スノーホワイト 氷の王国 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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看板には偽りあり(笑)。凍った世界を救う、真実の愛とは。


2016年5月27日公開
監督:セドリック・ニコラス=トロイヤン
出演:クリス・ヘムズワース
シャーリーズ・セロン
エミリー・ブラント
ジャシカ・チャスティン 他


【賛否両論チェック】
賛:最愛の人に裏切られ、愛を封印した氷の女王と、彼女に引き裂かれた主人公とその恋人。彼らの対比を軸に、閉ざされた心や世界を愛が救っていく様に、純粋に感動出来る。壮大なスケールで描かれるアクションも魅力的。
否:スノーホワイトは出てこない(笑)。ストーリーにツッコミどころも多く、ややグロいシーンや、小さい子が怖がりそうなシーンも、結構ある。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・メッチャあり
怖シーン・・・ラヴェンナのシーンは結構怖いかも



 実写映画化で、全く新しい“白雪姫”像を描いた「スノーホワイト」。その続編というか、スピンオフです。主演はクリス・ヘムズワース。


 前作で、邪悪な女王・ラヴェンナ(シャーリーズ・セロン)を倒したスノーホワイト。その物語から少し時代を遡った辺りから、本作は始まります。ラヴェンナは時の王に上手く取り入って王妃となると、その王を毒殺し、自らが女王として君臨するようになり、その勢力を日に日に拡大させていました。そんな彼女には、フレイヤ(エミリー・ブラント)という妹がいましたが、そのフレイヤは側近の1人と恋に落ち、子供を授かります。その後のある夜、フレイヤは彼から
「大事な話がある。」
と、城の中庭へと呼び出されます。てっきり城を出て3人で暮らそうという提案をされるものだと思っていたフレイヤは、喜んで出かけますが、一向に恋人は来ず、その隙に部屋にいた赤ん坊は、狂ってしまった彼によって焼き殺されてしまうのでした。戻ってきてそれを知ったフレイヤは絶叫、彼女の持つ氷の力がとっさに出てしまい、恋人は凍ってしまったかと思うと、次の瞬間には粉々に砕けてしまうのでした。


 その後フレイヤは、兵を率いて北方の地へと旅立つと、そこで自分だけの王国を建設。愛を信じない彼女は、兵士達に幼い子供達をさらってこさせると、
「ここでの掟は1つ。『愛してはいけない』。」
と告げ、“愛”や“家族”といった概念を否定して、ただただ強い戦士としての教育を叩き込むのでした。そんな子供達は、訓練漬けの日々の中で成長し、やがて最強の戦士“ハンツマン”として頭角を現していきます。その中に、主人公・エリック(クリス・ヘムズワース)やサラ(ジェシカ・チャスティン)の姿もありました。幼い頃から苦楽を共にしてきた2人の間には、いつしか禁じられたはずの“愛”が芽生えていきます。ある夜、2人はとうとうお互いの気持ちを打ち明けると、翌朝この地を去る計画を練りますが、実はこの計画は、監視していたフレイヤには筒抜けになっていました。翌朝、落ち合った2人の前に、他のハンツマン達が立ちふさがると、フレイヤも姿を現します。なんとか逃げ出そうと、エリックとサラは大立ち回りを演じますが、そんな2人をフレイヤは氷の壁で分断。壁の向こう側でサラが刺し殺されてしまうのを目撃したエリックは、戦意を失って捕らえられ、川に打ち捨てられてしまうのでした。


 それから7年の月日が流れました。その間、ラヴェンナはスノーホワイトに倒され、エリックはその戦いに身を投じていました。平和が訪れたある時、エリックの下へスノーホワイトの使者がやってきます。彼によると、
「スノーホワイトは、毎晩鏡が自分を呼ぶ声に疲弊され、鏡を西方の聖域に安置することを決意された。しかし、鏡を運んでいった部隊が消息を絶ってしまったので、捜索してほしい。」
とのこと。かくしてエリックは、戦友のドワーフ・とその兄を連れ、旅に出ます。ところがその後、ようやく部隊を探し当てたエリック達が目にしたのは、部隊が自分達で殺し合い、全滅している惨状でした。そして鏡は、忽然と姿を消してしまっていたのでした・・・。


 まずタイトルこそ「スノーホワイト」ですが、あくまでも主演はクリス・ヘムズワース演じるエリックなので、スノーホワイトは登場しません(笑)。


 初めて知ったはずの愛に裏切られ、“愛”という存在を否定することによって、自らの王国を築いてきたフレイヤ。その凍てついた心によって引き裂かれ、運命を狂わされてしまったエリックとサラが、再びの出逢いを経て、どうフレイヤに立ち向かっていくのか、そしてフレイヤの凍った心に、また愛が灯ることはあるのか、その辺りに要注目です。


 ツッコミどころは多々ありますが(笑)、失ったサラへの愛を取り戻すために、エリックが無謀な戦いに身を投じていく様子は、観ていてハラハラの連続です。アクションも超ド迫力ですので、細かいことは気にせずに、純粋に愛する者のために戦う人々の姿に魅了されたい、そんな皆さんに是非オススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※ジェシカ・チャスティン・・・本作では、クリス・ヘムズワース演じるエリックのかつての恋人・サラ役。最近では「オデッセイ」での船長役でお馴染みの方ですが、他にも「クリムゾン・ピーク」での謎めいた姉弟の姉役や、「ゼロ・ダーク・サーティ」での主演でも有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>



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