奇しくも、特許出願のエキスパートのかたが大学に入ってきたこともあり、スムースに進んだ。そして共同研究をやりませんか?と、とある企業の誘いが入る。
この色の変わるテキスタイルは、次のインフラになると確信し、人生を掛けてみようかと思ったのです。このとき、すでに大学院の修士課程2年。
スポンサー企業と私達の希望する方向性が異なることや、あきらかにリソースが足りなかったということもあったこともあり、迷走はした。今から考えると、相当色々とむちゃくちゃだったな、とは思う。
結局、ファーストプロトタイプよりもう少しキレイな試作品をインテリアプロダクトとして作り、日本のインテリアの展示会に出展してお客さんの反応を見ようということになった。
ダウンロードした模様をパーテーション
これを足がかりとして、世界最大規模の家具見本市、デザイナーの登竜門とされるミラノサローネを狙い、そして商品化まで行きたかったが、共同研究が開始して2年。
テレビの取材(確かワールドビジネスサテライト)は入りはしたものの、そこまで盛り上がることはなく、私自身がこの時点で、力も尽きた。プロジェクトは解散した。
卒業したての学生そこそこにしては頑張ったのだけど、デザイン力、マネジメントも含め、とてつもなく自分の力不足を感じたのですよね。
早くとにかく社会に出て、世に出るものづくりを学ばなければ…強く思った。
試作品の展示会お披露目どまり、つまり商品化までこぎつけなかったことは、本当に悔しくて…いまだに引きずってもいたが…
あれから10年。
たとえば…ARとゲームを掛け合わせが、ポケモンGOとしてヒットするのが去年、やっと今年に入ってVR元年とも言われている。
アカデミックの世界では、数年前どころか数十年前に提案されているものでも、商品として人の手に渡るには思いの外、時間がかかるのだなとも考えた。
8年前、私がちょっとした仕事で携わった経験のあるAR技術のベンチャー、頓知によるセカイカメラが、当時いまいちパッとしなかったのも考えると…
そう、適切なブランディングとマーケットインのタイミング。
遅すぎても早すぎてもダメなのだ。
あくまでも個人的な憶測だが、プロトタイプで示した未来、色や模様のテキスタイルが世に出るタイミングとしてこの先10年はかかるのではないかと予想している。
やっとIoT(Internet of Things、モノのインターネット化)と叫ばれ始めた昨今。技術変化や世の中の流れがスピードアップしていることを鑑みてもこのくらいはかかるだろう。未来は予測できるものではないが、少なくとも直感では。
やはり、人生のどこかのタイミングで、再度、本当にクオリティの高いものを作ることに再チャレンジし、商品化にまで持っていきたいというのはある。
だが今すぐではない。
ではこの10年をどうするか…



