シチューみたいに | 森由 壱 - tune bride -

森由 壱 - tune bride -

... という 、夢を視ました 。

 

 

シチューみたいに冷めない恋を

中々冷めない あっつい恋

初めは熱すぎて しばらく口をつけられないくらい

フーフーして食べるくらいがちょうどいい

 

北極に行っても 二人でいるとあったかい

冷めない恋をいつまでも

 

冷めたってシチューは美味しいけれど

あったかい方がもっと美味しい

冷めてしまったらまたコトコトあっためるの

お鍋に入って ゆっくり TVを観ながら

 

レンジでチンしても

すぐに冷めちゃうけれど

じっくり火にかければ

あっつあつは長く続くの

 

即席の恋はすぐに冷めちゃうんだから

焦らずにじっくりあっためればいいんじゃない

 

そもそも恋と愛の違いって何

擦り切れるほどド定番の疑問

 

恋は気球で愛は大地だって

人は云うけど

空にだって新開地があるかもしれないじゃない

 

気球はいつか破裂して落ちてしまうなんて

誰が決めたの

二人で誰も視たことのない雲の島に

辿り着くかもしれない

 

愛は4年で冷めるって誰が決めたの

世間の統計? そんなの知ったこっちゃない

どうして人は期限を決めたがるの

二人のことを世間の物差しで測って諦めちゃうの

 

どうして子供ができちゃったら

二人の愛はぎこちなくなるの

あんなにあったかかったシチューが

年明けに食べ残されたお餅みたいにカチコチになって固まっちゃうなんて

悲しいじゃない

 

地球と月と太陽はこんなに長い間

お互いの関係を続けているのに

人間ったらどうしてこんなに

儚い恋を繰り返すのかしら

 

儚いからこそ恋なのかしら

 

シチューみたいに冷めない恋

中々冷めない あっつい恋を

落ちても落ちてもまた反対側から昇る

定期的に気まぐれになる太陽と月のように

毎日のルーティーンのように

 

冷めても冷めても またあっため直して

さようならからのこんにちはと

延々と仲良くケンカしては仲直りする

 

おめでたくて末永い恋を

太陽と月とこの大地に

見せびらかして死んでやりたい

 

イラスト:『お鍋ちゃんとのぼっせ隊』/ ichi.