風立ちぬ 見て来ました。 | 青山祐己 〜音とお酒と時々短歌(まぁ、ほぼ雑記)

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そんな感じにフリーな人の雑記です。

何かと噂になっている「風立ちぬ」を見て来ました。

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賛否両論が凄い映画ですが…。
ジブリ映画を見るのは「千と千尋の神隠し」以来。
それまでのやつも見たいとは思いつつ毎回終わってしまっていたのですが、今回のは見たいと思う気持ちが違いました。とにかく絶対見たかった。





とにかく絶対見たかった!!(大事)


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【ネタバレ含みます】

ジブリとしては非常に真っ直ぐでいて異色作だなと。夢と現実、想像の場面の切り替え方や言葉の使い方、台詞回し等、家族で見に行っても間違い無く楽しめない作品ですね。子供にとっては正直退屈でしかないかなと思います。

全編を通して思ったのは、とにかく「美しい」映画だなと。街並みや緑、風一つ一つの描写がとてもリアル。
人々のふれあい一つにしても。

主人公を務めた声優(ではないらしいのだが)にも非難が集まっていますが、個人的には、その棒読み加減が主人公の朴訥とした雰囲気を表しているようで、押し付けがましくない感情は好感を持ちました。
「となりのトトロ」のお父さんが思い起こされたかな。あんな感じです。

主人公の友人が感情をはっきりと出すタイプの性格だっただけに(それはそれで非常に気持ちの良い描き方でした)2人のやりとりの妙なテンポ感は味があるし、これで主人公も感情起伏が激しかったら見ていてしつこいというか暑苦しいというか。

関東大震災の最中に出会った女性と再開してからのドラマチック感は本当に美しい。特に紙飛行機の飛び方に発想を得るシーン、その中での2人の感情が飛び交うシーンはなんだか至高の気持ちよさ。なんだか気分が高揚してきました。

その前後に出てくる1人の外国人がいるのですが、この人もなかなかのキーパーソンで、宮崎駿監督の戦争に否定的だった考えが、この人のセリフに最も忠実に出てきたなと感じました。
そのシーンもやけに印象的。



飛行機を軍事力に使われることに躊躇いを感じなかったわけじゃないでしょう。それでも主人公は作ることを選んだ。
「美しい」飛行機を作りたいと。
主人公、堀越二郎の「風」は吹いていたんだ。

堀越二郎を愛した女性も、病気を患いながらも、「美しい」姿は堀越二郎に預けることを選んだ。

それぞれが選択した生き方、そこに主観や答えは不要でしょう。本当に「美しい」作品でした。面白い映画だった、というより、良い映画だったなと。

そして最後の荒井由実はもう反則でしょうと(笑)