大震災から2年。
あの日、僕は弟とふたり。
机の下にもぐった。
テレビをつけたら
田んぼが。
車が。
橋が。
船が。
たくさんの思いが。
さらわれていて。
それはテレビの中のお話ではなく
数百キロ離れている場所で
実際に起こっているという現実。
とても信じられなくて
テレビから目を離せなかった。
そこに願いや祈りがあったのか
それは解らない。
ただ見ていただけ。
きっと、ただ見ていただけだった。
当時働いていたスーパーは
翌日大混雑した。
大混乱した。
自然の止められない怖さと
人間の止めるべき怖さを
一挙に体験した。
でも、光もちゃんとあった。
隙間から覗く優しい光。
まだまだいけると思った。
精一杯いかなければと思った。
二度と戻らないものがあって
だから、復興には多分終わりがないからその中で
変わらなきゃいけない部分と
変えてはいけない部分を
しっかりと心に持って
歩いていかなきゃって思うのです。
どうして
ここまで走ってこれただろう?
誰かが泣いている
開いた手のひら
春の日差しを寝かせて
そっと眠りにつく