弁当を持たせてやる時の妻の気持ちとは、こういう感じなのだろうか。
暗いフレームの奥からトラックインするように走ってきた白い男に荷物を手渡す時、ふと抄子はそう思った。
これは_____で、これは_______ね。
口早に説明して抄子が渡し終えると、男はまた暗いフレームの奥へと吸い込まれていった。
去り際に抄子へ残した微笑みは、健全でからっとし、かつ汗ばんでいた。
こういう男に、女は弁当を持たせたくなるものだろうか。
抄子は帰り道、照りつける青天の日差しの下を歩きながら、それより更にまぶしかった男の白に目を細めた。
