「マラソン自己ベストを更新したい」では、暖かい今の季節にしっかり痛みやコリを取り除いてほしいと思って、疲労抜きジョグの効果を紹介して来ました。
初めは疲れを抜く効果、毛細血管が広がることでスピードが上がる効果、そして、リラックスできる効果を書いてきました。
それでも、楽しさを感じられるようになるのはなかなかハードルが高いと思います。
■ゆっくり走ることは面白くない事実
ゆっくり走って面白いと思えるようになるには、いくつかの関門があります。
まず、レースで良い結果が出せることです。当然ながら、何も結果が出ない段階で楽しく走れ!と言われても納得しにくいです。
僕は「再び疲労骨折したくない」思いから、疲労抜きジョグを選択しましたから、やるしかなかったんです。それでも、結果が出るか?は本当に未知でした。
昨秋は弟子ひろりんを説得して、納得させて、ゆっくり走らせることに苦労しました
言われるんですね。「ゆっくり走ると心が整う?」
「ゆっくり走るとイライラする、楽しくない!」
言うことはもっともです。
結果を見るまでは信じられないですよね。
何とか、大阪国際女子マラソンの基準を突破できて、少しはゆっくり走ることが分かったかしら?と思っていましたが、先日は一緒に走る中で、「そんなにゆっくり走れない。どうすれば良いのか?」と言われました。
先日から、小臀筋のコリにしっかり対応できず、痛みを悪化させているのに、走っていたので、痛みがなくなるまで、もっとペースを落とす指示を出しました。
ところが、 「例えば、キロ8までどうやって落とすのか?」と言うのです。
そこで、走って見せました。リズムは変えない。前傾姿勢の角度を変化させることで、スピードコントロールができることを一緒に走って教えました。
そして、「実はゆっくり走ることは技術」と話しました。練習しないとできません。僕はスロージョギングを始めてから10年目ですからね。このスピード調整も難なくこなせますが、取組み始めて1年も経たないので、技術向上には時間が必要だと思います。
ここで、気が付いたでしょうか?
疲労抜きジョグで身体が変わるには半年以上掛かるのに、彼女が大阪国際の基準タイムを突破したのは4ヶ月。つまり、疲労抜きジョグの効果が出てくる前なんです。
疲労抜きジョグを自分のものにするには、まだ時間は掛かりそうですが、成長できる余地があります。そして、前傾角を強めながら、更にある技を加えるとスピードをグッと上げられることも彼女には見せました。
今は本当にツラい筈です。
それでも、未来の可能性を信じて取り組めると嬉しいです。
■ゆっくり走ることも技術です
弟子ひろりんの質問を続けます。
「よくキロ4分30秒で走って下さい」と言われて走る画像がテレビで流れるけど、コーチはできるの?
大胆な質問です😅
答えます!
「できないよ!あんなのウソ。シューズが変わり、走る場所が変わればできないし、風が吹けば変わっちゃう。できる、なんて言うのは間違えてる」「いつも同じ場所を同じシューズで走る人が、普段と同じスピードで走るならできても何かを変えたらできないよ〜」「走る速さの幅が広い人はマッタクできないよ」と伝えます。
じゃあ、ゆっくり走るのが技術なら、「どうやってスピードを変えるのか?」という話になりました。
皆さんはどうやってスピードを上げていますか?
非常に興味深い質問ですよね〜
これはどうやってスピードを落とすか?ということとも繋がりますよね。上げることはできても、下げられないのではダメです。思い切って身体を動かすは連続性もありません。
スピードを連続的に上げ下げするのは完全に技術です。
僕は前傾角を変えてスピードをコントロールします。
前傾角を大きくするとスピードに乗りやすくなるので、身体の動きをダイナミックにします。前傾角を小さくすると、力が上に逃げてしまうので、身体の動きをコンパクトにします。
僕はここに至るのに、様々な取組みをしました。
勿論、動きをダイナミック、コンパクトというのは僕の表現なので、今後はより一般的な表現を見つけていくべきですね。