「マラソン自己ベストを更新したい」では夏の間の練習について、書かせて頂き、お盆までは3時間走をお勧めしました。

 その後、故障や疲れをしっかり抜くために、ゆっくり走る疲労抜きジョグを練習に取り入れることを提案させてもらいました。

 疲労抜きジョグもスロージョギングの一種ですが、疲労抜きジョグは疲れを抜く効果が高いです。僕が提案するスロージョギングのペースは若干速いため、疲れを抜くより、速く走るための土台作りに重点を置いています。

 そして、スロージョギングは技術が必要なこと、スピードを変えて走ることも技術と書きました。その中で、スピードを上げるだけでなく、スピードを下げる練習も大切と書きました。レースでは後半にペースが落ちることが多いと思いますが、その時にどんな状態か?知っておくことは思う以上に大切です。

 そして、色々なスピードで走ることがフォームがスピードで変化しない走り方に繫がると書きました。更に、レースで起こることを想定した練習が大切なことも書きました。

 今日は「アップダウン走」について、書いていきます。



アップダウンを走ることで得られることがあります

 今年は体調が整わず、なかなか奥武蔵グリーンラインを走れませんでした。まだ、体調が完全ではありませんが、今春になって、初めて奥武蔵グリーンラインを走って来ました。

 勿論、グリーンラインにこだわる必要はありませんが、長い上り坂と長い下り坂が効果的です。


 というのは、本番の大会でも必ず、坂があるからです。上り坂があれば、下り坂があります。ですから、練習でも坂を練習する必要があります。最低でも1kmは必要だと思います。

 長い距離の坂が良いのは、走り方を確認して、身体に覚えさせるには長い距離が必要だからです。


 走る上でのポイントがあります。

 上り坂は斜度がキツいほど、ピッチを上げて、身体を前に倒す方が良いです。倒しますと、着地する場所が身体の後ろに下がり、踵を上げることに繋がります!ピッチを上げると歩幅が狭くなります。着地を後ろに下げること繋がります。

 下り坂は膝下を前に振り出す方が多いですが、膝を痛めるので、お勧めしません。

 スキーやスノボでは後傾するとスピードが上がりますよね。走る時も同じ話です。走る時に後傾しますと、着地が身体の前に離れますよね。これが、膝を伸ばした状態で着地する原因です。

 そこで、後傾せずに身体を地面に対して直角に近くまで前に倒します。着地は膝を曲げた状態で、フラットかフォアフット着地です。感覚としてはつま先たちのように踵を伸ばして走ります。

 こうしますと、足へのダメージが軽くなり、スピードも落とせます。

 特に、膝を伸ばして着地しますと、踵着地になるので、足首と膝を使って、着地の衝撃を吸収できません。これが、膝を痛める理由です。ここが、足首、膝、股関節で着地の衝撃を吸収でき、膝を痛めないのです。ただ、スピードは出ませんから、レースではリスク覚悟で身体を後傾させる場合もあるかもしれません。


 こうした走り方は繰返し練習することが必要ですし、長い距離がほしいですよね。


 また、上り坂と下り坂の切り替えはより学べる点が多いです。身体の倒し方がスピードとどう関係しているか?は色々練習で試すことが大切です。



奥武蔵グリーンラインの持つ特異性

 グリーンラインだけが峠走ではありませんが、グリーンラインは他の峠走とは少し違うように感じます。

 それは急なアップダウンが長い距離続くからです。

 初めからグリーンラインは大変かもしれません。その時はスタートを武蔵横手駅や鎌北湖にせずに、高麗神社にするのがお勧めです。グリーンラインのスタート点まで7km近くあり、途中にアップダウンが待っています。


 ご自宅から近い所で、是非、峠走が行える場所を探して下さいね。


(高麗神社からのコースです。地図内にある武蔵横手駅から五条の滝を通って上がったり、鎌北湖からグリーンラインに向かうのとは違います。)
(この日は顔振峠までの往復で、帰りは諏訪神社を通ったので、標高差の中央部分が左右対称になっていません。高麗神社からですと、後半に3つの大きな坂が待ってる分、厳しくなっています)