「マラソン自己ベストを更新したい」では、今週からテーマを替えて、「効率良い走り方」を考えています。そして、書き始めてみますと、何だか違う印象なんです。「身体の真下で着地する」「身体を前に倒していくと前に足が出る」という走り方は「痛みの出ない走り方」に通じるものなんですね。

 もしかすると、「効率が高い」ことが、痛みが出にくく「長く走れる」ことに繋がるように思うんです。


 前回はここに気づいた訳ですが、僕自身は今回の「効率の高い走り方」にこだわって書いていきたいと思います。



ここまでの走り方を整理します。そして、膝の痛みを考えます

 (若いランナーさんは違うかもしれませんが)長い距離をしっかり走るなら、「前傾姿勢を意識したフラットorフォアフット着地」となります。

 しかし、若いランナーさんも足を前に振り出して走るランナーさんの多くが、膝の痛みを抱えているように見えます。


 何故、膝の痛みを生むのでしょうか?

 また、どうすれば良いでしょうか?


 膝の痛みは膝下が前に出ることで生まれますが、膝下を前に出すよりも、膝下を後ろに蹴ることに原因があります。強く蹴った後、前に戻すので、勢いが止められないのです。


 この痛みを減らす、あるいはなくす上で大切なのは走り方てす。膝の曲げ伸ばしを減らすことが大切です。特に膝を前に送る時は膝を前に動かす動作を減らします。

 非常に難しいことを言っていますよね。

 僕は膝が痛むなぁと感じた時はこんな工夫をしています。1つは膝下の動きを抑えます。膝下が後ろに行った反動で前に動くことになりますが、力を加えません。もう1つは早めに膝を伸ばして着地させます。

(僕は友人から僕が足を着地させる際に擦るようになっていると指摘される時があります。これは早めに着地させる点が影響していますね。動かし方を考える必要があります)


 でも、膝下を動かさないと、スピードが上がらないと思われますよね。膝下を使わない代わりに、腰周りの筋肉に頑張ってもらいます。


 膝下の動きか大きな走り方では、膝下と膝上の筋肉が働きますが、股関節の動きを活用した走り方では、膝上と腰周りの筋肉が働きます。走り方をアップデートすることで、膝の痛みをなくすことができる訳です。


(僕の以前に上手く説明できていなかった面があります)

 僕は膝下の筋肉で走る、腰周りの筋肉で走ると表現していましたが、これは正確ではないですね。膝下を動かすの膝下の筋肉だけではありませんよね。膝上の筋肉も動かします。股関節を動かす時にも膝上の筋肉が動きます。


 膝を曲げる動作は膝下の腓腹筋と膝上の大腿二頭筋と半膜様筋が働き、膝を伸ばす動きは大腿四頭筋が働きます。

 同時に、股関節を後ろに動かす時は膝上の大腿二頭筋と半膜様筋、大内転筋、そして、腰周りの大殿筋が働きます。股関節を前に出す時は腰周りの大腰筋や腸骨筋、長内転筋、恥骨筋、膝上の大腿直筋が働きます。

 ここがポイントですが、腰をツイストさせる股関節の外旋や内旋には、大殿筋、中殿筋、小殿筋が働きます。



 先に書きましたが、僕は走る時に、膝下を振らないようにしていますが、時に膝が痛みます。

 何故でしょうか?

 これはふとした気付きがありました。

 股関節周りにコリがありました。普段なら腰周りの筋肉を使うのに、腰周りの動きが悪いため、膝下を動かしてしまうんてすよね。

 僕は膝下の着地を意識するだけでなく、腰周りのコリをほぐすことが大切ということです。


 膝の痛みは走っていて楽しくないですよね。

 走り方を切替えて行くことが大切です。膝の痛みが出やすい走り方から痛みの出ない走り方にアップデートして、自己ベスト更新に繋がると良いですね



 さて。

 「効率良い走り」を実現する上で、初めに「重力」の活用を書きました。これは筋力とは違う話です。同じように、「筋力以外の力」を活用する次の話に移って行きます。


 走る時に、身体を大きく動かす方の走りを見ますと、カッコよいなぁ!と感心します。同時に僕には無理だなぁと感じます。

 僕は身体が硬いので、可動範囲を広げるのが難しいんです。しかも、瞬発系の筋力が付きにくいので、ダイナミックな動きはなかなか難しいです。ですから、できるだけ小さな動きで、しっかりした蹴りを意識しています。

 でも、「効率良い走り」を考える上ではフォームの大きさとは誓うことに注意を払うことをお勧めします。



動きの大きさ

 厚底シューズの登場で、多くの方はレース後半の失速が減っていると思います。僕も同じ感想を持っていて、確かにレース後半までしっかり蹴れると思います。

 何故でしょうか?


 また、その一方で、弾む感覚はあまりないかも、という方もいらっしゃいます。

 一体何が違うのでしょうか?



 これはカーボンプレートのバネ効果による違いです。普通のシューズより弾む感覚を持てる方はバネ効果を感じる方です。その一方で、弾む感覚を持てない方はバネ効果を感じられていない、つまりもうひと工夫すれば、もっと速く走れる方です。


 厚底シューズは荷重を掛けた時に、プレートが曲がり、反動で弾む力を生みます。跳ね返りはクッションだけでも起こりますか、カーボンにより跳ね返る力が大きいことと、跳ね返るタイミングが速い点に特徴があります。

 跳ね返りを感じられない方は2つの理由が考えられます。1つは蹴る力が弱いこと、もう1つは跳ね返りと蹴るタイミングが合わないことが考えられます。


 蹴る力が弱いのは、女性ランナーさんに多いです。体重が軽いと純粋に跳ね返りが弱くなります。勿論、筋肉隆々の女性は多くありませんから、男性と比べると蹴る力が弱くなります。このため、冷静にシューズ選びすることが大切です。

 男性ランナーさんでも、走り方によっては弾む力を充分得られないケースがあります。僕自身、厚底シューズを履き始めた時はソフトな着地を意識して、蹴るのではなく、足を後ろに送るように蹴っていました。こうなりますと、着地でしっかり地面を踏めず、跳ね返りが弱くなります。


 跳ね返りのタイミングはシューズによって、異なります。これが、走る時のピッチと合わないとスピードを上げられません。例えば、Vaporfly flyknitの時までは跳ね返りのタイミングが遅くて、僕はピッチが5%程度低下しました。それでも、同じペースを意識しますから、レース後半は失速しました。


 「厚底シューズ」と一括りて言われますが、シューズによる個性や相性の違いは大きくて、シューズ選びはスゴく悩むなぁと思います。


 次回はこの話をもう少し描いて行きます



(彩湖ウルトラ2021のゴール!初めて彩湖ウルトラでVaporfly NEXT%を履きました。そしてPBを15分短縮しました。履きこなし方が分かった手応えがありました)