「マラソン自己ベストを更新したい」では2023年シーズンの失敗レースを分析しています。前回は所謂「撃沈」を取り上げました。

 今日は前回内容に少し加えさせて下さい。


厚底シューズの効能

 僕は後半の失速が嫌いです。できるだけ最後まで均等ペースを刻みたいと思います。やっぱり、後半に苦しむことが多くて、それでも、多くの方には落込みが少ないと言われる時も多くて、悩むことが多いですね。

 それでも、Vaporflyを履くようになってから、レース運びが随分変わりました。


 よく厚底シューズを履くと、ストライドが広がったという声を聞きますが、ピッチ走法の僕でも効果があります。

 それはVaporfly NEXT%になってから、跳ね返りが速くなったので、履くだけでピッチが高まるからです。また、反発力が強いので、楽にスピードを上げられます。この余裕を使えるので、後半の失速を防ぐことができます。


 その一方で、課題もあります。

 それは姿勢が崩れると失速する点です。特に、前傾姿勢が崩れた時に一気に失速します。これは弾む力が上に逃げてしまうからです。ですから、厚底シューズを履きこなすなら、レース後半まで前傾姿勢を保てることが大切です。

 同時に、もう1つあります。

 身体が立った姿勢では、前に進む推進力が弱まる点です。力が上に向いてしまうので、必要外に上下動が生じます。これを弾むとか、ストライドが広がると思う方もいらっしゃると思いますが、実際はスピードに乗れないです。

 身体が立つというのは、着地が身体より前に離れた位置の方に多いです。つまり、踵着地には向いていません。踵着地でも、速くなったという方も多いと思いますが、フラット着地やフォアフット着地だともっと速くなります。


 ですから、秋に向けて普段のゆるジョグからフォアフット着地に切り替えてみると、秋には大きく違う走りになっているかもしれません。

 また、フォアフット着地と踵着地での違いは別に書こうと思いましたが、今日はここまでに色々書いていますので、着地の違いについて書いて行きます。



身体の姿勢と着地との繋がり

 下の画像は阿部さんから頂いたものですが、(右)ひろりんと(左)僕のフォームは実によく特徴を表しています。
 ここからはこの2つを比較しながら、書いていきます。

 身体に対する着地の位置を(左)(右)で比較しますと、前に出た足の膝下に違いがあります。具体的には(左)はフラットからフォアフットに近く、(右)はフラットから踵着地になっています。

 実際は(右)は膝下だけでなくて、殿部も前に出ていますから、姿勢が立った状態になっています。ここは着地をもう少し身体に近づけますと、着地がフォアフットに変化して、Vaporflyとの相性が良くなります。同時に、前傾姿勢を強めることができるので、推進力を高めることができます。


 整理しますと、足を身体から離して遠くに着地させる走り方は踵着地になりやすく、身体が立つ傾向です。一方、足を身体の近くに着地させる走り方はフラットからフォアフット着地になりやすく、身体が前傾姿勢になりやすい傾向です。



まとめ

 今回は厚底シューズを履くと、後半の失速を防ぎやすいこと、でも、身体が立った状態では力が上に抜けて失速しやすいことを紹介しました。

 そして、厚底シューズの跳ねる力を前に進む推進力に替えるには前傾姿勢が適しており、フラット着地やフォアフット着地と組合せるのが良いことを紹介しました。


 秋に向けては、前回書きました「撃沈」あるいは「厚底シューズの活用」「前傾姿勢」など、どんなことに取り組めば良いか?イメージできたでしょうか?



(ホノルルマラソン2023から。前傾姿勢!と分かりながら、なかなか上手く前傾姿勢を作れない時期が続いていました。以前よりも確実に、前傾姿勢を作れるようになり、今は更に!次回はここを深堀りします)