(※ペーペー望創家も今期で6期目の野焼きです。ジェットシューターは任せられる男になりました)
(※ジェットシューター:火を消すための道具です)
世界の
「野焼きされた山に立つクヌギの原木を使ったシイタケ栽培は、よくシイタケも育つって言われている。下草だけが燃えていき、炎の中に立つあのクヌギたちは、別段燃え尽きるわけじゃないしな」
と初めて野焼きに参加したときに見た炎の中で凛と立つクヌギに驚いたあのときに、先輩が徐ろ(おもむ-ろ)に発した言葉に一種の感銘を受けたことのある皆さん、こんにちは。望創家ノリです。
本日の大分県山間部は晴れ。最近の寒暖差は本当にヤバいぐらいであります。朝マイナス5℃で日中13℃とか…衣服調整が要な日々であります。がしかし、その寒さも今週までか、週末にノーマルタイヤに変える予定です。
皆さんの地域は如何でしたでしょうか。
さてはて、今年もやってきましたよ。
「の・や・き」
地域によっては高齢のため、や、死傷者がでたためなど、その伝統的な野焼き文化の継承が行なえず…多分…この地域も似たようなもので、後に続くひとが…。
そんな野焼きの代表格の田舎の風物詩といったら…
「タノクロを焼く」
この言葉を聞いて、何を想像しますか。
正解は、
「田の縁を焼く」
ということです。
この時期は特に田のクロをはじめ、いろんなところからモクモクと白い煙が出ている田舎であります。特に山間や川原など、よぉーく燃やしております。
(※風を読めずなのか、一人で野焼きする高齢の方も多く、今月に入ってから消防のサイレンを沢山聞きます)
(※これが控え選手的な代打一発ホームランなジェットシューターの宿命)
つい先日、今期の野焼きで…初死にそうになり、改めて思いました。
「若い人が欲しい」
と。
先日の野焼きでは…平均年齢60歳超えでした。
多分…田舎の60代は[若い]のと、普段から林業など山に携わっているレジェンドたちなので[普通の60代とは違う]のは見ていて思いました、が、野焼きする現場が現場なので…単純に経験や技術も必要ですが[体力と筋力]が同じように必要と思いました。
今期の野焼きでも、約20Lの水を担ぎ6時間。山登り状態且つ、必要あれば走り…下り…煙や炎に慄く(おのの-く)も「隣の山を燃やすわけにはいかない。ここで昇り竜のような炎を止めなければ…」と思い、予め水を撒き延焼を最小限に抑えるべく打ち水…
そして…
「装備がオロい(ボロい、乏しい)なぁ…」
となりました。
来期のために装備品を整えようと真剣に(=本当に)思いました。
林業2年目の慣れた頃に骨折をして腰袋を変えたように、今回の死ぬ思いをしたからこそ、年に1回(3日程度)だとしても命が懸かっているので…簡単に溶ける(燃える)ナイロンヤッケはやめることにします。
(※甲ガードや先芯が入っていないスパイク足袋です。鉄芯が入っていると勾配のキツい場所では親指が血豆になるので)
ハゼ好きなので、野焼き用に愛用しています。
この足袋に林業で使っている脚絆を合わせてます。
(※あ…デザインが変わった…このタイプのKevlar の丈夫な方を使っています)
そんな命懸けの野焼き、皆さん、野焼きって聞いて、イメージできますか?
「山を焼くだけでしょ」
確かにその通りです。
(※野焼きをする意味は検索してみてね!理にかなった行為です)
望創家たちの野焼き箇所は広大です。
(※絶対的に余裕のあるときに撮っています。野焼きはお昼休みもなにもほとんどなく、15分休憩ぐらいでガシガシ燃やしていきます。時間との闘い)
望創家たちの野焼きは、平たく言えば[防火帯づくり]です。
つまりは…
「この隣の山を焼きたくないから、こっちの山を全て焼き、焼き切りしておくことによって隣の山への燃え移りをなくそう!」
というわけです。
望創家たちが焼いた山の内側(安全な内側は他の方が後日焼きます)で火事があっても、一山分の防火帯ができているので[隣の山]に延焼するリスクは大幅になくなります。
しかーし、防火帯づくりで余計な山を焼くことは全国各地で毎年起こっています。
(※とにかく野焼きを甘く見てるのか…火事が多い月です、3月は)
(※無理です。絶対に勝てません)
原因は?
「火は生き物だからです」
よくドラマや映画で見る[炎の中で演技をする人たち]は…実際あんな間近で炎に晒されていたら衣服が溶けヤケドをするかと思います。
そしてあんな炎が出ていたら[新たな気流の流れ]が生まれ…炎の揺れや大きさが激しくなるかと思います。
と真面目な性格なため、普通に娯楽として映像を楽しめないツマラナイ男なのであります。
(※この3Mのマスクは高いですが、普通のマスクより煙を抑えてくれ、尚且つ排気弁があるお陰で苦しさも半減&メガネの曇りも抑えます)
『抱き合わせしか売ってない…』
(※1つあたり300〜400円です)
『楽天で1つ売りありました!』
(※が、送料が…ちょっとゴムがキツいですがオススメです)
(※次回はきちんとした対策で行きます)
まず簡単に野焼きの方法を説明すると…
焼きたい山Aがあるとします。
そして、焼きたくない山Bがあるとしましょう。
最初にやることとして、山Aと山Bの境の焼く側の山Aを8〜10mぐらい刈り払い機などで草刈りをします。
時期は草が一番伸びる8〜9月頃に。その刈った草をブロアやホウキなどで寄せ集めして10月頃に燃やします。
(※このたった10m幅ぐらいを焼くのがまた大変です)
これで一段階目の野焼き準備が整います。
(※奥の山は焼いた後です)
いよいよ2月。
乾燥して燃えやすい季節となりました。
一段階目でつくった防火線(8〜10mの隣の山との境)、今度は更に防火線を広げます。
焼き切りです。
望創家の経験上、火付けは2人、火消しは最低4人。これに[最終確認者]としての火消しがいればありがたいです。
望創家班のやり方として、この7人編成で2つのグループをつくります。
先行部隊の1つのグループは山の上側(隣の山との境界付近)を2人の火付け人でゆっくりと時間差で平行して火付けを。1回の火付け幅を1〜2m、2〜3mと現場の草の伸びを見ながら焼き切りを合計8〜10m幅ぐらいして(1段階目の防火線切りと合わせたら、隣の山と15〜20m空きます)、山の上側境界線付近を焼き切りしながら下って(上って)いき、境界線付近を終わらせます。
そのとき、他方のグループは上側で焼き切りしているグループの進捗状況をよく見ながら、山の下から火をつけています。
っと、ココで…今回は事件が起こりました!
風が突然強く吹いたのと、山の下側の火付け人が[山の上側]を見ていなく(見ていたが、あまりの風の強さで延焼速度が上がったのか?)、山の上側の望創家班は…
「えぇぇぇーーーーーーーー!!」
となり、山の下側から物凄い勢いで炎が上に押し寄せ…火付け人は急斜面を急いで登り…
「おいーーーーーまだ焼き切りが終わってないよぉーーーーー!!!」
と皆でなり、火付け一番人は…
「迎え火だぁーーーー!!!!」
(※新たな火を起こすことによって迫り来る火の流れを変える働きと、先に焼き切っておければ延焼が防げる)
「じゃぁ今そっちにジェットシューター1人行きますーーー!!」
「じゃぁ、こっちは更に下から来る炎を止めます!!」
と遠く同士でやり取りし…背水の陣ですよ。
下から来る炎を止められなかったら20mの防火線も飛び越え隣の山を焼くことに…
(※大きな炎に水をかけても無駄です。要は[燃え移り防止]をすればいいだけです。なので先に枯れ草に火が移らないように打ち水をするわけです)
で、逃げたかったですが、ありったけの水を使い60代のおじさんと二人で炎の中、服を焦がしながら…闘いました。
途中煙と炎で息が出来なく、水を打つだけ打って走って給水(※)に向かいました…第二波が直ぐそこまで来ていたので…
(※野焼き用に山にはドラム缶のハーフサイズが置いてあり、雨水を溜められるようになっています)
いやぁ〜死にました。
そこで気付きました。
火事で亡くなる方の中には望創家のように[闘おう]と思ったひとが多く含まれているのかなと。
「できれば[大ごと]になる前に消したい」
そうこうしている間に酸欠で亡くなる。まさに今回の望創家がそれ状態でした。
このblog記事は長い年月書き溜めており…つい先日、お隣の熊本でも野焼き絡みで事故がありました。それもあり、注意喚起の意味も込め、夜な夜な書いていました。
いいですか皆さん。
①軽い気持ちで野焼きをしない
②必ず水を用意
③一人ではしない
④軽い気持ちで野焼きに参加しない
⑤初心者は絶対に前に行かない
(一番手の火付け人の近くだと場合によっては煙にまかれるので、後方より参加した方が安全)
⑥信用ある火付け人が大事
⑦ジェットシューターの水はなるべく使わない
(基本的に足で消すか雑木で叩いて消す)
⑧消防へ届出
⑨天気予報を見て天気を予測し強風時はしない
⑩とにかくジェットシューター人を揃える
最低限、この10項目のことは大切かと思います。
そして先程も少し触れましたが、野焼き装備ですよ!
野焼き時は基本的に[一気]にうちらは燃やします。昼休憩は15分程度。時間との闘いです。なので直ぐに食べられるものを携帯します。
なので望創家が求めるジャケットは[収納]、[耐火(or難燃)]、[薄手]です。
それで今回購入したのが、飲み物、スマホ、お弁当(軽食)が入る難燃ジャケット…
コチラです。
薄手で軽く、Lサイズで望創家にはピッタリ。
(※望創家スペック:身長177cm、体重77kg、胸囲110cm)
そして同じく[収納]、[難燃]、[機能的]なパンツに…
ジャケットとパンツで収納力が凄いことに。
あとはコレに既存の5年目ぐらいの手袋…
当初Lサイズを購入し、あまりに指がキツく、LLサイズにサイズ変更をし…しかし[防水]らしいですが…ジェットシューター部隊の濡れには対応できなく…一度手袋を外すと[小指]をなかなか嵌められなくなる…燃えたことはないけど[濡れたら面倒]な手袋です。この度[3L]があったので購入!基本的にやはり指がキツい…けど[燃えにくい]のは大きいです。
そしてサーマルレンズ(二重レンズ)のフルフェイスの…
本当に曇らず煙の侵入も防げ、重宝しております。
(※ちょっとコメカミ付近が痛いですが、とにかくコスパがイイです)
如何でしたでしょうか。
皆さん、野焼きは人間社会にはとても大切です。自然界にも今となれば大切な役割があるかと思います。
この野焼きの継承(風の読み方、火の読み方など)が滞りつつあるのが現状です。こちらでも[毎回メンバーがバラバラ]です。
チームになることが最も大切です。
それと火付けペースやジェットシューターとの間隔など、全体を見ることができるジェットシューター(←これは望創家のことか!)。
そして、今日(こんにち)、東松島市で野宿生活をしながらボランティア活動に勤しんだ約半年。あれから11年、私は皆んなのことを忘れていません。
(※沢山の応援や差し入れをありがとう!)
いつかまた遊びに行くので、今は見守っていてくださいね。
全ての情景が目に焼きついています。
ママチャリで野宿生活しながら通った東北地方の海岸線。その変貌ぶりに驚き、我武者羅に過ごしたノリ。
沢山の仲間ができました。
そんな東北地方をはじめ、早く[春]が世界に来ます様に願う日々です。
取り敢えず今は林業頑張ります。
辛いけど、楽しいから、毎朝早起きしてしまう、じじぃ望創家。
これからも応援宜しくお願いします。
それではまた次回お会いしましょう。
Ciao!
追記:
(※2022年の運が…重機好きにはたまりません!)
(※林業の既刊紙?[フォレストジャーナル]よろしくね!面白いよ!)