ハウプトハルモニーと僕との1年間 (Part3) | アイドルKSDDへの道(仮)

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心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

【4度目の現場 ~ツアーファイナル】


ハウプトハルモニーの次の現場に選んだのは、前回から約1ヶ月後、渋谷WWW Xで催された、ツアーファイナルのイベントだった。


12月20日ライブ

都内への交通費が往復で最低5千円はかかるので…アイドルのライブイベントに行くときは、なるべく自分の好きなグループが集う、満足度の高いイベントを探し、選んでいくことにしていた。今回のライブは、ハウプトに加え、僕の好きだった sora tob sakana、BiS、そして ヤなことそっとミュート が出演しているので、これはもう行くしかなかった。

最新の設備を備えたWWW Xは、ちょうど良い約500人キャパの新しいヴェニューで、照明も音響も素晴らしかった。ステージもよく見えた。この時のライブの様子は、公式がアップした動画をYouTubeで観ることができる。



ライブは素晴らしかった。僕が初めて観たハウプトハルモニーは何より「激しさ」を感じたけれど、先月観た新体制・新衣装のハウプトは、ダンスを見せ、歌を聴かせることに重きを置いたグループであるとの印象を持った。その印象は、今回のライブでより一層強まり、その唯一無二の魅力をさらに知ることができたのだった。

最後の曲が終わり、メンバーがステージ袖にはけた後、フロアからはアンコール!の掛け声が湧き上がった。しばらくして、PAブースに座っていたプロデューサーのあーりー氏がマイク手に取り、「寺田珠乃が高熱を出しているので、これ以上ライブができない。」旨をアナウンスした。え!?まさかそんなことになっていたなんて…。じゅのちゃんは、体調の悪い素振りを全く見せなかった(ように見えた)。そのプロ根性。脱帽する思いだった。

僕はこのツアーファイナルに備え…というわけではないが、2ndフルアルバム『Herz über Kopf』を聴き込んでいた。がしかし…それに収録されていた曲は、1曲目と最後の曲だけで、他は知らない曲だった。物販でチェキ券を買うときに、僕は あーりー氏にそのことを尋ねた。

「あのーすいません、どちらかっていうと新参なので教えてもらいたいんですけど、今日やった曲って、音源化されてるんですか?」

「ウチはサクサク曲を作る方なんで!」と、あーりーPは未音源化曲が含まれていたことを説明してくれた。

「あぁそうなんですか…(2ndアルバムを指さして)このアルバムめっちゃ好きでよく聴いてたんですけど、あまり役に立たなかったですね。あはは…ぜひ、早く音源化してほしいです!」

…そんなことを、僕は話していた。

チェキ会では、再び一花寿の列に並んだ。この日、彼女に会うことには意味があった。

ちょうど1年前の2015年12月20日は、彼女が在籍していた ゆるめるモ!のワンマンライブがZepp DiverCityで催された日だった。モ!のライブを観るのは2回目だったが、僕はこのワンマンによって完全にファンになってしまった。そんな忘れがたい日の1年後に、別のグループで「もねちゃん」改め「すいちゃん」が歌い踊ることに、不思議な巡り合わせを感じていた。

すいちゃんに促されるままに、会場の名前にちなんで、手をXの形に交差させるポーズで、チェキに収まった。「久しぶりですね」と話す彼女は、僕のことを認知してくれているようだった。ベールを頭につけたドレス姿のすいちゃんは、とても美しくて、少しドキドキしてしまった。僕の横に並ぶととても華奢に見える、その身体にも。

そして、クリスマスプレゼントだといって、彼女が実際に身に着けた小物を袋に入れたものをプレゼントしてくれた。それは造花のついたシュシュと、直筆で「Merry Xmas」と自身のサインが書かれた小さなメッセージカードだった。


プレゼント2

プレゼント1

思いがけないプレゼントを得て、僕は幸せな気持ちで家路についた。



【5度目の現場 ~ TOKYO FM HALL】


次に観たのは、2ヶ月後の2月26日、東京は皇居の隣、半蔵門の正面近くにあるTOKYO FM HALLという会場で催される「IDOL Pop'n Party vol.15」というイベントだった。これも前回と同様、好きな出演者が多数出演するので行くことを決めたイベントだったが、出演者もかなりカブっていた。いわゆる「楽曲派アイドル」のクラスタが形成されているのかな、と思った。

2月26日タイムテーブル

TOKYO FM HALLは初めての会場だった。ホールに入った僕は面食らった。「こ、ここは…!?!?」


Tokyo FM Hall

てっきりオールスタンディングの会場かと思っていたら、フロアには椅子が並べられていた。座って観たい人は着席し、立って観たい人は後方のフロアで立見…ということのようだった。迷った末、こんな機会はほとんどないだろうから…と、座って観ることにした。開演前、隣に座ったオタクの青年に声を掛けられ、アイドルオタクトークを繰り広げていた。

ライブハウスでのアイドルのライブに慣れ切っていた僕は、この慣れない雰囲気にビビっていたのだが、ライブが始まると、ステージはとてもよく見えて、夢中になることができた。ドレス衣装のハウプトハルモニーの佇まい、そしてライブが醸す世界観は、クラシカルな雰囲気のこの舞台に、他のどのグループよりも似合っていた。

終演後、ロビーでは各グループの物販が始まり、アイドルオタクでごった返していた。今回は、久しぶりに寺田珠乃ちゃんと撮ってもらおうと、事前に考えていた。

2ヶ月前の、渋谷でのツアーファイナル公演のことを話すことができた。「熱を出していたなんて、そんなことは全く分からなかったです」と話すと、「演者としては、その方がうれしい!」と返してくれた。じゅのちゃんは高校生で、部活で剣道をやっていることをtwitterで知っていた。ハウプトではリーダーで、メンバーの入れ替わりの激しい中で最初から続けてきたことも、知っていた。その根性たるや。対応も気さくで、チェキには裏側にもスラスラとコメントを書いてくれる。(この日撮ったチェキの裏側には

「音も音で響く ホールさいこう! ありがとう じゅの」

と書いてくれた。)「じゅのちゃん、本当にいい子だな…」その想いは、より一層強まった。


さて、迷ったあげく、僕はさらにもうひとりと話をしたいと思った。一花寿と一緒に加入した、銀髪or金髪ショートの女の子、銀りん(しろがね りん)だ。twitterで彼女をフォローしていて、その投稿をずっと見ていたのだが、他のアイドルと違い、彼女は常に敬語を使っていた。控えめで、ていねいな言葉遣い。その独特のたたずまい。そして、かわいい…。僕は興味を惹かれた。

チェキ列が途切れたりんちゃんは、独りでチョコレート・バーをかじっていた。意を決して、僕は彼女のところへ向かい、「始めまして…」と、チェキをお願いした。白いシャツと紺色のセーター…という僕の恰好を見たりんちゃんは、「クリームシチューのCMに出てそう」と話し、お互いシチューを食べる仕草でチェキに収まった。「何を食べてるんですか?」と不思議そうに僕たちに尋ねる、スタッフのあーりー氏。

僕もアイドルさんとは基本敬語で話してしまうようなオタクなので、普段敬語のりんちゃんには親近感を抱いていたことを伝えた。「えっと、目上の人にはタメ口で話せない、というのがありまして…」と、たどたどしく話す彼女は、ステージ上のアグレッシブな姿とは真逆だった。そのギャップを目の当たりにして、僕は彼女のことを、もっと知りたいと思った。

ハウプトハルモニーは、4月に新しくミニアルバムをリリースすることがアナウンスされていた。きっと、素晴らしい内容になるだろう。そんな期待を胸に日々を過ごしてた自分に、後日、思いもよらぬ知らせが届くのだった。

(つづく)