「マラソン自己ベストを更新したい」では、失敗レースから話を展開して来ました。その中で、レース中の故障を取り上げました。夏の間に故障をしっかり治して、秋には良いコンディションでレースに臨みたいですよね。

 僕自身、疲労骨折から、かなり長い時間を要したことがあるため、治すことにこだわって紹介したいと思っています。


 前回は疲労抜きジョグの持つ魔法の力を序章として紹介しました。

 前日はコリをほぐしたり、疲れを抜けやすくする効果に触れましたが、今日からは魔法とも言える疲労抜きジョグの効果をもう少し深堀りしますね!


 このゆっくり走る効果を活用することは、トライアスロンで使われる最先端の練習方法です。これに対して、マラソンではまだ多くの方がご存知ない実態があります。



毛細血管が広がる効果の持つ力

 年齢が上がると、皆さん、最大心拍数が低下しますよね。最大心拍数が下がるってことは残念ながら、スピードが出ないってことです。とすると、どうやって年齢に抗ったら良いか?と思いますよね。

 毛細血管は第2の心臓とも呼ばれます。心臓から出た血液を身体全体に届ける役割ですから、心臓から出た血液を各細胞に効率良く届けて、疲労物質を素早く取り除くことが良い血管と言えます。

 普通は心臓の心拍数が上がることで、血流が細胞まで届ける酸素を増やす訳です。でも、毛細血管が発達しますと、心拍数が上がらなくても身体の細部まで酸素が届くように変わります。これは車のエンジンに例えるなら、排気量アップです。心拍数は回転数、毛細血管は排気量ですから、エンジン性能ですよね。年齢を重ねてエンジンの回りが悪くなる分を、排気量アップで補うというのが、疲労抜きジョグの効果です。

 毛細血管が発達しますと、スピードを上げた時の心拍数の変化が小さくなります。ハアハア言っても、粘れる点が特徴だと思います。



どうすれば効率的に毛細血管を発達させられるでしょうか?

 疲労抜きジョグはスロージョギングの一種で、より遅いスピードです。正直言いまして、どの位の速さがベストか?は未知です。僕が疲労抜きジョグを始める時は、この効果を知らなかったからです。

 心拍数が高い状態では前日も書きましたが、血流が速くなりすぎます。このため、疲労物質を取り除く回復作業よりも、体内に酸素を届けて、二酸化炭素を回収する運動促進作用が優先されてしまいます。

 血流が少しだけ速くなりますと、疲労物質を回収しやすくなるのと同時に、血管から血液がじんわり出るので、酸素が届きやすくなったり、毛細血管が広がることになるようです。このプロセスはイメージです。個人的な意見で、エビデンスがある話ではありません。


 これは普段の心拍数では起こらない点も、覚えて頂けると嬉しいです。

 普段よりも少しだけ心拍数を高める運動ですから、多少の汗をかく程度です。ハアハア言う訳ではありません。

 あ!っと気づきました。

 糖尿病は毛細血管が減っていく病気です。これは心拍数を上げる機会が少ないことが関連していますよね。確かに、僕の以前の同僚は元Jリーガーで、現役を引退してから糖尿病になりました。スポーツ選手は現役を引退しても、運動を継続していった方が良いのかもしれません。逆に、僕の友人は山歩きや登山で糖尿病の症状がほぼなくなりました。

 これは糖尿病が日常から身体を動かす必要性と関連しているってことですね。



疲労抜きジョグとの上手な付き合い方

 ここまで書いて来ました通り、ゆっくり走ることが大切です。僕は2015年から取組んで来ましたが、初めはスピードを充分に落とせませんでした。段々とゆっくり走れると良いですね。

 僕もそうでしたが、ゆっくり走っていると速く走れなくなるのではないか?と心配になりますよね。


 勿論、速く走っちゃダメではなく、速く走る時と遅く走る走る時があって良いのです。

 僕はもう9年を超えるお付き合いなので、心配は少ないですが、それでも先日の春日部大凧マラソンのようにスピードが足りないと反省します。スピード練習ゼロはダメですね。


 こうしたバランスも本に書かせて頂いていますので、是非お読み下さい。



(僕はパン屋さん巡りを組合せながら、ゆっくり走っています)