今年のTIFは干した自分ではあるが、こちらは行きたいと思った。僕の好きなグループが多数出演しているし、2日目メインステージのトリが、でんぱ組.incだったからである。最近の「かがやきツアー」に行かなかったダメなでんぱオタとしては、この貴重な機会を逃したくない、という動機もあった。
今年は、従来の横浜アリーナから幕張メッセへと舞台を移し、「@JAM×ナタリーEXPO 2016」と銘打たれて、イベントが開催された。僕は2日目、9月25日への参戦を決意し、チケットを入手した。
しかし、前日になって、なんだか面倒になってきた。「チケット代7,800円って、よく考えたらけっこう高いし、幕張メッセってよく考えたら結構遠いし、この手のイベントって出演時間かなり短いし、Twitterで観ると音響が最悪らしいし…これだったら、新宿当たりの対バンイベントへ行った方が良かったかも…」と思い始めてしまった。だがしかし、すでにチケットを買ったので、もはや後には退けない。思い切って行くしかない…。
当日、朝早く自宅を出て、ちょうど10時に会場の幕張メッセに着いた。混雑を覚悟していたが、入場口で並ぶこともなく、拍子抜け。まあ、先月いったサマーソニックとは規模が違うか…。入場の際に、CDが配られた。このイベントのためのスペシャルユニット「@JAMオールスターズ」のCDだ。みりんちゃん、かわいい…
![IMG_4151.JPG](https://stat.ameba.jp/user_images/20161001/17/mount-pear/b3/1a/j/t02200165_2016151213762069377.jpg?caw=800)
さて、会場に入ると、すでにメインステージでライブが行われていた。「ん…?あれはパスポの皆さんでは…?」
PASSPO☆がバンド演奏をしていた。これが噂のBAND PASSPO☆か!ロックアイドルをコンセプトにしていたこのグループは、最近本格的にバンド演奏を始めたのである。僕は特に追いかけていたわけではないけれど、メンバーの増井みおがマリリン・マンソンとかスリップノット好きでロックキッズでベースを弾いていることとか、玉井杏奈のブログが文才ありすぎだとか、森詩織がアイドルらしかぬ豪放磊落なキャラであることとか…を知っていたこともあって、するするとステージに引き寄せられていった。
僕は、玉井杏奈嬢をガン見せざるを得なかった。なっ…なんてしやなかで正確なドラミングなんだ!しかもフィルもバシバシ入れているぞ!その隣の増井みおちゃんもがっつりベースを弾いているではないか。キーボードもディストーションの効いたエレキギターもよく鳴っている。2人のシンガーは前方に張り出したステージの先端から、客席を盛り上げている。
曲もけっこう…良いではないか。うーん、これはスゲー良い!と思ってしまったぞ。 …他に目当てがあったので、2曲聴いただけでその場をあとにしたが、後ろ髪をひかれる思いだった。
さて、隣りのフロアに足を踏み入れると、まるで工場の騒音のような響きが聴こえてきた。
「こっ、これは…!!?!?!!!」
右手に小さなステージがあり、その裏に、背中合わせにしてもう一つのステージがあるのである。そして左手には別のステージがある。1つのフロアに3つのステージがあり、そこに隣のステージの音響も流れ込んでくる。そしてステージでは、同時進行でアイドル達が歌いながら踊っているのである。
![FullSizeRender.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20161001/16/mount-pear/88/ed/j/t02200165_2016151213762039971.jpg?caw=800)
「な、何てカオスな光景なんだ…!」しばし、衝撃で空いた口がふさがらなかった。いろんな意味でヤバい現場に来てしまった…そう思った。
さて、その「背中合わせの2つのステージ」へ行くと、期間限定ユニット、ユフ♬マリ がステージを繰り広げていた。終わったあと、ステージ前へと移動した。Maison book girl(ブクガ)のステージを観るためだ。ブクガのライブはこれまでちょくちょくイベントで観ていて、今回で5回目だった。
ライトグレーのモードな衣装に身を包んだメンバー4人が現われ、ステージが始まると、他のステージの音は気にならなくなった。4+3拍子、5拍子…僕はいつものように、変拍子の曲のリズムを取りながら、ユラユラ揺れながらステージを眺めていた。
ブクガの音楽は独特の箱庭感があって、それを表現するダンスも、歌も、とても素敵だった。やっぱりブクガはいいなぁ…と、改めて思った自分だった。
しかし、曲と曲の間には、周りから大音量の雑音が流れ込んでくる。こっこれはひでーよなぁ…メンバーの皆さんに同情せざるを得ない。出演者も観客も、目の前のライブに集中することを求められる過酷な環境…それがこの@JAM なのである…。
その次は、ステージを移動し、オサカナことsora tob sakanaのステージを観ることに決めていた。最近アルバムがリリースされたのだが、これがもう、アイドルっつーより邦楽ロック屈指の名盤とも言いたくなるような出来栄えで、そのカッコ良すぎるサウンドと、中学生のあどけない歌唱のギャップに感嘆した僕は、機会をとらえて、なるべくライブをたくさん観たいと思っていたのである。
こちらのステージ(ブルーベリーステージ)の音響は、はっきり言って酷いものだった。さっきは気にならなかった周りの音が、ここではかなり目立っていた。本体の音も、あまり良くなかった。僕は脳内で音を補完しながら(笑)ステージに集中しようと努めた。となりにいるおじさんが全力でメンバーの名前をコールしている。うひゃあ。でも気持ちは分かるよ…。
僕が特に好きな「夜空の彼方」が1曲目だった。やっぱり胸に迫る名曲。ふうちゃんこと神﨑風花ちゃんがずっと笑顔で踊っている。すごいなー。そして「広告の街」…これはイントロのリズムが複雑で僕は未だに把握できないのだが、そんなリズムのキメに、ステージ上の4人は歌とダンスをビシバシと当ててくる…こ、これはカッコイイ!
最後の曲は、オサカナらしい爽やかな「クラウチングスタート」だった。音響はクソだったが、sora tob sakanaのヤバさは感じ取れた。次はライブハウスへ観に行かなくてはなるまい…そう決意せざるを得なかった。
* * *
【特典会での出来事】
sora tob sakanaと、何かしらの接触を持ちたいと思った。考えた末に、グッズのタオルを買って、握手会に参加することにした。オサカナちゃんは「チェキ券」を売っておらず、物販で購入すると特典会参加券をもらうことができるのである。
メンバーの皆さん方は、テンションが高かった。満面の笑顔で「ありがとー!」と声をかけてきた。いやー、おじさん方相手に…アイドルってすごいなぁ…。僕は「ライブ、カッコ良かったです!」とか「アルバム大好きでよく聴いてました!」とか話していた。
最後のふうちゃんとは「チェキ撮ったことありますよ。」と声をかけた。
「え、どこで?」
「えっと……………(言葉が喉につっかえて出てこない)」
結局言えないままに、その場を離れてしまった(笑) 言えなかったが、それは今年4月の「ギュウ農フェス」でのことだった。あれが僕のオサカナ初現場だったのだ。
* * *
Maison book girlのメンバーとは、2人とチェキを撮ったことがあった。今回は、ゆいまーること井上唯ちゃんと撮ってもらうことにした。
ピースサイン以外のポーズを開拓したいと思っていた僕は、彼女に「おすすめのポーズを教えてください」とたずねてみた。すると
「……ピース」
との返事が。「え?ピースですか!スタンダードなやつですね!」…というわけで、普通にピースサインで写真に収まった…。
「どのアイドルさんが好きなんですか?」
「ゆるめるモ!が好きなんですけど、ブクガも好きで、ちょくちょくライブ観てました…。」
「今日のライブ、周りの音が…」
「あれは過酷でしたね。ステージの前だとそんなに気にはならなかったですけど…」
という話をしていたが、ゆいまーるは声が低く、テンションが低かった。その前に参加したsora tob sakanaのメンバーのテンションの高さとの落差たるや…。そしてテンション低いままに、別れ際に「いえーい!」と話す姿が、なんか良かった。なんか良かったのだ、歌詞の暗いブクガっぽくて…。
(つづく)