昨年3月から始めた「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」は夏の時期を除いて、随分長い期間、書かせて頂きました。

 一昨年はスロージョギングについて書かせて頂きましたが、冷静に見て、何故僕がスロージョギングにこだわるのか?足りなかったと反省しています。スロージョギングは手段であって、目的や目標じゃないですよね。

 多くの皆さんが「速く走りたい」「自己ベストを更新したい」と思っていらっしゃる中、「スロージョギングが速く走ることにつながる」部分を説明する点が足りなかったと思います。

 そんな思いを持ちながら、先週から「マラソン自己ベストを更新したい」と題名を替えて、新たな取組みを始めさせて頂きました。

 

 今週は「スロージョギングの持つ効果」について書かせて頂いています。ここまで、「速く走れる効果」「痩せる効果」を中心に書かせて頂きました。前日はスロージョギングが持つ「疲れを知る効果」「力を貯める効果」に触れました。

 今日は「故障と上手く付き合い、治していく効果」について書いていきます。



痛み止めや湿布はお勧めしません

 予想以上に多くのランナーさんが痛み止めを使われる事実を残念に思っています。同じように、例えば、ヒアルロン酸注射を打つことも、そうでなければ走れない状態は是非避けてほしいと思います。

 僕は以前にも書かせて頂きましたが、唯一ロキソニンを飲んで臨んだ湘南国際2014で疲労骨折して、かなり長期間のリハビリ期間を過ごしました。また、心のダメージはもっと深くて、トラウマを乗り越えるのに2年以上掛かりました。


 今の僕は痛み止めを飲むことはありませんが、2022年は思わぬ形で苦労しました。

 年始にアキレス腱を腫らしてしまい、スロージョギングに取り組んでいました。温める?冷やす?と考える中、湿布を貼ったら、痛みが消えて走れました。ですが!実際はロキソニンが含まれていたのです。普段、使うことがないので、知らないんです。

 確か2日、走る時に貼ったら、痛みがないので、翌日は外したら、スゴく痛いんです。そして、痛み止めが入っていたことに気付きました。


 痛み止めを飲む方、湿布をする方とも、それで走らないなら良いのですが、多くの場合、走られると思うのです。走られる時に痛み止めや湿布はお勧めできません。



痛みがある時は休むのがベストか?

 僕はハッキリ言いまして、ベストではないと思います。

 痛みが消えても、走り方の特徴(筋肉の使い方や身体の動かし方)は変わらないからです。


 では、どうすれば良いのか?ですよね。

 積極的に治しに掛かるなら「走りながら治す」のがベストです。

 多くの方はえ?マサカ!痛みがなくなる訳ないでしょと思いますよね。

 ところが、痛みが出ない状態を作れば、長く走っても痛みはでません。勿論、痛みを感じたら、止めて下さいね!

 ポイントは「痛まない」ことです。


 僕はインソールを2枚にしたり、クッション性の高いインソールに取り替えたり、時にはテーピングやサポーターをして走ります。そして、歩幅を狭くして、スピードを落として走ります。


 何故、ゆっくり走るのでしょうか?


 それは2つの理由があります。

 1つは血流を使って、疲労物質を取り除くからです。少しだけ血流を早くしますと、スロージョギング特有の効果が出せるのです。毛細血管が発達していますと、より高い効果で疲労物質を取り除いていきます。

 もう1つは痛みの出ないランニングフォームを身につけられるからです。休まれるランナーさんは多くの方が同じランニングフォームで走り出しますから、時間が経てば、痛みが戻ります。この形ですと、痛みが消えることはないですよね。


 痛みが出ない状態で走っていきますと、まず、そのスピードなら長い距離を走れる自信ができます。次は、サポーター、インソールを外して、痛みがなくなっていることを確認しながら走って下さい。そして、少しずつスピードを上げて行きます。

 スピードがゆっくりなので、痛みが出にくいランニングフォームを考えながら走れるんです。例えば、被座が痛いなら、膝下を前に振り出さずに、着地位置を身体に近づけると痛みが軽くなります。そんな風に取り組めるので、段々と自信が生まれて来ます。


 これはスピードを上げて走ったら、考えて試す余裕が生まれないので、痛みを堪えるだけになってしまうんです。ですので、痛みの出にくいゆっくりスピードがお勧めです。

 スロージョギングを上手く活用して、取り組んで頂けたらと思っています。


 なお、色々な工夫をしても痛みがある場合は走ることをお勧めしません。そうした時は、エアロバイク等で少しだけ心拍数を上げて、疲労物質を取り除くことを優先します。痛みなく、身体を動かせるようになりましたら、痛みの出ない走り方を探って頂けると嬉しい限りです。



(2022年末の写真ですが、僕は駒沢公園をゆるゆる走る時もあります)