【しあわせがいっぱい】

● しあわせがいっぱい

昔　レポーターの東海林のり子さんが

「アパートに行っても　マンションに行っても事件現場の家はすぐにわかる。そういう家は　ベランダとか玄関が　むちゃくちゃだから。」って言っていたのを思い出します。

関東の田舎に住んでいます。

田舎暮らしは　相互管理社会と揶揄される文化です。

そういうところでは、田舎暮らしでは　ベランダや玄関が散らかりようがないのかもしれません。

今朝も朝の６時から「〇〇さん家　草だらけだよ。仲人なんだから見てやりなよ」と親戚から電話が来ました。

昨年　私たちが仲人をした若い夫婦の家の庭の管理が　なってないらしい・・・・。

とりあえず、出勤のついでに夫が立ち寄ることになりました。

そういえば、そこの夫婦は　この間「このところ　近所から野菜をもらえなくなった」と言っていたなあ。

たぶん、もらった野菜を腐らせるかなんかして　生ごみとして捨てたところを　誰かの目に留まったんでしょうな。

せっかくあげたものを　生ごみで捨てられたら　そりゃ気分が悪いでしょうよ。

苦労して作ったものを　いただいたら　食べつくす。どうしてもできなかったのなら　新聞紙で何重にも包んでこっそり捨てるのが礼儀だよ。

こういうお小言も言うし　私たちも言われる。フォローで「すいません、いかんせん若い夫婦ですし　私からもよく言っておきますので・・・」みたいな頭も下げることも　私たちのせいで　誰かに頭を下げてもらうことも。

私が結婚した時に　近所ですれ違った人に「あなた　どこに勤めているの」と訊かれたので答えたら　

翌日には町内中に知れ渡っていたのには驚きました。

ここはKGBかCIAかってほどの情報網が引かれていたりするんですわ。

休みの日にゴロゴロしていたら　回覧板を届けに来た隣人に「何時まで寝てるの！」といきなり怒られて　以来　365日いつもどおり起きる癖がつきました。

人の出入りが多い家なので　家の中でも基本敬語です。旦那にタメ口きいていると　それを見た親戚に「いくら家族でも　亭主に対してどういうつもりか」とお小言をもらいます。

息子たちも　近所の小うるさい　おじちゃんおばちゃんに　いっぱい怒られて　褒められて育ちました。

こういうのがめんどくさいっていうのもよくわかります。実際に　すんごくめんどくさい。プライバシーなんてあって無いようなものだし。

でも、セイフティーネットとして機能しているのも確かです。

大姑さまは９人兄弟の末子で口減らしのために　身売り同然で旅館で住み込みで働いていたのを　身受けされた。

姑さまは　暴力をふるい働かない夫のせいで　子供をつれてスナックで働いていたところを　舅さんが知人の弁護士使って助けてもらって　そのまま結婚した。

訳ありなんだか　身寄りがなく流れついた親子に　家を与え　お寺の管理の仕事を任せたこともあって。

息子は大きくなって住職として町を守ってくれています。

みんなでお金を出し合って　金銭的に恵まれない子を大学に行かせる　いわゆる「書生」さんも　けっこう最近までいたらしいし、

議員さんも市議会、県議会、国会にも何人も輩出したりもする。

東日本大震災でも　東北で孤児になった子供のほとんどは親戚や近所の人に引き取られたそうです。田舎には　そういう文化がある。

ただし、誰でも助けるわけじゃない。小さな信用を重ねて「たまたま今は苦境でも　助けさえあれば　どうにかできる状態にある」「助けるに値する」「劣悪な苦境がむしろ似合わない人」だけ。

そりゃあ　そうだ。

大姑さまも姑さまも「一生懸命よく働き　よく笑う人だったから」連れてきて嫁にしたんだと言われていて、実際に　結婚してからも　本当によく働き、よく笑っていた。そういう人だったから　すくい上げられたんだと思います。

相互監視社会は　悪い意味だけじゃなくて　

「ちゃんとやっていれば　ちゃんと見ていてくれる人がいる」っていうことでもあるんでしょうね。

また「昨日　帰りが遅かったねえ。体だけはをつけてがんばりなさいよ」と　

２軒先のババ様に声をかけてもらったりするんだ(*´ω｀*)　

フリーになって　自分のペースで仕事ができるようになると  ついついサボりがち。

そうならないのはこの人たちのおかげでもあるんでしょうねえ。

いっぱい紹介してもらって　軌道に乗るのも　そんなに時間もかからなかったしなあ。

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