関西映画館めぐり2件目に向かったのは、関西を代表する名画座『パルシネマしんこうえん』
この劇場は、兵庫県神戸市の地下鉄「湊川公園駅」、神戸電鉄「湊川駅」からは徒歩1~2分
神戸高速鉄道「新開地駅」からは、「新開地商店街」を歩いて5分。
この「新開地商店街」は100年以上の歴史を誇る商店街。
飲食店の他、昭和の文化が漂うお店も、映画の後には是非立ち寄りたい商店街ですね。
『パルシネマしんこうえん』は湊川公園半地下のミナエン商店街入口にある映画館。
この半地下の入口は、昨年2月に閉館した銀座『シネパトス』の入口を思い出します。
こちらの商店街も風情あふれる商店街のようです。
私は「しんこうえん」というのは、神戸にある地名かと思ってました。
が、この劇場の前身が『公園劇場』という名前で、その後公園改修の為一時休館となり、1971年1月に『新公園劇場』の名前で再オープン。その後現劇場名に改定して現在に至ります。
入口脇の券売機で、大人1200円を買って場内へ。
この日の上映作品は「永遠の0」と「ウッジョブ!神去なあなあ日常」の2本立て。
今回は、13:30の「ウッジョブ!・・・」の鑑賞です。
次回開場まで10分程あるので、ロビーで待つことに。
劇場ロビーは、受付から階段で地下へと降りて行きます。
ロビーの棚には、上映作品の記事の他、これから上映作品のチラシ、瓦版、アンケートなどが陳列しております。
この瓦版は、「パルしんKAWARA版」という新聞で手書きの単色刷り。味があります。
瓦版には、次回作の他、お客様の声も掲載しており、現社長が書かれているようです。
今回が346号ということは、毎月発行していると既に29年近く続いていることに。
でもこの瓦版は、新年号までと書かれてました。何とか継続できないでしょうか!
その中で、気になったのが「女性の皆様には白カバーのない席をお勧めします」
これは、どういうことでしょう?
座席を見ると確かに赤いシートとカバーのついた白いシートが。
この色分けの意味分かりますか?
答えは、空調の流れ。
「女性は寒さに弱い人が多い」という配慮から、このような座席の分け方をされてます。
ちなみに家族や、カップルで訪れた時には、どちらの席で鑑賞してもOKです。
この日は、平日の日中にも関わらず多数のお客さん。
もう一つ珍しいなぁと思ったのは、休憩時間中にもスクリーンにお知らせが流れ続けていること。
“座席の色分けの説明”や、“映写室の見学案内”という嬉しい案内もありました。
スタッフの方にお願いして、後ほど見させて頂くことに
休憩中のロビーでは、映画の感想など何人ものお客さんへお声かけをされている方が。
のち程お話しして分かるのですが、この方こそ『パルシネマしんこうえん』の小山社長。
とてもお客様を大切にされております。
社長自らがお客さんに声をかけていた劇場、私は他に知りません。
映画上映直前には、小山社長が自らが全員に配布されるポケットサイズの上映スケジュールを手に、次回上映作品のPRポイントを熱くPRされておりました。
この上映スケジュールには、社長の似顔絵が沢山でております。
映画鑑賞後に、見させて頂いた映写室。
こちらはデジタル映写機ですが、もう一台35mmフィルム映写機もまだ健在です。
映写室を見させて頂いた後に、ロビーに小山社長がいらっしゃっいました。
小山社長から「ウッド・ジョブ良かったでしょ!」と声をかけて頂きました。
「この作品、内容はすごく良いけど、興行収入はあまり良くなかった。ウッド・ジョブなんて分かりづらいタイトルつけるからいけないんだよね!」と気さくにお話し頂きました。
お話を伺うと、小山社長はこの劇場を任されて3代目。
上映作品は、小山社長自らが実際に鑑賞して良かった作品のみを上映しているとのことです。
劇場入口には、「日本の名画座ベスト3 プログラムは世界 No.1」のパネルがありました。
“プログラムは世界No1”に偽りなし!
今月号の「パルしんKAWARA版」には、小山社長は今年古稀を迎え、来年には現支配人のご長男が劇場の運営を行うと書かれておりました。
小山社長のDNAが引き継がれ、いつまでもお客様目線の劇場であることを期待します。
【パルシネマしんこうえん】
鑑賞日時:2014年8月6日13:30
鑑賞映画:「ウッジョブ!神去なあなあ日常」
住所:兵庫県神戸市兵庫区新開地1-4-3
HP:http://www.sam.hi-ho.ne.jp/dragonfly/index.html
料金:1,200円(各種割引あり)
スクリーン:1
上映形態:名画座
音響:SRD
スクリーンサイズ:不明
座席数:135席
おすすめ度:☆☆☆☆☆