今週の「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」は痛みと戦う方に向けた記事を綴らせて頂いています。

 「痛み止め」「故障からの回復」と書かせて頂きましたが、書いている途中、自分の中に気づいたことがあります。それは、今までスロージョギングについて書いて来ましたが、大切なことを伝え忘れていたんです。


 それは、痛みを抱える方に「痛みの出にくい走り方」を伝えることです。



休んでも痛みは繰り返しますよね

 痛みが出た時に、皆さんはどうされていらっしゃるでしょうか?

 痛みを抱えた状態で病院に行きますと、しばらく休みなさいと言われると思います。お医者さんは患者さんの痛みを取り除くサービス業ですから、更に、湿布を渡されることも多いと思います。

 ところが、休んで走り出すと、また痛みますよね。更にたちが悪いことに湿布は痛み止めが入っていますから、痛みを麻痺されるだけです。結果的に悪化する時も多いのです。また、湿布は冷やすタイプもありますが、関節は冷やしちゃダメなのに、冷やす湿布を渡される時さえあります。

 お医者さんは痛まない状態を作る役割ですから、再び走って痛みが出れば、もう少し休んでみましょうとは言っても、根本的な解決に導いてくれる訳ではありません。


 ここで登場するのが鍼灸院や整体の先生ですが、必ずしも、坐骨神経痛や足底筋膜炎、シンスプリントが起こるプロセスをご存知ありません。走られる先生の処に行かなければ症状さえ、伝わらないかもしれません。

 また、膝の痛む方はさすがにセジュールできません。


 それらはすべてランニングフォームに依存しているからです。



子供の頃に根付く課題

 でも、小学生の頃に体育の授業で走り方を教えてもらった方はいらっしゃらないと思います。例えば、僕などは何故走るのが遅いのか?も分からないまま、最後方を走っていました。

 ところが、40代50代になりますと、「本当は走り方をちゃんと伝えるべきではないか?」と感じる場面が増えます。それは、子供の頃に速く走られていた方ほど、アメリカでも同じですが、多くの方が膝に痛みを抱えてしまうからです。

 実は子供の頃に速く走れる方の多くは踵着地なんです。大人になってもそのまま走られるから膝が痛むことになります。

 僕が子供の頃の走り方は分かりませんが、1度踵着地で走ってみた時に即座に踵画痛くて止まりましたから、僕は子供の頃からフラット着地だったと思います。ですから、徒競走も遅かったんですね。

 そして、踵着地の子供達はより速くために膝下を前に振り出します。若い頃は体重も軽く、関節も詰まっていませんから、振り出せちゃいますが、大人になると痛みにつながります。(それに、筋力も弱いので、膝下が前に出ないように止めることもできないから、前になり振り出しやすいです)


 ですから、小学校では踵着地?フラット着地?のどちらを教えるべきなんでしょう?とさえ思います。(アフリカでは路面が荒れているため、フォアフットの子供が増えるのだと思います)



だから、痛みの出ない走り方が大切なんです

 ここまで書かせて頂きましたが、踵着地と膝の痛みは繫がりがあります。

 また、僕は坐骨神経痛、足底筋膜炎、そしてシンスプリントが起こるメカニズムと改善する方法を紹介していますが、既に、症状の重い方は治すと言ってもなかなか大変かと思います。


 え?と思われるかもしれませんが、「痛みの出ない走り方」はあります。悩ましいですが、「速く走る走り方」と「痛みの出ない走り方」は一致しない可能性もあります。


 この痛みが出ない走り方はスロージョギングで培うことができます。ここに課題があり、スロージョギングは言葉の定義が広すぎなんです。本当に伝えたいのは、「痛みの出ない走り方」なのに、そこが伝えられて鋳なかったんです。

 そして、「痛みの出ない走り方」は「一生付き合える走り方」にも繋がるのです。

 ですから、ここを改めて、しっかり伝えさせて下さい

(まだ、疲労抜きジョグやスロージョギングに代わる言葉が見つかっていないので、呼び名はもう少し時間を下さい)



痛みの出ない走り方とは?

 正しくは「痛みの出にくい走り方」です。

 具体的には「全身の筋肉を上手く使うことで、1つの筋肉に掛かる負担を軽くする走り方」です。

 例えば、膝下を大きく蹴り上げる方は脹脛の筋肉を主に使って走られます。あるいは、腰がほとんどツイストしない方は腰から下の筋肉だけで走られます。

 

 例えば、腰周りや体幹の筋肉を上手く使えたら、脹脛や腰から下の筋肉だけに頼らずに走れます。一つ一つの筋肉への負担が軽くなれば故障しにくくなりますよね。

 僕自身も、いろいろな故障や痛みを経験しながら、その原因を考え どのようにしたら1つの筋肉に負担が掛からずに

上手に走れるかに取組んできました。

 もし、長い期間に亘って痛みと戦ってきていらっしゃる方がいましたら、是非、痛みが出にくい走り方に切り替えてみてはどうだろうかと思って、今日から書かせて頂きます。


 申し訳ありませんが、僕は医者でもインストラクターでもない一般市民ランナーです。取り組まれるかは皆さんの勇気と挑戦に向かう気持ち次第です。そして、回復されたら、皆さんの勇気の成果です。



 また、ここから先の文章を書くにあたっては、タケ先生の言葉を借りる部分が増えると思います。それはタケ先生の提唱される疲労抜きジョグを僕自身が練習し、それを発展させる中で身につけてきた経緯があるからです。


 今日は初めに疲労抜きジョグについて、もう少し書いていきたいと思います。



「キロ7で走って下さい」という衝撃!

 僕は2014年夏にタケ先生の本に出会い、「全力走の半分のスピードで走る」疲労抜きジョグに興味を持ちました。 

 当時は全力で走ると3:15でしたから、6:30/kmと言われるかなぁ?なんて思いながら、タケ先生の鍼灸院に向かいました。

 自分ではキロ5より遅いペースで走っていなかったので、できるだけ速いペースだといいなぁ、なんて思いながら行きました。


 施術してもらいながら、うつぶせになった状態でタケ先生に「僕はどの位の速さで走ったら良いですか?」と聞くと、「キロ7で走って下さい」との言葉でした。

 その時は言葉が出せず、帰ってから「キロ6分半だと思いますが、どうでしょう?」と質問メールを出したのですが、タケ先生からの返答がなく、僕は渋々キロ7で疲労抜きジョグを始めたんです。


(タケ先生のこちらの本も何度も読む価値のある本です)