「マラソン自己ベストを更新したい」では、話題を「効率良い走り方」に移しました。

 筋力を鍛えて速く走るだけでなく、ここまでは前傾姿勢にすることで「重力」を活かす、着地した時にシューズの「跳ね返り」を活かすことを書かせて頂きました。

 今日ほ「跳ね返り」について、もう少し書かせて頂きます。



シューズによって、跳ね返りが異なります

 現在の厚底シューズが登場する前は、例えば、ミッドソールの上にプレートがあって、着地すると硬い印象があったと思います。あるいは、トーションバーのような形で、アウトソールの土踏まず部分にプレートを置いていました。

 この後者の例として、adidas Japan boost5を挙げます。こちらは土踏まず部分にプレートがありますから、プレートがなくなる拇指球より少し土踏まず寄りの部分でシューズか曲がりました。

 こんな具合です。

 この曲がる部分が鍵でJapan boost5はフラット着地からフォアフットに向いていました。
 これに対して、プレートのないシューズとして、new balance FUELCELL PROPEL v2を載せます。プレートがない分、曲がり方が緩くなっています。このため、フォアフットやフラット着地のように広い着地でも跳ね返りが得られます。一方でソールは柔らかくて、力を加えると曲がりやすくなつています。このため、バネ力か弱くて跳ね返りが弱くなっています。


 こちらのBrooks Hyperion maxはPROPELに似た曲がり方をしていますが、かなり力を入れないと曲がらないんですね。この2足での違いは跳ね返りの強さです。
 Hyperion maxの方が強い跳ね返りを得られますが、逆に、強い力で蹴る必要が生じます。



 ここまでの3つを比較しますと
Japan boost5 :急に曲がる位置で強い弾みが得られます
FUELCELL PROPEL v2 :曲がる範囲が広くて、弾みが弱い
Hyperion max :曲がる範囲が広くて、弾みが強い
となります。
 従来のシューズはプレートを加えた時に、足裏の特定場所だけで曲がる構造にすることで、強い跳ね返りを生んでいました。でも、Hyperion maxはプレートがないのに、ソールの硬さを持たせて、弾みが大きいです。驚きですね。

 こうした点はこのシューズを合った走り方にするか?それとも、自分に合ったシューズを見つけるか?が大切です。


カーボンプレートのシューズは少し変わります
 NIKE Vaporflyが従来と違うのは、ミッドソールの中にプレートが入れたことで、プレートに硬いカーボン素材を使ったことで、跳ね返りを強くしました。特に、NEXTになってからは、強い跳ね返りが得られる範囲を広げています。
 このカーボンプレートが注目されましたが、実際はプラスチック素材にグラスファイバーを加えたり、梁の構造を入れますと、シューズ特性を最適化できます。でも、ここまでの設計を見てみますと、技術者の方は知識範囲が狭いかもしれませんね。

 例えば、new balance FUELCELL PROPEL v4はプラスチックプレートを使っています。このために、下のように曲がりにくくなっています。上にあるv2と比較して頂くとかなり硬さが違うのが分かると思います。

 Takumi sen8の画像は左右逆ですみませんが、かなり力を入れても、なかなか曲がりません。非常に硬い素材になっています。


 僕はこんな風にシューズの屈曲点を見て、各シューズの特徴を確認しています。
 購入する前に店頭で確かめるのはちょっと申し訳ないので、購入してから行うことをお勧めします。

 次回はVaporflyについて書いて行きます