「気持ち悪い」
第一声の悲鳴を噛み殺しながら、わたしは今にも飛び降りそうな"崖の上のぽにょ”のような表情をしていた。
ベッドの上、初めてのラブホテル、初めての女性用風俗。-ダメだ、わたしには合わない-。
男に背を向けているのを幸いに、わたしは露骨に嫌な表情になりながら歯を食いしばった。
これは、バトルだ。
わたしと、この得体の知れない気持ち悪さとの。
もう決まってしまっている「今夜出てゆく金額」を頭に浮かべながら、わたしは"後悔”とはまさにこんなものかと覚悟した。
幸いなことに、頑なに拒んだ甲斐があり、下手くそなマッサージ師の施術を我慢するくらいのレベルで事足りたが、それならば普通にマッサージ屋に行くべきであった。
どんな事があっても、知らない男なぞに身を預けるものではない。
人生のまた一つ、確固とした教訓が増えた、そんな一日だった。

