2023年の弘前100kmは羽田空港に向かう飛行機で声を掛けられたのが、伯爵ファミリーの書道家先生と言われている、ひろりんでした。
夏に「大阪国際女子マラソンに参加したいので、(参加資格の)3h07mを切りたいです。コーチになって下さい」と頼まれました。
前回は経緯を書きましたが、コーチを引き受けた後に色々な課題を突きつけられました。今日はここから書いて行きます。
■担当させて頂く中で感じた課題と対応
(練習メニューの考え方)
ペースが単調で、走るコースも同じでした。ことため、コリや痛みが1箇所に集中しやすかったです。1つ解決すると次の痛みの話を聞く状態で、痛みの出ない走り方はまだ教えられていません。まず限られた時間で何とか走れるようにサポートした状況でした。
また、ジョグのスピードが速かったため、疲労が抜けていない具合でした。同時に距離走もゼロでしたから、疲労を抜くために普段のジョグスピードを落とし、距離走では全力を出す取組みをしてもらいました。
正直言いまして、担当させて頂いた時はあちこちに爆弾を抱える状態でした。詳しくは次のランニングフォームに書きますが、まずはランニングフォームを見直して、痛みを軽減できる走り方②替えて行きました。
(ランニングフォーム)
これは大工事で、踵着地でストライド方法だったのを、フラット着地でピッチ走法に切り替えてもらいました。え?と思われるかもしれませんが、切替えの原動力はピッチ走法です。普段のジョグスピードが速かった理由もそこにありましたから、ピッチ走法に替えたことで、まず、膝痛を改善しました。そして、脹脛と膝裏のコリがかなり軽減できました。でも、中殿筋周りのコリが出てきたので、ピップエレキバンを活用を伝えました。また、スネが痛み出したので、長趾屈筋のコリをほぐすことを教えました。
なお、冬場になって、以前の転倒で生じた骨挫傷が原因で膝が痛むこともあるので、走り方の修正はこれからです。
これはフォームを見て頂くのが分かりやすいです。コーチとして、初めて一緒に顔を合わせた時に撮った動画をスロー再生しました。着地が身体から離れて、踵から着地していました。
https://youtu.be/UWAxTGALztg こちらはフォームが安定した年始のフォームです。左右が逆で申し訳ありませんが、こちらではフラット着地に変わり、着地位置が身体に近づいています。
前日に書かせて頂きましたが、ピッチを高めることで、上下の違いに繋がりました。
(レーススケジュール)
年間のレース予定を立てていなかったので、目標レースを先に決める形にしました。必要外にレースを入れたがるので、ここは今後も改善が必要です。レースを増やすと、距離走を踏めないからです。
防府と東京を目標に置きましたが、間に大阪国際女子マラソンが入る可能性があるのに、姫路城マラソンを予定に加えたので、DNSを通告しないといけないかもしれません。
(レースの運び方)
レースは時計も見ないで走っている、前半は貯金と思って突っ込むことが多いと話します。それではタイムが出ませんよね。
レースプランの考え方、そして、距離走のペースについて覚えてもらいました。女性ランナーさんは男性に比べて身長が低く、速筋も発達しにくいので、均等ペースが大切です。
コースの勝負処をレース前に下見することもしてきました。基本的に前日や当日朝に確認します。でも、細かく話を聞きましたら、コンタクトレンズを着けた状態で道路がしっかり見えていないというので、目に合ったコンタクトレンズに替えてもらいました。
また、レース前の過ごし方も目茶苦茶でした。適切な時間に適切な量を摂ることで、レースに持つ補給アイテムはゼロでも良いことを覚えてもらいました。
(それ以外の大切なこと)
まず、ロキソニン服用やヒアルロン酸注射は止めてもらいました。選手生命を短くするのに、リスクを伝えずに誰が教えるのでしょうか?他にも、訳のわからない薬を飲んでいたので、止めてもらいました。
次に、大きな目標を持つことの大切さを伝えました。薬を飲んで眼の前のレースを走ることより、未来にどうなっていたいか?を考えることを伝えました。大阪国際女子マラソンは通過点です。サブスリーを意識して取組むことにしました。まず、素晴らしい先輩ランナーの走りを見ることが大切です。何故速く走れるか?を身近に見て学ぶことがスゴく大切です。YG田さんと一緒に走り、色々なことを教えてもらっています。
そして、もう1つ。タイムは天候やコースなど、色々な条件で変化するので、タイムにばかり注目せずに、レースで全力を出すことが大切なことを伝えました。
■今回のまとめ
とにかく、基本がしっかりできていないので、ぶつかることが多かったですが、納得したことはしっかり行ってくれたので、防府読売マラソンでは大阪国際女子マラソンの出場資格を取るに至りました。
マラソンに取組む姿勢も少しずつ変わり始めましたので、ここから未来が切り拓けるかもしれません。