9/19 ゆるめるモ!ワンマン in 長野 回想記 | アイドルKSDDへの道(仮)

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心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

7月10日の新木場スタジオコーストでのワンマンライブをもって6人から4人になった ゆるめるモ!は、休むことなく4人体制で、全国12箇所を巡るツアー「ゆるめるモ!WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR」を始めた。東京を中心に活動しているモ!にとって、地方ツアーは貴重な機会であり、僕もぜひ行きたいと思っていた。全てのツアーに参加できるほどの時間と財力と情熱を併せ持ったオタクの方々もいるのだが、僕はそこまではいけないので、隣県の長野で催されるライブに行くことに決めたのだった。

隣県とは言えど、自宅から長野市までは車で3時間かかる、そこそこの遠距離なのである。ライブは19日の16:30スタート。せっかくなので、翌日の20日は休暇を取って、1泊2日で観光を兼ねて行くことにした。

善光寺とその周辺をウロウロした後に、大きな商業ビルの最上階にエスカレーターで登ると、今回の会場である長野CLUB JUNK BOXがあった。

クラブジャンクボックス

開演30分前、すでに入場が始まっていたが、入り口の前にはたくさんの中学生、高校生とらしい女の子がたくさんいた。今回のツアーでは学生割引チケットが発行されていて、高校生は1000円引き、中学生は何と無料なのである。採算に目をつぶって?でも、新たなファンを取り込もうとするこの企画を、僕は素晴らしいと思っていた。

会場は400人のキャパで、フロアの真ん中には柵が設けられていた。ツアーに全て回るようなゆるオタガチ勢の皆さんは前方中央に固まり、その後ろの柵の前に、たくさんの女の子が集まっている。メンバーのあのちゃんがティーンファッション誌「Zipper」のモデルをやっているので、モ!のファンには十代の女子も多い…ことは知っていたが、これほど多くの女の子をモ!現場でみるのは初めてだった。アイドル現場にオッサンばっかりってのは、うーんちょっと…と常日頃思っている自分にとって、モ!現場はうれしく、心強い。

開演を待っていると、隣にいる女の子2人組が話をしているのが聞こえた。片方は中学生の女の子で、背が低くて、ステージが見えないかも…という話と仕草をしていた。僕は思い余って「すいません、左の端の方から前の方へ行けるかもしれないですよ…」と声をかけたら、2人は礼を言って前の方へ入っていった。これまで僕はゆるめるモ!のオタクの優しい立ち振る舞いに、たびたび感銘を受けていた。そんなオタクの皆さん方に、僕も連なることができただろうか。

定刻から10分ほど過ぎてから、照明が落ち、開演でお馴染みの「ゆるトロ」が流れた、そしてメンバーが登場すると、フロアから歓声と、サイリウム・ペンライトが上がった。それから、初期曲の「ゆるめるモん」「ぺけぺけ」、そして「その他の皆さん」を披露。ポップで可愛らしいナンバーが続いた。

その後、自己紹介。しふぉんはいつも一言で終わってしまうのが、微笑ましい。ここで次の曲「ギザギザフリーダム」のコーラスパートで一緒に歌うように観客を促し、コーラスの練習をした。「フリーダムメロディ、フリーダムメロディ…」これは先月東京で催されたof Montrialとのツーマンライブの際にも試みられていた。モ!のメンバーは、自分たちから積極的に観客を動かそうとしていた。オタクにあおられる側から、オタクをあおる側になった…というのはこれが初めてではないだろうけど、個人的には、そんなモード変換を感じたのだった。

「ギザギザフリーダム」からは、「kawaiiハードコア銀河」「idアイドル」「めんどいしんどいPUNKするか」「サマーボカン」という、新旧織り交ぜたロック曲の連打で、今のモ!を強く感じさせるものとなった。「idアイドル」は毎回ライブで披露されるのに、僕は毎回テンションが上がる…のは「理想と現実にもまれて 夢の中へダイブ!」というあの歌詞と無関係ではないだろう。



MCでは、ツアーグッズとして売られている「NEW WAVE i$ your'll melt more!」と書かれたタオルをしふぉんが「ジャパネットたかた」のマネをして宣伝して笑いを誘ったり、長野ネタということで、あのちゃんが長野の「コンビニのサラダが美味しかった」(!??)という話をしたりして、ほのぼのとしたユルさを味わえた。

続く曲「SUN SUN SUN」でも、メンバー達はサビにおけるコーラスを歌うよう皆に促していた。最新ミニアルバムからのこの曲は、他にもコール&レスポンスが組み込まれていたりして、観客参加型の楽しい曲なのである。「私と私と私と私と私と私と私と私と」というレアナンバーをはさみつつ、代表曲にしてモ!のテーマ曲である「逃げろ」が。前方のガチなオタクの皆さん方はリフトを連発していてて、毎度のことながら微笑ましい。

「逃げろ」を聴くと、僕はどうしても落ちサビで歌う(卒業メンバーである)もねちゃんを想い出してしまう。それに対する残念な気持ちが全く無いといえば嘘になるが、僕はもねちゃんの代わりに、しふぉんがそれをしっかりと歌いあげるのを見た。この曲が自分にとって大切な曲であり、今の ゆるめるモ!が今の自分にとって大切であることは、疑いようのない真実だった。…僕は声に出さずに、歌をメンバーと一緒に歌っていた。

「ゆるビスタ!」は、新アルバムの中でも特に好きだった曲。僕は今回がツアー初参加なので知らなかったのだが、オタクの皆さん方は、サビで片手を上げながらクルクル回っていた。僕は、この曲の難しい手拍子を叩いた以外は、ひたすら音に合わせて踊っていた。

MCで、ツアーについて、けちょんが話を振られて、「最初のころと比べると、だんだん良くなっていると思う」という旨を、とつとつと語っていた。決してトークが上手いわけではないけれど、その言葉からは、自分の本当の気持ちをファンに伝えようとする誠実さが感じられた。ちなみに今回のライブ、けちょんの甘みと深みのある歌声の表現力に改めて気づかされ、僕は感嘆していた。

さて、その後は、「はみだしパラダイス」「Hamidasumo!」という、はみ出し繋がり!な盛り上げ曲2連発でテンション上がった。そして、ついにモ!最狂のナンバー「Only you」が。途中気がつくと、あのちゃんとしふぉんは客席に降り、フロア中央の柵に登って歌い始めた!

その場にいた多くの女の子達が「きゃー!」と歓声を上げて、あのちゃんに駆け寄った。しふぉんは、「Only you, only you...」と、目の前にいる一人ひとりに指を向けて歌っていた。僕は、至近距離でその2人に対峙していた。や、やばいやばい…これ最高なやつだ!

曲が終わっても、なお2人はステージに戻ろうとしない。あのちゃんの側にいたプロデューサー田家さんが合図を出すと、「私へ」のイントロが鳴り始めた。イントロであのちゃんが歌うのに合わせて、周りの観客は一斉にケチャを繰り広げた。この曲の歌詞がいかに感動的あるかを、僕はよく知っていた。「つらくてかなしい時 心壊れそうな時 私でいてくれてありがとう」…ステージを観ながら、自分の胸の中にこみ上げるものを感じていた。

そして次の曲が、最新ミニアルバムの感動的なクロージングナンバーである「ナイトハイキング」!何てエモいセットリストなんだ!



美しいエレクトロポップなオケに合わせて踊りながら、胸がいっぱいになりそうな気持で、メンバーが歌うのに合わせて、この曲の歌詞を頭の中でなぞっていた。モ!の歌詞は一見かわいらしいけど、弱者への愛があり、確かな希望がある。そのことを、その時の僕は、はっきりと感じていただろう。

メンバーがステージ袖にはけると、すこし間をあけてから、トップオタ界隈とおぼしき方の全力コールを口火に、アンコールの掛け声が始まった。メンバーが再登場すると、「記念写真を撮りたいと思います!」とのこと。ここで、前方にいたガチなゆるオタ勢の皆さんが、「地元の方から、ぜひ前へどうぞ!」と、後方にいた女の子たちを次々と前方へ引き入れていった。ゆるオタの皆さんの、何と素敵なことか。

アンコールの曲は、「manual of 東京 girl 現代史」だった。忘れがたいのは、僕の近くにいた方が、(おそらくご自分の)6歳ぐらい?の子どもを肩車していたことだった。周りのファンの方が、青く光るサイリウムを、その子に渡していた。そして、あのちゃん推しの方が促すと、その子は最後に「あのちゃーーん!」と叫んだ!…ああ、何て美しい現場なんだ…。

9月19日セトリ
(メンバー直筆セットリストのコピー。持っていたゆるオタさんに撮らせていただきました。)

* * *

特典会は、「CD手売り会」から始まり、その後メンバー個別のチェキ会が催された。手売り会の様子や、チェキ会の様子を見ながら、「や、やべえ超カワイイ…!」と、僕は何度も口元を手で隠しながらニヤニヤしていた。完全にキモいオタクですね…。

ぶっちゃけメンバーの中で一番人気なのは あのちゃんなので、長いチェキ列が彼女の前にできた。それに並んでいる3分の2くらいは、10代中心の女の子だった。ティーンエイジャーの女子にとって、あのちゃんがスターであることを、はっきりと確認できた。

僕は、先月のライブで終電のために断念したチェキ会に参加して本懐を遂げなければならないっ!と意気込んで、しふぉんのチェキ列に並んだ。自分の番になると、しふぉんちゃんは僕を見て「やまなしん!」と。

(!!?!!!!)「…わ、分かるんですか…?」

「すごいでしょ!」

「…すごいっすね…」

「もう認知したから!」

何ということだろう。ライブは何回も足を運んでいるけれど、チェキはまだ3回目である。しかし彼女は僕のことを完全に認知したのである。その記憶力、そしておそらくはファンを覚えようとしているその努力…に、ただただ驚き、感動していた。

「地方のツアーは今回が初めてなんですよ」
「どうだった?いつもと違うところもあるでしょ」
「ああ…only you からのラストの流れはエモまりましたね…」

なんて話をしていた。久しぶりにこうして話ができたことは、とてもうれしかった。待ちに待った、約2ヶ月半ぶりの接触だから…

なので、モ!現場ではじめて、2回目のチェキ会に臨んだ。ようなぴちゃんとは、今年1月末に多摩川ボートレースでのイベント以来。あれが、僕にとって初めてのモ!メンバーとの2ショットチェキ会だった。

今回なぴちゃんは猫耳を頭につけていたので、「猫っぽい感じでお願いします」とリクエストして、にゃんにゃんポーズで写真に収まった…。なぴちゃんはいつもハキハキしていて気持ちがいい。山梨から来たこと等をお話しながら、チェキにいっぱい書き込んでもらった。「次はアットジャムで!」と言って、別れた。そう、次の現場は、幕張目メッセで催される@JAM2日目、9月25日、と決めていたのである。

* * *

会場を出たあと、近くにある居酒屋さんに入って、食事と地酒を楽しむことにした。店員のお兄さんが話かけてきたので、ゆるめるモ!というアイドルのライブを観るために来たことなどを話すと、もう一人の店員の兄ちゃんが、でんぱ組.incとバンドじゃないもん!を知っているとのことなので…会場でもらったモ!のチラシを渡して、「この子たちですよ、ぜひチェックしてみてください。」と話した。

ツアーチラシ

思わず宣伝をしてしまった。これで僕も、オタクとしてのミッションを果たした…と思った。もっとたくさんの人に、ゆるめるモ!を知ってもらいたいからね!

長野遠征は、素晴らしい体験になった。モ!のツアーは、水戸公演と、恵比寿リキッドルームでのファイナルが残されていた。リキッドでのライブは、仕事の都合で遅れるかもしれない…が、それでも駆けつける覚悟でいる。2人の卒業を経て始まったメンバー4人の戦いを、僕はこれからも見届けるつもりでいる。

(おしまい)