その２０ ちゃんと笑うために ちゃんと泣く

●最高の仕事をする１００の知恵●

その２０　ちゃんと笑うために　ちゃんと泣く
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小さい息子たちにはちゃんと「ありがとう」と「ごめんなさい」だけは言える子になってほしいと思っていました。


ある日「ママ怒ってるんだよ？なんていうの」って怒ったら

「ママ　愛してるよ」という返事。


「・・・・ソレ、誰に教わった？」


「じいじ」




「じい！子どもに余計なこと教えないでよ！」

「子どもは　思い通りになんか育つか　ばかめ！」


こんなのが繰り返し。

私が結婚を決めたのは　お義父さんとお義母さんを見て
「ここの家の子になりたいなあ」って思ったから。

お義父さんは口数は少ないけれど　とってもおもしろくてやさしい人でした。


旦那さまの両親と祖父母と４世代８人の大家族。
社宅で育った私はこの　わちゃわちゃした生活が　けっこう気に入っていたけど。


結婚して４年目。
お義父さんが会社の健康診断の再検査で末期がんが見つかって。

そのままあっけなく亡くなって。



息子が先に亡くなるなんてと泣きくらす大じじと大ばば。
夫を亡くした姑さまと　父親を亡くした旦那さま。

お通夜も　お葬式も　誰ひとりとして　まともに動けなくて、ほとんど私一人で取り仕切って　走り回って。

涙が出ることはあったけど　実の親じゃないし　一緒に暮らしてまだ４年。
だから動けるのかな。肉親がなくなると　私もこうなるのかな。


そうやって　ちょっと一歩引いてみていたけれど。

なんだかとっても眠い日が続いて。
会社に行くギリギリまで寝てて。

でも、会社に行くと気がまぎれるし、家にいると泣いている人ばかりで凹む。

だから　会社にはきちんと行くんだけど。

帰ってきてからも　もうお風呂よりも寝たい。
お昼休みも　ランチを軽く済ませたら　お昼寝して。

気が付いたら　私　もう三日くらいお風呂入ってないなあ。
あれ？歯は磨いたっけ？
今日も　スッピンでいいや

食事も食パンを袋から出してモソモソかじって野菜ジュースくらいになっていた。

急に体重が落ちて　とにかく眠い、眠い、眠い。


あなたまで死んじゃうよって　お姑さまに大泣きされて　

知り合いのお坊さんに　このままでは心が死んでしまうぞと渡されたのが
当時すんごく流行っていた「タイタニック」のＤＶＤ。

泣けるって評判らしかったけど　いや、泣けなかったんだけど。
（浮気の証拠隠滅に　愛人を海に沈める話にしか見えなかった）

泣く・・よりも　笑ってもないし　怒ってないなあ。

そうかあ。本当に　心が死にかかっているのかもなあ。



いろいろ　映画のＤＶＤを見ました。家の畳でゴロゴロしながら。

名作や　ヒューマン系も。ドラマも　けっこう見たなあ。

元気になれるような　「ビタミンムービー」はいらないって言われてました。

逆に　泣きどおしの　とんでもない後味の悪いものは勧められて、意味が分からんなあと思ってたけど。


泣くとゆるむんだなって　わかるようになってきて。


イライラピリピリのやつあたりじゃなくて　きちんと怒るようになって。

そして笑うようになって。

ふつうに　起きていろいろやれるようになりました。


ここまで　ひどくなったことはないけれど　ちょっと心がパサついているとき

ふと気が付くと「そういえば　最近泣いてないなあ」って気が付くことがある。


なんだか　人にやさしくできないとき　焦ってばかりだとか　空回りしているときって　何かを我慢している。


涙は　心を潤す水なのかも。


もう　バスタオル用意するような　すんごいの用意して　ちゃんと泣く時間を作ってあげるのもいい。

大人になると　いろいろ責任や　立場っていうものができる。

それが鎧のように重なってしまったり　その重みで支えられることもあるけれど
つぶれそうになる時もある。

だから、たまには　素の部分をむき出しにしてあげることも必要かも。
ちゃんと、自分でいるためにね。


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