(※とにかく田舎はのんびりと時が過ぎています)
(※近所の方のお散歩コースにも…この時期から9月まで望創家が2〜3週間ごとに草刈りを…2時間かけてします…地域ボランティア)
世界の
「世界が混乱麻痺しているときに何ができるか。今自分たちができることは、各々が現状を自覚し[対岸の火事]とは思わず、自分ごととして考え行動することではないでしょうか」
昼休みの休憩中に、いつもは「ウルサイラジオだな」と先輩の作業車から聞こえてくる雑音に、今回は聞き入ってしまったという皆さん、こんにちは。望創家ノリです。
本日の大分県山間部は晴れ。最近は夏日が多く、朝は穏やかな風に対し午後は強風が吹き荒れ、そして日陰は冷たい風という感じで、すっかり春が何処かへと行ってしまった感が漂う昨今であります。
皆さんの地域は如何でしょうか。
(※とにかくコロナとは無縁な現場が続く日々です)
(※標高900mぐらいの現場…涼しいです)
(※約2ヶ月は最低通うのかな…多分梅雨で作業が遅れるだろうし、9月頃までに終わればいいのかな…飽きるけど仕事があるだけ有難い)
さてはて、前回のblog更新から2ヶ月近く空いてしまい…いつもの如くそれはそれは忙しく…というより[追われ]、林業をはじめてまだまだペーペー4年目がスッカリ主力となり…毎晩お風呂で湯船に浸かりながら目を閉じ…
「明日はどういう段取りで行こうかな…天候次第でアレをしようかな…」
など現場の山を頭に描き、伐倒方向、集材箇所、道入れ場所、道入れ中の次長の仕事は…など粗方イメージできるまでのんびりと疲れた身体をお風呂で癒される毎日でありますが、頭は常に現場作業中はフル回転であります。
いつもならば最低でも月一で近所の温泉に行くのですが…このご時世、望創家の苦手な町水道(※)のお風呂で我慢しております。
(※産まれてから地下水で育ったため、塩素消毒系の水が苦手な体質)
(※ここは観光地で…GW中のバイクのツーリング、登山など、ウジャウジャ来ます…危機感ないですよね…こちらが自粛していても意味無し)
コロナウィルス…。
ここ大分県山間部では…
・隣のA市内で陽性
・隣のB市内で陽性
・隣のC町に他県からのコロナ疎開?で陽性
・隣のD市内で陽性
・隣の…
という具合で周囲の市内町内で陽性反応者が出る中、うちの班は未だに規制はかからず山に出ております。
(※正直家にこもり、望創家活動(ものづくり)したいです)
基本的に車で出勤5分ちょっとで事務所。
タイムカードを押し次長と作業車で山へ。
後から来る班長はひとり(※)で整地へ。
(※整地をするだけなので、ひとり作業。本来それでもひとり作業は禁止ですが、重機一台でやる仕事なので…ここが林業の難しいところ)
そう、今望創家は基本的に[次長としか接点がない職場]なため、都会のように警戒をしながら出勤も仕事もしておりません。それが幸いで、山仕事ができていたのですが…
(※御神酒はこのスキットルに…願掛け後に木を伐る…竹林伐採も兼ねる現場…竹は本当に邪魔ですが…)
今冬は雪が降らずで、去年に引き続き暖冬もあり、例年は山道が凍り、伐られた木はなかなか市(いち)に出すことが出来なかったのですが、今年はドンドン出て、そして更にコロナウィルスの影響で、建設業界の作業ストップ又は緩やかになり…材の使用頻度が減り…
「木材価格の更なる低迷」
で新しい現場による伐採は[ストップ]されることになりました。
どのぐらい下がったかといいますと、
今まではスギでいきましたら、1立米あたり平均10,000円〜11,000円(※)はあったものが、
「2,000円も下がった」
という話です。
(※昔は2〜3万円…昔を知っている山主さんからしたら…)
それがどれだけと言いますと、1立米(※)とは大体4mで切られた丸太の末口(細い方)の直径が[50cm]のもの1本分です。
なんとなく想像出来ますか。
(※普通の長さ12mぐらいの電柱2本分ぐらいかな…)
そのスギの丸太1本が大体10,000円で取引されていたのが、8,000円です。
(※竹は整備しないと山を荒らします)
今の望創家の現場が大体4反(1,200坪)ぐらいの場所で、ざっと木を見て(ただ見ただけです)あまり良い材ではないので…200立米と仮定しましょう。
今までは200立米なら、200万円になったわけであります。それが今では[160万円]なわけであります。
200立米なら2人で現場に入り、休みを入れて1ヶ月あれば大方先が見え、ほぼ終わるかなと思い、逆算して一日のノルマを己に立てて作業をしていたのですが…
(※うちの班は全伐部隊、ですが、重機がヘボヘボで…全伐後は地拵え(植え付けのための片付け)までします)
大体うちの方では立米あたり[伐り(伐採)出し(丸太を山から道端までの搬出)4,500円]と決まっています。
(※現場状況により4,500円〜という感じで上がります)
つまりは、200立米伐って出してで伐り方がもらえるお金は、
200立米×4,500円(立米あたり)=900,000円
この900,000円から
重機をレンタルしている場合は
・ユンボ代→100,000円/月
・フォワーダ(運搬車)代→200,000円/月
(※適当なリース代です。調べてはないので詳しくは知りません。とにかく林業機械のレンタルは高いです)
そして、これに重機の燃料代として、重機専属のオペレーターが1日フル稼働させることがうちではないので、その場合は…平均20Lぐらいでしょうか。多く見積もって30Lにしましょう。
そうすると、重機の燃料代(軽油代)は1日3,500円ぐらいでしょうか。
・重機燃料代→3,500円/日×31日→108,500円/月
これに機械代として、チェンソーの燃料代が大体1日1,000円ぐらいで…
・チェンソー燃料代→31,000円/月
一応[2人現場]としたら、チェンソー燃料代は62,000円/月。
(※足元が不安でも、せざるを得ないことは多々当たり前に存在する、林業の世界では普通)
あとは…ひとつの現場でチェンソーの刃(ソーチェン)がひとつでもつ可能性も低いので、予備の刃も入れて2つとしましょう。
・ソーチェン代→4,000円×2つで8,000円
2人分なので16,000円
あとは現場までのガソリン代で、1日往復通勤代が200〜300円程度でしょうか。
・通勤代→9,000円/月
2人分で18,000円
本来であれば[山から市への丸太搬出代]もかかるのですが、それは山主さん側が払うので、あくまでも伐り方は[伐り出し4,500円(※)]というわけであります。
(※現実的に200立米の山なら、うちらペーペー部隊2人なら、暇かかると思います…(汗汗))
ここでまとめてみましょう。
・重機代→300,000円/月
・重機燃料代→108,500円/月
・チェンソー燃料代→62,000円/月(2人分)
・ソーチェン代→16,000円/月(2人分)
・通勤代→18,000円/月(2人分)
(※+メンテ代(重機グリス代)や機械消耗代(修理代)なども…)
1ヶ月で仮に作業が終わり、900,000円を受け取ったとしても、約500,000円は引かれ、残りは400,000円。2人で割って、1人200,000円。
厳しいですよね…
命が懸かって、ですからね…
これで道具が壊れたら…
で、ですよ。
今まで4反200立米の山を伐って[200万円]だったのが、今では[160万円]にしかなりません。
上記の伐り方2人が作業をし900,000円取るとしましょう。
1,600,000円ー900,000円は700,000円です。
ここから立米あたり1,000円ぐらいの[山から市(いち)への運搬代]がまず引かれ…
200立米×1,000円→200,000円
そして、市(いち)からは[利用手数料(みたいなもの)]が引かれ、大体全体の6%ぐらい。
1,600,000円の6%だと、96,000円
そして、更に市では[はい積み料]が…。
沢山の丸太を綺麗に径級(太さ)に分けて小積み、買いに来る人たちに見やすく並べます。その[はい積み料]が大体1,200円前後かかるので…
200立米×1,200円→240,000円
これら山から出した丸太が市にかかり、その売り上げに対して引かれる必要経費で、山主さんに残る金額をまとめると…
200立米→1,600,000円
・伐り方代 →900,000円
・運搬代 →200,000円
・市代 →96,000円
・はい積み代→240,000円
合計:1,436,000円
1,600,000円ー1,436,000円は…
「164,000円」
上記の価格は、あくまでも望創家が勝手に(超勝手に)算出した値ですので、この値は大幅?に前後します。
(※運転の荒い班長…望創家と次長は外したことなし)
(※ペーペーの皆さん、重機運転は慎重に。無駄な労力と経費がかかります。切り株はよく見ましょう)
(※重機が2台あったら楽なんですけどね)
(※とにかく林業は現場が悪いのでキャタ嵌めには1〜2時間かかるときはかかります)
市の手数料は固定されていますが[伐り方代]は樹種によっても変わり、そして山の形状や土場(丸太を市に出すために出す場所)までの距離などにも左右され、[運搬代]も山から市までの距離で変わり、市での[はい積み代]も径級で変わるので。
一応うちの方では伐り出しするのに[立米あたり8,500円]前後かかるそうです。
これらの[必要経費]を山主さんが支払い、売上金が残ればいいですが…多分、今(コロナな現状)では非常に厳しいのではないでしょうか。
今の時代では[山主さんは手出し(※)を嫌う]傾向にあります。[利益が出る]なら伐る選択をするのが大半です。
(※「木を売って利益が出るなら伐るけど、売上金がない上に自らがお金を出してまでは伐りたくない」という山主さんが多いというお話です。草刈りを業者に頼んでお金を支払うことをしても「なぜにお金になる木を売って、売上金がない上に、更にお金を払わなくてはいけないのか」という世界のお話…でも…木こりも命を張ってるので…木の価格の暴落を招いた国策、その[顛末のお掃除役]が今のうちらです…とても危険な状態の木が多く、死傷者も減らないのも当たり前です。
今後に私たち木こりができることは[危険な現場に木を植えない選択]が重要です。その結果未来のペーペー仲間の危険率を減らすことが[根本]からできますが…変わらずの[補助金制度]で悪循環な現場がここにあります)
まぁ…簡単に言えば、
「山主さんにも美味しくない時期」
というわけであります。
更にこれから5月6月と梅雨に近づいていきますと…
「切った丸太に虫が入る」
ので、更に追い討ちをかけ木は伐られなくなるかと思われます。
山仕事の現場ではコロナウィルスは関係ないですが、コロナウィルスの影響で[業界]的に見た場合はかなりのダメージというのが伝われば幸い(?)かと。
命あっての未来です。
皆で協力して今を生きていきましょう。
(※相変わらず怪しい格好ですが、何回も命を救われています)
(※ここ近年は5Lのジェリカンに混合、1Lのリステリン容器2つにチェンソーオイルを入れて、バックパックで持ち歩いています。ジェリカンは若干重いですが、安心)
林業男子女子の皆さん、ダランメ(タラの芽)やコシアブラ、ゼンマイ、フキ…キイチゴでも食べながら、ノンビリといきましょう。
沢山の下書き記事がありますので、GW中により多くの記事を更新出来ればと思っておりますので、お時間をつくり、望創家アワーを楽しんでください。
(※と言っていて、もう連休も終わります…涙)
今ある命に感謝をし、明日を生き延びましょう。
それではまた次回お会いしましょう。
Ciao!
追記:
(※西表島のパイナップルと宮古島の月桃の葉を育ててます。オリーブオイルに干した月桃の葉を漬け込み、お風呂上がりにお肌ケアにつけています)
(※ここ最近のタクティカルベストの特集も組んでおりますので、お楽しみに!)