キレイの魔法 | 夢が実現するしくみがわかれば、私たちはもっと自由になる  君塚由佳

夢が実現するしくみがわかれば、私たちはもっと自由になる  君塚由佳

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縁あって ディレクターとして参画していたモデル事務所のマナーの先生が大好きでした。

70歳近い年配の方でしたが、いつもキレイな赤いネイルをしているひと。


そのころ事務所はとにかく来客も 出入りしている業者も多く、

ミーティングもホントに多くて

お客様が帰ったとのコーヒーカップを片づける間もなく次の来客があり
「後で片付けるから!!」と流しにカップを置いたまま

そのまま昼食も食べる暇もなく

ディスカッションしたことをまとめた資料をすぐ作ったり、各所に手配をしたりバタバタして 気がついたら夜までそのまま。



私だけでなく スタッフ誰もがそんなんだから

机の上も 中も ぐちゃぐちゃ。
共用のミーティングテーブルにまで
読まなくちゃいけないけれど読みかけの本やら 
決済待ちの書類が溢れだし
今日も流しにはカピカピに乾いて固まった洗い物が山積み。




誰か手が空いた人がやろう、と言ってても 誰も手なんか空かない!
手が足りなくて困っているくらいなのに!!



「みっともないでしょ!」
「皆さん、はしたないですよ!」
「散らかるのは、心が散らかっている証拠ですよ」
よく注意を受けました。


そうだよねー・・・・とそのたびに反省し
なんとか怒られない程度には どうにかするようになりました。すぐ元に戻って怒られるんだけど。

私たちは みっともなくて はしたなく、心が散らかりやすい人でした。




オフィスだって仕事場を片づけるだけで精いっぱい。

くたくたに疲れて 家に帰って、

息子たちが脱ぎ散らかしたり
夫が夕飯を作ってはくれるけれど 洗い物が流しにどっちゃりだったり。

洗濯物はなんとか洗って干したけど
たたむ間もなく 干してあるのを取って着る毎日。


夫だって朝6時には家を出ているのに
帰ってきてから休む間もなく食事の支度してくれてるし、

息子たちだって部活やバイトで遅くまで飛び回ってる。

「あーあ」と思っても、疲れて帰ってきて 
散らかり放題の部屋を見て余計にに疲れても 怒る気にもなれない。


お互い様だよねえ、共働きだしねー・・・と
気力がもつところまでは手を出して、
休みの日にちゃんと片付けよう・・と力尽きる。

でも休みの日は疲れた体を休めるのに寝て終わる。けっきょくそんな毎日。



やっぱり私は 家でも
みっともなくて はしたなく、心が散らかりやすい人でした。



それが 新しいマナーの先生が来て、様子は一変。

マナーの先生は ご自宅の庭や 出社する途中で見かけたかわいい花を小さな空きビンに毎日飾ってくれる人でした。

「キレイなあなた方には、キレイな環境がふさわしいのよ」


そう何度も言ってくれて、誰のことも注意せず苦言も口にせず

一人で黙々とオフィスを片づけてくれました。


とても忙しいはずなのに 自分の仕事を後回しにしてまで。


私たちは いつもみっともなくて はしたなく、心が散らかりやすい人から
いつもキレイな人になりました。
それが普通、普段の私たちになりました。




そして自分たちに ふさわしいものを引き寄せるかのように 
仕事場も片付き、お化粧が変わり、服装も変わり 言葉使いも変わり、猫背が治り、

クッキー1枚食べるのにも テーブルにクロスを敷いて 花を飾り、キャンドルに火を灯すようになりました。

美しくない雑音(他人の無責任な発言やうわさ話、気が散るような自分との会話)が耳に入らなくなり、仕事に集中できるようにもなりました。


家でも そうするようになりました。
だって、私たちはキレイなんだもの。




たった1人のマナーのおばあちゃん先生が スタッフ全員のセルフイメージ、習慣、考え方、未完了を完了させ、基準を引き上げ、妥協を止めました。

・・・そんなものを あっという間に たった1人で全部変えました。
すごいなあ。



その年、皆でグランプリを獲りました。
だって、私たちにはそれがふさわしいんだもの。



マナーの先生が スタッフ全員にかけた キレイの魔法。


素晴らしい仕事を 目の前で見せていただいた幸運を、私も次の人へと広げていかないとね。