店でチケットを購入。メモリアル上映作品料金はすべて自由席の1,000円。

スバル座ファンへの謝恩価格でしょうか。最後までありがたいですね。

この日は9時14分に到着して午前午後の2作品ともチケットを購入しました。

 

 

チケットカウンターから階段を昇ると入口。何度となく訪れたこのロビーも今日が見納めとなると感慨深いものがあります。

 

今回の閉館理由について、運営するスバル興業は「今後の映画興行事業の展望や施設の老朽化等を総合的に判断し、閉館を決定いたしました」と書かれておりました。

施設の老朽化は仕方ないにせよ、事業展望については残念な結果です。

 

 

この日は受付で「スバル座の輝き」と書かれたファイルとポストカードを頂きました。

ファイルの真ん中60の数字は、『丸の内スバル座』で7年、『有楽町スバル座』で53年の年数足したもの。良い記念になります。

 

 

売店でミネラルウォーター(100円)を購入。この売店、販売価格安くて助かります。

ミネラルウォーターにも「スバル座の輝き」のオリジナルデザインが施されていました。

 

 

座席数は272席の1スクリーン。最後なので、座席表を撮影。

 

 

最後の上映時間表。

最終日午前の上映作品は、安藤桃子監督の「0.5mm」主演を妹の安藤サクラさん、プロデューサーを父親の奥田瑛二さんとファミリーの総力を結集した3時間を超える大作です。

そういえば、この作品を初めて見たのもこの劇場で、安藤サクラさんの演技に惚れこみました。

 

上映後にそれぞれの監督の舞台挨拶があること、知らなかったので超ラッキー。

 

 

館内への入場は整理番号順にアナウンスされて入場。

朝の9時半ですが、多数のお客さんが劇場との別れを惜しむようにスマホで館内を撮影しておりました。

学校のチャイム音で上映が開始されます。

 

 

上映の最後にはどこからか観客の拍手、そして次第に大きな拍手へと変わりました。

 

上映後は、最後の舞台あいさつに訪れた3人が作品エピソードをお話頂いたり、質問コーナーを設けたりとファンには至福の時間だったと思います。

安藤サクラさんのこの日の服は、「0.5mm」で着ていた赤い衣装を意識してとのことでした。

 

 

最終上映は大林宜彦監督の「花筐」(はながたみ)。午後は14時半上映開始です。

最後の上映作品が「花筐」になった理由は、『有楽町スバル座』が近年大林作品のチェーンマスター館(上映劇場のメイン館)だったことが理由のようです。

チケットは午前中に完売、満席となりました。

 

 

上映後は、大林宜彦監督と根岸吉太郎監督を交えたトークショー。このお二人36年前それぞれ監督された、「時をかける少女」と「探偵物語」が同時上映だったことのご縁もあるそうです。

大林監督は車椅子で登壇されてましたが、お元気そうでなによりです。最高齢映画監督マノエル・デ・オリベイラ(106歳)を抜くとおっしゃられてました。

 

その後サプライズで出演者の常盤貴子さん達も加わって大いに盛り上がっておりました。

最後は『有楽町スバル座』のスタッフの皆さんに花束を出演者監督から贈呈されたのが良かったですね。

支配人さんは表舞台に出ることを好まないようで、ご挨拶はありませんでした。

 

 

予定を大幅に超えたトークショーに帰る頃にはすっかり暗くなっておりましたが来られたお客さんは忘れられない上映になったと思います。

長い間ありがとうございました。

 

【有楽町 スバル座】

訪問日時:2019年10月20日9:30、14:30

鑑賞映画:「0.5ミリ」、「花筐」


住所:東京都千代田区有楽町1-10-1
HP:http://subaru-kougyou.jp/movies/index.html
オープン: 1946年12月31日

料金:一般1,800円(各種割引有)

スクリーン:1

上映形態:ロードショー 

音響:DSR

スクリーンサイズ:スタンダード:縦3.1m×横4.0m シネマスコープ:縦3.1m×横7.0m

座席数:272席