「映画の力」EPISODE:『いまを生きる』 | C2[シーツー]BLOG

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川本 朗(カワモト アキラ)▶名古屋発、シネマ・クロス・メディア
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「映画の力」EPISODE:『いまを生きる』
東京都・ismさん・性・49歳・ディレクター

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 この世に生まれて49年。そして東京に住んで約30年。これまで数多くの映画を映画館で鑑賞して来たが、思い出深い映画となると、18年過ごした名古屋で見た映画が心に残っている。18年と言っても、物心をついた頃や幼少期を除けば実質は7~8年。たったそれだけの期間なのに49年の礎が築かれた…。

 当時、名古屋の人は県外、特に東京や大阪には出ないことが一般的だった。進学、就職、結婚、全てが賄えるし、よそ者を嫌う排他主義的な傾向もあったからだろう。思春期の少年に取ってそれは息苦しく、自由を求めて東京に旅立つことを決めた。当然周囲には猛反対する者もいたし、家族、先生、親せき、友人たちは東京行きに懐疑的だった。名古屋を離れると決めた時、そこには希望しかなかった。しかし旅立ちの日が近づくと次第に不安がどこからともなく湧き出て来て、いつしか希望を呑み込む勢いとなった。

 悶々とした日々を過ごした旅立ちの数日前…以前から気になっていた映画をシネプラザ1(旧中日シネラマ)に見に行った。他館を圧倒する大きさ、850席を誇る客席数、湾曲した巨大スクリーン…そんな空間で過ごした約2時間後、映画に触発・感化され、気持ちは大きな変化を遂げていた。心に淀んでいた不安は消え、希望が燦々と輝き、明日への勇気が湧いていた。『Seize the Day!!(いまを生きろ)』思わず心で叫んだこの言葉は、1989年製作ピーター・ウィアー監督作品『いまを生きる』で主人公が叫んだ言葉。この言葉を胸に少年は東京へと旅立ち、以来30年…身体だけ立派な中年になり、死なない程度に底辺で頑張っている!

 絵空事に感化されたっていい!生きることを諦めなければ、どんな困難にも挑むことが出来る。「いまを生きる」それが私たちに出来る最大の防御であり武器であると信じてやまない。

 

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『いまを生きる』
●1989年製作/アメリカ●監督:ピーター・ウィアー●出演:ロビン・ウィリアムズ、ロバート・ショーン・レナード、イーサン・ホーク、ジョシュ・チャールズ、ゲイル・ハンセン

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