今週から「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」をリニューアルさせて頂いて、「マラソン自己ベストを更新したい」として、気持ちも新たに書かせて頂いています。
本当は走るコースについて書くつもりでしたが、昨年同様、僕の書き方が悪くて、遠回りを始めているようです。一昨日、昨日とゆっくり走る意味をより速く走れること、故障を防げることという2つの視点で書かせて頂きました。
コースの話の前に多くの方が感じられる、「走る速さを変える時にフォームはどうするの?」に触れさせて下さい。その後に「1週間の練習の組み方」を書かせて頂いてから、走るコースに進みたいと思います。
今日は走るペースを変えることについて展開します。
■ジョグの位置づけ
ランニングフォームがマッタク変わらないでスピードを変えるのは難しいことです。というのは、走るリズムとストライドでスピードが変わるからです。
でも、走るリズムは変えずに、ストライドを変えることはできそうです。蹴る力を弱めれば良いからです。
勿論、スピードをゆっくりにするにも限界があるのですが、ある範囲であればできそう!というのが正直な処です。
実際、非常に高い次元で実現される方がいらっしゃいます。
これは、先日の東京マラソンでも2時間20分切りを果たしながら、24時間マラソンでも世界選手権に参加されるS宮さんがスゴい例です。彼は3:20/kmペースでフルマラソンを走りながら、6:00/kmを切って24時間を走る訳です(昨年の神宮24時間では5:00/kmを切っていました)。
何故、そんなことができるのか?と思いますよね。
そこには大きな理由があります。
スピードが変わってもフォームが変化しにくいのです。そして、その下限スピードで24時間を走る訳です。
一方で、僕の周りには「ジョグでもキロ5より速い方」や「ジョグは練習じゃない」と話す有名ランナーさんもいます。
これは「スピードが変化した時にフォームは同じじゃダメなの?」となりますよ。
正直言って、同じでも変わっても良いです。
「ジョグでもキロ5より速い」方はレース用フォームから段々とスピードを落としていくと、フォームを保てなくなるのでキロ5より落とせないと話します。「ジョグは練習じゃない」と言う方はフォームが崩れた状態で走っても意味がないと言います。
以前に紹介させてもらったことがありますが、東京国際大の松村コーチとは、スロージョギングについて話したことがあります。彼はスピードを落とした時のフォーム変化を考えていました。そして、東洋大学酒井監督から「フォームが変わったら意味がない」という意見をもらったそうです。
つまり、スピードが変わってもフォームが変わらない、あるいは変化が少なければ、ゆっくりスピードでも練習になるということです。
取り組まれる方のフォームが、スピード対応幅の広いフォームか?狭いフォームか?によるということです。
ただ、年齢が上がった時にどうなるか?と考えますと、疲労の抜けが悪くなるので、速いジョグやジョグをやらない形では故障に悩まされやすいと感じます。「故障しにくいランニングフォーム」「故障しにくい練習方法」を提案していますから、この「スピード対応幅の広いフォーム」をお勧めしたいと思っています。
■スピード対応幅を広げるランニングフォームの効果
ジョグがペース走と同じフォームなら、ジョグがマラソン練習に直結します。
ジョグは練習じゃない!という考え方から解放されます。レースでは重要な要素になります。
59歳のレジェンドKO泉さんはスピード幅を広げるフォームです。キッカケは山梨学院大学のオツオリくんだったと話してくれました。故障中に湯治治療で道後温泉に来ていたそうで、温泉で出会って練習を一緒にするようになったそうです。一緒に走る中で、急なスピード変化に気付けないことがあり、そこでオツオリくんがスピード変化に対応できるフォームだったと気付いて取組むようになったとのこと。
つまり、レースでは走るスピードの対応幅が広いと、周りのランナーが気付かない状態でスピードアップできることが戦術として使えます。
また、レース後半に粘りの走りができます。
これはスピード対応幅が広いからこそできることです。
となると、どんなランニングフォームなのか?と思われると思います。次回はその話を書きたいと思います。
■僕はジョグのフォームがレースのフォームになっていました
今の僕はスピード対応幅の広いフォームですが、走り始めた頃は全力走ばかりでしたら、キロ5より遅いスピードでは走れないランナーでした。
僕は運良く、疲労骨折前に疲労抜きジョグに出会い、練習方法の見直しを決めたことが大きいです。リハビリの中でウオーキングから始めましたから、疲労抜きジョグのペースや走り方を素直に受け入れられました。
そして、気づいたら、ジョグのフォームがレースのフォームになっていました。
と書きますが、ジョグのフォームが後傾すると、レースでも後傾など、同じだからこその悩みも感じて来ました。