「マラソン自己ベストを更新したい」では「効率良い走り方」に着目して書かせて頂いています。
「効率良い」という中にはランニングフォームによる面もありますが、そもそも、着地した後に「重力を推進力に変換する」こと、あるいはシューズからの「跳ね返りを推進力に替える」など、より速く走るのは「筋力を鍛えるだけはない」ことを書かせて頂きました。
シューズによって特徴が違うこと、以前の薄底シューズは着地した時に、跳ね返りが強くなる範囲が狭かったけど、厚底シューズはこれがひろがっている点を書きました。
今日はVaporflyを取り上げて、もう少し深掘りしたいと思います。
■Vaporflyを履きこなせ!
初めのVaporflyは使える200kmと言われていました。ですから、練習で履くなんてなくて、本番だけしか履けませんでした。
初めて履いたのはVaporfly flyknitでしたが、普通のシューズと同じ履き方で失敗しました。走り方を進化させる必要を感じました。その時に、Vaporflyを上手く履きこなす道が見つかったので、他の種類を履いていません。
そうです、ずっとVaporflyかAlphaflyを履いてきて、現在、レースではVaporfly NEXT%3を中心に履いています。
(new balance RC eliteは履いていますが、レースでは履いていません)
僕がVaporflyを履き続けるのは、自分のランニングフォームに合っているからです。僕自身はVaporflyで高いパフォーマンスを出せる走り方を追求しているから、他のシューズをあれこれ履くことを止めているのもあります。
前日までに書いて来ました、ソールの屈曲点ですが、Vaporflyはこんな具合です。プラスチックプレートと比較すると硬さが随分違いますね〜
(Takumi sen8は複数の棒が並ぶ構造で、カーボンファイバーが入ったプラスチック樹脂を使っています。プラスチックプレートより厚みがあるため、割れたり、ヒビが入りにくいと思います。でも、ランナーさんによっては、課題になるかもしれませんね)
カーボンプレートは硬いため、強い力でないと弾みを得られない点が課題です。
では、どうしたら良いか?となりますよね~
■カーボンプレートは着地の考え方を替えた方が良い?
以前の僕は上下動が少ない方が効率の良い走り方だと思っていました。そして、上下動を減らすには弾まない方が良いだろうと思い、着地した足を後ろに動かす時は「蹴る」ではなく、「送る」という感覚で動かしていましと。
このコンセプトは絶対に間違えている訳ではありません。
が、Vaporflyを履いてみますと、送るような走り方では弾む効果が得られませんでした。
多くの方はVaporflyを履けば速くなると思って履いていらっしゃるかもしれませんが、ここから書くことを覚えないと勿体ないです。
弟子には以前から、何度も話していますが、弟子に蹴る動きの話を伝えると
「何を言ってるか、さっぱり分からん」
と言います。う〜ん、もっと速く走れる話だし、何度も説明してきたのになぁと悩みます😅
Vaporflyは強い蹴りと組合せた時に強い跳ね返りが得られます。
この「蹴り方」がポイントです。
「蹴ると言ったら、後ろに蹴るでしょ!私もつま先部分で蹴ってる」と、弟子は言います。
僕は先に書きましたが、以前は同じように考えていました。それに、後ろに蹴る方が弾まなくて強い推進力を得られると思っていました。
この走り方はつま先に力が入って、蹴った後、膝下が大きく後ろに跳ね上がります。ですから、その後は膝下が前に出やすくなって、膝を痛める方が多くなります。
ここまで書くと、イヤイヤこれが普通の走り方だ!と言う方が多いと思います。でも、この蹴り方は指先に力を入れて、後ろにシュッと送る所でしか、カーボンプレートを踏みませんよね〜
でも、厚底シューズは走り方を切り替えないとより速く走れません!
「踏みつける」ような蹴り方が大切です。
例えば、階段を昇る時は、どのように足を動かすでしょうか?
足を前に出す時は膝上を持ち上げますよね~
この動きなんです。膝下というか指先で蹴る場合、荷重が弱いんです。膝上を持ち上げて、膝を下に下ろしながら蹴ると、腰からの力が蹴る所に荷重が乗ります。
強い力で荷重できるので、跳ね返りが大きくなる訳です。
「そしたら力が上に弾むんじゃないのか?」と弟子は聞いて来ました。
なかなか良い質問ですね
階段を昇る時は身体が立っていますが、前傾姿勢にすることで、蹴る力を前への推進力に替える訳です。
どんな違いがあるのか?