映画『ロストケア』公開前夜祭に、松山ケンイチ、長澤まさみ他キャスト&前田哲監督が登壇! | C2[シーツー]BLOG

C2[シーツー]BLOG

川本 朗(カワモト アキラ)▶名古屋発、シネマ・クロス・メディア
C2[シーツー]の編集・発行人。 毎月30本アベレージで、
年間300本以上を鑑賞。“シネマ・コネクション”を
キーワードに、映画をナビゲート!
▶シーツーWEB版  www.riverbook.com

 

 

 日本では、65歳以上の高齢者が人口の3割近くを占め、介護を巡る事件は後を絶たない。この問題に鋭く切り込んだ葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、『そして、バトンは渡された』の前田哲監督が映画化。

 

 

 介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯・斯波宗典に松山ケンイチ。その彼を裁こうとする検事・大友秀美に長澤まさみ。社会に絶望し、自らの信念に従って犯行を重ねる斯波と、法の名のもとに斯波を追い詰める大友の、互いの正義をかけた緊迫のバトルが繰り広げられる。

 

 

 他に鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、藤田弓子、柄本明といった実力派俳優が出演。現代社会に、家族のあり方と人の尊厳の意味を問いかける、衝撃の感動作だ!

 

 

 今回、映画『ロストケア』公開に先立ち、3月23日(木)に、東京都内で前夜祭舞台挨拶が行われ、松山ケンイチ、長澤まさみ、坂井真紀、鈴鹿央士、戸田菜穂、加藤菜津、柄本明、前田哲監督が登壇!

 

REPORT

 

 

 公開を翌日に控えた映画『ロストケア』に出演する、松山ケンイチをはじめ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、加藤菜 津、柄本明と超豪華キャスト陣、そして本作のメガフォンを取った前田哲監督が拍手喝采のなか登壇し、赤と白のリボンのキャノン 砲の演出もあり盛大に舞台挨拶がスタートした。

 

 

 主演の松山と前田監督が原作「ロスト・ケア」と出会ってから10年近く温めてきた本作。ついに初日をまじかに控えた感想を「やっと皆さまに届けられると思うと本当に嬉しいです。たくさんの人に見ていただきたいテーマでもありますし、今日は楽しんでいっていただければと思います」と松山、「ちょうど撮影していたのが去年の今頃だったので、あっという間に映画になって皆さんに届けることができて、この作品を味わってもらえたら」と長澤も喜びを語った。

 

 

 鈴鹿は「オーディションの時に泣いてしまって、色んな思いがこみあげて来て本当にたくさんの人に伝わってほしい作品です。この日を迎えられて幸せです」と話すと、司会の笠井が先に登壇していた鈴鹿が他キャストを舞台上で待ちエスコートしたことに触れ、 松山からのアドバイスだったことを鈴鹿が明かすと、松山は「伝説は自分で言ってつくるもんだから」と掛け合いを見せ和やかな 雰囲気に。

 

 

 坂井が「私は認知症の母を抱える女性の役。台本を読んで多くの方に届けたいなと思った作品です」と話すと、戸田は「私も認知症の父を抱えながら子育てにいっぱいいっぱいな女性を演じました。この映画は見てくださった方がとても重い鉛を飲んだような気持ちになれる映画。どうぞ大きな波紋を起こしてほしい」と作品への思いを語った。前田監督は「スタッフとキャストで映画を生み出すことは出来るんですけど、育てていただくのは観客の皆さんだと思ってるので、これからどう育っていくのか、是非よろしくお願いします。」と呼びかけた。

 

 

 撮影中の思い出を聞かれた坂井は「ケンイチ君とまさみちゃんと現場でご一緒するのが20年ぶりぐらいで、役への取り組み方が変わらなくて」と話すと、長澤は「多分20年は経ってないんですけど(笑) 久々に共演させていただくとワクワクするんですよね。 真紀さんは現場にいると最近の頑張りもいつも褒めてくださって力をくれる先輩で」と長年の信頼関係を明かした。加藤はお葬式の静かなシーンでお腹がなってしまったハプニングがあったようで、「休憩中に松山さんがどら焼きをくださってうれしかったです」 と明かし、それに対し松山は「なんか音がしたのでとりあえず持っていこうかなって(笑)」と笑いを誘った。鈴鹿と長澤は緊張感があった撮影現場の合間に健康トークをしていたそうで、長澤は「お互いに最近いいものありました?みたいな感じで話して、鈴鹿くんとは結構会話が合うんですよね」と盛り上がっていたそう。

 

 

 そして戸田は「孤独な女の人の役なので集中していたのですが、モニターの前ではなくカメラにいる監督の『用意、スタート』の言い方が印象に残っています」と現場の様子を明かした。理由を問われた前田監督は「モニターのない時代からやっているのと、やはりお芝居を生で見たい思いがあります。『用意、スタート』の言い方についてはどういうシーンを求めているかわかってほしいという思いでやっています」と説明。すると松山も「(シーンによって)だいぶ違います。あまりにもバリエーションがあるので、本番が始まってから、どういう意味か考えたりもしてしまう。でもそれってどうなの?(笑)」と笑わせる場面も。また、長澤がカメラ横にいる監督とつい目が合ってしまうというエピソードに触れ「何度か見ないでくださいって言ってしまいました」と明かすと、「長澤さんじゃなくて大友を見ていたんです!」と弁明するような一幕もあり、会場は笑いに包まれた。

 

 

 更に、自然と松山と長澤は撮影中あまり話さないようにしていた事に対して、長澤は「お互い立場が違ったので、そういった空気感を壊さないようにしようといつの間にか当たり前のようにそうなっていたので、それが上手くいった」と話した。 松山は撮影中の思い出を聞かれると、劇中で父親役を演じた柄本とのシーンが忘れられないと話した。すると柄本は「あんまり覚 えてないんですよ(笑) どんどん忘れちゃうんですよ」と話しながらも、「長男も次男も松ケンファンでね、僕も松ケンファンなんで すよ」と柄本家全員で松山を応援しているようで、それを聞いた松山は「今回の作品では(柄本)佑くんとしてやらせていただきました」と本当の親子のような感覚で共演シーンを撮影していたとふり返った。

 

 最後に作品に参加した感想を問われた坂井は「ショッキングなストーリーだけど決して他人事ではない」とコメント。加藤は「ひとくくりにしてしまいがちな介護にもいろんな形がある。それを考えさせてくれる作品でした」と明かした。まだ作品を見ていないという柄本は「この後、はじまったら劇場でお客さんと見ます。自分自身に近い話で一言では言えない作品ですね」と締めくくった。

 

 

『ロストケア』

2023年3月24日(金)よりミッドランドスクエアシネマほかROADSHOW

公式サイト

 

 

STORY

ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士・斯波宗典が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった。検事の大友秀美は、斯波が働く介護センターで老人の死亡率が異様に高いことを突き止める。取調室で斯波は多くの老人の命を奪ったことを認めるが、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」であると主張。大友は事件の真相に迫る中で、心を激しく揺さぶられる。

 

DATA

●監督:前田哲

●原作:葉真中顕 「ロスト・ケア」(光文社文庫刊)

●出演:松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、峯村リエ、加藤菜津、やす(ずん)、岩谷健司、井上肇、綾戸智恵、梶原善、藤田弓子、柄本明

●配給:東京テアトル、日活

 

森山直太朗 リリース情報

映画『ロストケア』主題歌

森山直太朗 配信シングル「さもありなん」(ユニバーサルミュージック)

2023年3月 1 日(水)リリース

https://lnk.to/samoari

 

(C)2023「ロストケア」製作委員会