服やインテリアの未来の話をしよう。
色や模様がダウンロードできるテキスタイル。
このテキスタイルが実用化されたとき、もっとも打撃を受けるのが、着物だろう。
将来の着物はネットから柄をダウンロードするようになるだろう。こんな形で衣紋かけにかけられた着物をや帯を、今日の気分やTPOで、ネットから色や柄をダウンロードする…
色や模様を制御できる布が実用化されれば、単一の形の着物の在あり方はガラリと変わる。
そして、もちろん、洋服にもインテリアも、ただのカラーバリエーションモデルは機能しなくなる。
いやいや、質感が違うという反論もあるだろう。色や模様は変えられるのであれば、形のバリエーションだったら生き残れるか…
残念ながら、色も形も質感もプログラマブル(制御可能な)なテキスタイル、スマートテキスタイルとも呼ばれているが、世界各地で盛んに研究がスタートされつつある。
もちろん、ウネウネ動いたり、色が七変化に変わる服やインテリアもできるのだが、デザイナーがデザインした服やインテリアを購入するのではなく、人が自由にデザインできる、簡単に変えられる、デザインのハードルが下がるという点で、社会的にインパクトが大きいと考える。
そんな未来を考えながら、2005年頃に作ったこのテキスタイル。
コンピュータのpixel(画素)のFabric版という意味のFabcell。
本当にクイック・ダーティープロトタイプだ。
だが、少なくともIT系アカデミックの世界は、明らかにこのスマートマテリアルな方向にシフトしている。ファッションもインテリアも呉服の世界もいやがおうにも大きな業界再編成、再構築が行われるだろう。
あくまでも私の直感やものづくりの経験を基づく未来の憶測にすぎないが、そこまでSFめいた話でもない。
そして、IT分野では何かとアメリカに先陣をとってしまわれるなかで、液晶などの化学分野、製造業、そして織りの分野を横断できる、日本のポテンシャルは高い。
おそらく今すぐではない。がしかし、数十年後、たとえば再度、このテキスタイルに賭けれる土壌はある。




