DVDレビュー:ゆるめるモ!「 孤独と逆襲ツアー at TSUTAYA O-EAST」 | アイドルKSDDへの道(仮)

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心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

2017年3月26日にTSUTAYA O-EASTで催された ゆるめるモ!のワンマンライブ「孤独と逆襲 ~てえへんだ!底辺だ~ ツアー 」の模様を収録。特典映像として、シングル曲「震えて甦れ」の、メンバー4人それぞれを追った4つのバージョンが収録されている。

これまでのモ!のワンマンライブの映像作品といえば、(2016年7月の6人体制最後のワンマンを除けば、)2015年5月の赤坂BLITZにしろ、同年12月のZepp DiverCityにしろ、大人数のバックバンドを従えての重厚長大な内容だった。しかし今回は、全15曲、約100分というコンパクトな内容だし、バックバンドは、ドラム、ベース、ギター2人の4人編成に打ち込みサウンドを加えるという、よりシンプルなものになっている。

だからといって、物足りないのか?と言われれば、もちろんそうではない。バンドサウンドがシンプルかつタイトになった結果、メンバー4人の成長したパフォーマンス、特に、格段に表現力を増した歌声が際立っているのを確認することができるからだ。

生バンドによるオケは、これまでのワンマンに参加していた主要作曲者のハシダカズマ氏が不参加であることから、氏の持ち味であるシューゲイザー風味やインディロックテイストは後退したが、その代わり、打ち込みによるリズムやシンセとギターロックが見事に融合しており、例えば最近のYMOやMETAFIVEのような素晴らしいサウンドを聴くことができる。その白眉ともいえるのが、YouTubeで先行公開されているモ!の隠れ名曲「私の話、これでおしまい」だろう。ファンならずとも、ぜひともチェックしてほしい映像だ。

ニューウェーヴ、シューゲイザー、ディスコ等、多彩なジャンルを横断しながら、本編ラストのライブ定番曲にしてアイドル史上最もカオティック?な「Only you」で「あの」と「しふぉん」が客席にダイブするまで…気合にあふれたテンションの高いパフォーマンスが続く。そしてそれは、空回りすることなく、しっかりと地に足のついた、モ!らしい楽しさにあふれたエンタテイメントとして成立している。アンコールの2曲は比較的穏やかなナンバーだが、その歌詞を思い浮かべれば、感動はより一層深まることだろう。

2016年7月のワンマンライブをもって、6人から4人になった ゆるめるモ!。その存在意義を自問自答し、変化を求め、たどり着いた一つの回答が、この映像作品に収められている。メンバー4人が私たちに伝えたい気持ち…を、ぜひ受け止めてみてほしい。