いつか去るきみの為に
ぼくはたくさんの歌を書く
愛の歌、憎しみの歌、悲しみの歌、喜びの歌
ぼくに植え付けたたくさんの歌の種が
きみの全てです
いつか去る時のきみが
どんな顔をして どんな気持ちでいて
見送るぼくが どんな表情をして
どんな感情を抱いていても
きみに対して書いた歌の全てが
ぼくにとってのきみ自身と、ぼく自身です
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母は知らずにぼくを産みました
こんなぼくになるとも知らずに
こんなに母娘がむずかしいとは知らずに
何も知らずにぼくたちは生きている
この結末がどうなるとも知らずに
恋をして愛し愛されて
離れては悔いて 或いは清々してゆくのです
結末なんて知っていたら
母はぼくを産まなかったでしょう
離れる瞬間を分かっていたら
ぼくはきみを愛さなかったかもしれない
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潔くはなれなくても
ぼくはうっすらと
そう覚悟してゆきたい
強くはなれなくても
醜くなり過ぎない為に
ぼくはうっすらと
痛みを抱いてゆきたい
愛している
きみが誰に愛されてゆかれようと
ぼくがどんな別れをきみとする事になろうと
今ぼくがきみを好きでいるこの時間を
精一杯、一生分
愛している
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巣に帰る 鴉も人も
独り寝(ヌ)る夜の寂しき
又 明日迄

花の色の如く
移り変はる人の
心ぞ尊き 水の如し 哉.

