3月から「フルマラソンのタイムを伸ばしたい」をリニューアルしました。「マラソン自己ベストを更新したい」を書いています。
 前日は前傾姿勢を強めて、着地位置を身体に近づけるアプローチを紹介しました。
 この中で、着地位置を身体に近づけると、副作用として、ピッチが上がる効果があります。今日はここについて書いて行きます。
 でも、前日は着地を早める点を「感覚」と書いちゃったので、その理由をもう少し詳しく書いて行きます。


一歩あたりの時間はスゴく短いんです
 例えば、3時間7分のランナーさんが、3時間で走るには、約4%のスピードアップが必要です。(これは単純に187分/180分ですね)
 仮に、走る時のピッチが180歩/分とした時、これは1秒に3歩を意味します。この180歩/分は多くのランナーが走る標準的な数値ですが、1歩で考えますと333ms(マイクロ秒→0.333秒)となります。
 ここから4%速くするというのは、1歩の時間の4%にあたる13ms(0.013秒)を削るという意味です。意識的にここ!と決めて一歩の時間を短縮することは思う以上に難しい短い時間です。
 なので、「感覚」で書かせてもらいました。


フォアフットで着地のタイミングを早める意味
 前日は着地のタイミングを早めて着地すると書きました。(あ、前日は着地と書いていましたが、着地のタイミングの方がしっくり来ますね)
 これは非常に短い時間なので、小さな動きで変化します。
 例えば、僕はフォアフットで走りますが、着地後に踵を着ける時と着けない時ではピッチが異なります。同じ3:40/kmで走った時のピッチは、着けた時が205歩/分、着けない時が210歩/分です。この違いは2.4%となります。上に書きました4%の半分になる訳です。
 ピッチは小さなことで変化しちゃうのです。(ここは今日の最後に補足を書きます)

 前回に書きましたように、接地する位置を後ろに下げますと足を動かす幅が減って一歩の時間が短くなります。また、足を接地させるように下ろす時間も短くできます。

 ここでポイントになることが、2つあります。
 1つはストライドが短くならないか?ですよね。もう1つはどうやって、ゴールまで続けるか?だと思います。


■疑問①ストライドは短くならないか?
 これは可能性がゼロではありません。但し、前回までに紹介させて頂きましたが、前傾姿勢を強めることで、蹴った際の上に逃げる力を抑え、推進力に替えられます。これが足を動かす量を減らしたことによるマイナス分を打ち消す要素になります。
 但し、着地位置を身体に近づけますと、上下動が少なくなります。膝の曲げ伸ばしを蹴りに活かす観点では、力が弱まります。ここは背筋や殿筋の動きを借りて、股関節から蹴る道もありますが、時間を要すると思います。


■疑問②どうやってゴールまで続けたら良いでしょうか?
 こちらは週末の3時間走が鍵を握ります。毎週末でなく、月に1回でも充分ですので、重ねて行くことで、高めたピッチを続けられる足が出来上がっていきます。
 ここは何もしなければ、できるようにはなりません。フルマラソンで速くなる上の必須項目です。是非、取組んで下さい!
 勿論、月に1回より、週に1回の方が自信を付けることができます。そして、秋からはスピードを上げた30km走に移して行きましょう!


踵を着けるべきか?踵を上げるべきか?
 2023年シーズンの僕は普段のスロージョギングから踵が浮いていませんでした。単純に意識が低かったと思います。やっぱり意識して上げないとダメですね。
 レースでも早い段階から降りるとピッチが低下しちゃいます。代わりにストライドを広げて頑張りますが、フォームが良くなっていも、このマイナス要素は大きかったです。

 僕が走り始めた頃、普段の練習ではフラット着地のつもりでしたが、レースではフォアフットになっていました。
 当時は踵を持ち上げる意識を持っていなかったので、実際は着地した後に踵を着いていたかもしれません。それでも、練習よりレースで速く走れていた理由の1つはそこにあると思います。また、レース後半はフォアフットが崩れてピッチが低下していました。

 ここはストライド走法の方と大きく異なる部分ですが、如何にピッチを低下させないか、がスゴく重要ですね。


(ホノルルマラソン2023から。中盤で苦しんだ分、最後は気楽にしっかり走れていました。)