みんなが思いつかないようなところに、解決策がある。 | 幸せよりも『生きやすさ』を求めよう。

幸せよりも『生きやすさ』を求めよう。

仕事を徹底的に楽にして、
幸せよりも、生きやすさを求めよう。

働くとは、傍を楽にすることと言われます。
この傍とは、お客さん、一緒に働いている人、また自分も含みます。

トラックに積んであるコンテナを、別のところに運ぶ作業がありました。
コンテナの数は、2000枚です。
トラックの荷台から台車に降ろして、ある程度の高さまで積みます。
僕はあとから手伝ったので、その高さを数えて、20段だなと思いました。
すると別の人が、「その高さだと、通れない」と言ってきたのです。
そして、途中から17段にするようになりました。

以前も同じことをやっていて、
今回「やけに遠回りするなあ」と思いました。
道路はでこぼこなので、台車で動かくのも一苦労です。
段差も何度もあるので、倒してしまうこともありました。

まず、道路のでこぼこを何とかするために、
木の板を敷きました。
これで、スムーズに台車を動かすことができます。
そして、遠回りするなあと思っていたことを社員さんに
「ここのシャッターって開かないんですか?ここ通った方が楽で速いですよね」と言いました。
シャッターを開けてもらうと、半分以下の時間で運ぶことができるようになりました。
また、外を通らないので、汗だくになることもありませんでした。


効率化して楽にしたい、ということをいつも考えているので、
非効率なことをしていると、イライラしてくるのです。
20分で終わる作業なのに、わざわざ2時間残業することがあります。
その20分の作業を、引継ぎでできるのですが、
別のシフトの人がすると、3倍以上の時間がかかるのです。
作業のやり方が丁寧すぎて、遅いのです。
すべてを同じ丁寧さで、やっているのです。


最近では、数を数えるという作業をできるだけなくすため、
高さを自分の体で覚えるようにしました。
手の長さを定規のするようなことです。
そうすると、自分の肩までの高さは12段、となり、
下から1、2、3、・・・と数える時間が省けます。
1秒と12秒の差です。
たった、と思うかもしれませんが、12倍です。
1時間と12時間の差です。


何も問題ないときは、非効率でも時間通りに終わることができます。
ただ、それに慣れていると、問題が起こったとき、
イライラし、焦り、時間に間に合わないことがあります。
コンビニでは、様々な作業が、そのシフト時間以内に終わるように組み込まれています。
でも、納品数が多かったり、お客さんとのトラブルがあったときは、
すべて終わらせることができません。
結果、残業したり、別のシフトが大変になるのです。

思い通りにいかずに、ミスが多くなると、
イライラする人が多いです。
でも、そのとき冷静にいることが大切です。
イライラすると、一緒に働いている人もイライラしてきます。
その状況でイライラしていたら、それ以上のことが起こったら、
もっとイライラします。
百円落としてイライラしたら、
千円ならどうなるのだろう、という感じです。
部下の些細なミスを怒鳴り散らしていたら、
大きなミスがあったら、ボコボコに殴られるのではと思ってしまいます。


全体のイライラをできるだけ下げられる人が、リーダーです。
そういう人に、人はついていくのだろうと思います。

政治の場面でも、政策の根本は、みんなのイライラをできるだけ下げることです。
「赤信号と青信号の切り替えをもっと早くしてほしい」と言う人はいません。
それにイライラしていないからです。
政策にしてほしいことは、国民がイライラしていることです。
「消費税を上げます」ということも、
「そして、これは無料にし、これは引き下げ、これを還元します」
ということを具体的に言えばいいのです。
(多くの)国民が納得すれば、政策実行は簡単です。
財政が厳しいので、「消費税を上げます」というのは、
「人件費が高いので、人を減らします」「忙しいので、人を増やします」
と発想と同じことなのです。


◆みんなが思いつかないようなところに、解決策がある。