ただ 人間がいただけのこと。

いつだったかな。
コーチングを学ぶ中で　マザーテレサを痛烈に批判している人たちがいることに気が付いたのは。

世界最強のコーチ、アンソニー・ロビンズが公式に「私はマザーテレサをコーチングしていた」と公言するようになってからは、

「亡くなった時に彼女が所有していたのは　使い込んだバケツ１つと、粗末なサリーだけだった」はずのマザーが
なぜ　30分の電話コーチング12回で１億円といわれるアンソニー・ロビンズのセッションを継続的に受けることができていたのか。
（まあ会計上経費で落としていただけの話なのだと思うけど）

世界中から莫大な寄付金が集まっているのにもかかわらず　なぜあんなにも施設は劣悪で貧相な設備しか備えていないのか
（彼女が運営していたのは病院じゃないしねえ。あくまでも看取りの宗教施設だもの）

マザー･テレサの｢黒い噂｣を追う男の言い分 | The New York Times

”世界のVIPに人身売買を行っていた”みたいな陰謀論めいたものも多いけれど
「あの女は聖人なんかじゃない　ただのペテン師なんだぞ。みんな、だまされるな！寄付を止めろ！！」と、
生涯をかけてまで暴き続けているアンチさんが意外といて　ちょっと驚いたりもしました。　

確かな裏付けや検証がなされている一番有名な暴露本はこちらですな。

The Missionary Position: Mother Teresa in Theory and Practice (English Edition)

何が言いたいのかというと　

そりゃあ、人間だもの。
何歳になっても　何を成し遂げても　
未熟で、不安で、ズルもインチキだってしちゃうし　愛されたい。
悪人でなくても　誰だって魔がさすことだってある。
できないことばかりで　間違いだらけ、失敗ばかりのちっぽけな存在なんだもの。


ただ彼女は人間だったということなんだよね。



アンチさんの気持ちもわからんわけでもない。

だって、私だって　
やっぱり正しくて立派な人だから　いろんなことがうまくいくのだと信じたいし
ズルい人、迷惑かける人、自分勝手な人は　いつかバチが当たればいいと思っている。

そういう詐欺師まがいの人が　たくさんの人から尊敬されて、有名になって、お金持ちになって
のうのうと生きているのって　やっぱり間違っていると思うし　ぜひ罰を与えてほしい。
『正直者がバカを見る』なんて　あってはならないと思ったりもする

そういう目を　他人にも　自分にも向けてしまうこともあるし
そうやって　お互いを見張り合っていることが　どうしようもなく窮屈になることもある。
どうにもならない事情があるときもあるし　ウソをつかなくてはいけないときもあるから。
だから　赦せないけど　赦せないことを赦す人間でいたいなあ。


どうすればいいのかって途方に暮れるときは
宮沢賢治の「雨にもマケズ」を眺めたりします。


日照りのときは涙を流し
 
寒さの夏はおろおろ歩き
 
皆にデクノボーと呼ばれ
 
ほめられもせず　苦にもされず
 
そういうものに　私はなりたい




 

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