昔、大田区蒲田勤務だった山田です。
9月5日に大田区の老舗映画館『テアトル蒲田』が閉館になると聞きつけ急遽行ってみました。
大田区蒲田は、映画「蒲田行進曲」でも有名な「松竹蒲田撮影所」があった街。
撮影所は戦前の1936年に「松竹大船撮影所」移転し閉鎖され、現在は「ニッセイアロマスクエア」という大型の商業施設ビルが建っております。
京急蒲田駅近くには、今は映画館はありませんが「キネマ通り商店街」というローカルな商店街もあって、地域の人は「蒲田は映画の街」という意識が今も強いのではないでしょうか。
そんな映画の街、最後の映画館がなくなってしまいます。
『テアトル蒲田』はJR蒲田駅西口から徒歩5分。「サンライズ 蒲田」というアーケード商店街の中にあります。
Wikipediaによると創業は1950年7月14日。蒲田西口商店街繁栄の策として商店街150軒が出資した蒲田西口連合映画KKの直営でテアトル蒲田が開館と紹介されておりました。
現在の建物での営業は1964年7月からで当時の映画館名は「テアトル東映」当時の名前が示す通り、上映作品は東映作品がメイン。
名称にテアトルとついておりますが、運営は「東京蒲田文化会館」が行っており、テアトル系映画館とは関係がありません。
隣接する映画館は『蒲田宝塚』は1週間前の8月29日に閉館となりました。こちらは東宝系映画がメインの封切り上映館でした。
最終作品は「ポケモン ミュウツーの逆襲」
『テアトル蒲田』に向かったのはは映画館が閉館される前日の9月4日。
通常閉館する映画館は、最後に特集を組むことが多いのですが最後まで一般上映作品での閉館です。
閉館の理由については一切触れられておりませんでしたが、お客さまの減少が理由かと思われます。
最終上映作品は「アルキメデスの大戦」
チケットカウンターは、上下にカラーのモザイクタイルであしらわれた円形の窓口。昭和の雰囲気が漂います。
都内にある映画館は、大抵一度は訪れているのですが、この映画館に来るのは今回が初めてです。
スタッフさんは3名いらっしゃり、館内撮影の許可を頂きました。
受付のショーケースには何もはいってなく、「パンフレットは売り切れとなりました」の文字。ちょっと寂しいですね。
ロビーも現在上映中の作品ポスターと自動販売機以外は何もありません。
それからこの映画館、最近ではほとんど見かけなくなった2階席があるのですが
残念ながら入ることはできませんでした。近年は使われていなかったようです。
面白いなぁと思ったのが、場内入場の扉で、小さな小窓がついております。
こんな感じで館内の状況が分かります。映画館スタッフが状況を確認する為の小窓なのでしょうか。
座席数は304席とかなり広いシアターです。
正面スクリーン横には「家具のデパート 亀屋百貨店」と広告入りの暗幕。昔の映画館を思い出します。
2階席がある映画館は天井も高く開放感がありますね。
シートもまだまだきれいな座席で、築55年とは感じられず、閉館するのが惜しく思います。
閉館前の為予告編なし、ブザー音での本編上映。閉館前日のお客さま数は5名でした。
常設の映画上映は難しくとも、建物に問題なければ活用の用途はまだあるように感じるのですが...。
この映画館の今後の活用用途についても全く書かれておりません。
サンライズ蒲田という立派な商店街の中の娯楽施設が、フェードアウトして消えていく。そんな寂しさを感じる閉館でした。
【テアトル蒲田】
訪問日時:2019年9月4日10時30分
鑑賞映画:「アルキメデスの大戦」
住所:東京都大田区西蒲田7-61-1
オープン:1950年7月14日 閉館:2019年9月5日
基本料金:1,800円
スクリーン:2
上映形態:ロードショー
音響:DOLBY DIGITAL
スクリーンサイズ:不明
座席数:テアトル蒲田 304席 蒲田宝塚 339席