今日の「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」は春以降を考えた時の話です。

 走るスピードの幅を広げるって、どうやったらできるのかなぁを深堀りしたいと思っています。



そもそも何故ゆっくり走ることにしたのか?

 僕は子供の頃から骨折の経験がなかったのですが、2014年11月に仙骨を疲労骨折しました。

 今は疲労骨折に至った理由を理解していますが、まだ書いたことがないので、この後、書きますね。疲労骨折に至る前、僕は足の付け根付近が痛むことが続いていました。

 様々なブログでは痛みについて書く方も多く、僕も痛みと戦いながら走るのか?と思いました。


 でも、痛みを堪えて走るのはツライと思いました。

 長く走りたいと思っていたので、全力走の練習方法はダメだと判断したんです。代わりに、と考えたのは2014年夏に出会った本「ランニングで痛めた足はランニングで治す」でした。

  そして、タケアスリート鍼灸院を訪れた処から変わり始めました。

 




スロージョギングへの取組み

 僕がスロージョギングに取組み始めたのは2015年2月のことでした。それから、間もなく9年を迎えます。
 2014年10月に初めてタケアスリート鍼灸院を訪れて、「疲労抜きジョグはキロ7で走って下さい」と言われました。でも、2013年9月に走り出してからキロ5より遅い速さで走ったことがなかったんです。ですから、初めはゆっくり走ることができなかったんです。
 とにかく、ゆっくり走るしかありませんでした。キロ7で走れるようになるまでに3ケ月掛かりました。スピードアップせずに安心して走れるようになるには更に3ヶ月が必要でした。ゆっくり走れるようになったのは良かったですが、踵着地になったり、足裏を擦るような走りになっていました。

 この時期は僕自身の知識も経験も足りなかったです。ただただ言われたことを実現してみようと思っての取組みでした。
 2015年秋はスピード練習がないまま丹後ウルトラ10位で、前年に疲労骨折した湘南国際で2h46mと、自己ベストを9分更新しました。
 が、何故速くなったか?が分かりませんでした。
何故速くなったのか?
を考えるようになったことが、今の僕に繋がっています。


ゆっくり走ることの意味を考えてきました
 僕自身はこのブログで色々書かせて頂く中で、スロージョギングをより深く理解し、また何故速くなったのか?を言葉にできるようになりました。
 僕の意見を勝手に書かせて頂いて来たブログにお付き合い頂いて感謝しています。
 若い頃に走り出した方は様々な本に書かれる練習方法を理解され、取り組めると思います。でも、40代50代になって走り始めた方は、いきなりトラックで練習と言われても難しいですよね。ですから、ブログで走り方や練習方法に関する記事を書いてみようと思ったんです。

ペースが変わっても、同じコンセプトのフォーム
 皆さんに見てほしい写真があります。
 今週、@igarisportsさんがbeyond2023で撮影して下さった写真を下さったので、載せさせて頂きます。ここには僕の走り方の特徴が出ています。
 そして、この写真には今日ここで書かせて頂こうと思うことが含まれています。

 この写真で走るペースはどの位だと思いますか?


 実は5:15/kmでした。
 シューズはVaporfly NEXT%2を履いていますから、普段のスロージョギングの感覚で走っていました。

 次の写真はかすみがうらマラソン2023のゴール手前です。3:40/kmを切って走っています。


 この2つの写真では肩と股関節のツイスト量が異なり、その結果、足の前後の開き量が違いますが、着地直前の足裏の動きや筋肉の使い方は同じなんです。

 スピードを変えた時にダイナミック、コンパクトと変化しても、基本的に同じフォームで走れること、同じフォームで走れるスピード幅が広いことが、僕のフォームの特徴です。
 今日は僕がこの考え方に取りくむ中で、効果的だったことを紹介します。と、その前に、フォームが同じだと得られる効果ですよね


スピードが変わっても同じフォームで走れる意味と価値
 1番高い効果は、日々のスロージョギングがレースでの走りに直結することです。スピードを上げる練習はある意味、仕上げです。
 そして、同じフォームで走れるペースが広がることで、戦える距離範囲を広げられます。例えば、距離耐性が高い方ならウルトラマラソンですし、スピードが得意な方なら5000mや10000mもあると思います。
 そもそも、5000mとフルマラソンでは走るペースが違うので、フォームが違えば上手く走れません。フルマラソンのペースではフォームの良さが出せない上に、距離が延びた時にフォームが崩れたら推進力が出ませんよね。
 ですから、根本的に同じフォームで走れるペース幅を広げることは大切なことです。

 もう1つの効果はレースでより速く走れる点です。
 同じフォームで走れるペースの幅が広がれば、より速く走ってもフォームが変化しないからです。これは理論的に明確に言えないのですが、僕の場合はストライドが広がります。ピッチが高いので、コンパクトなフォームです。動きを大きくするというより、動きを速めています。瞬間的な後ろへの蹴りを強めて走っています。(着地を身体の前に移すように、前を大きくすると着地が変わってしまうからです)

 もう1つ大切なことは、ゆっくり走ると毛細血管が発達することです。これは走る時に心拍数が上がりにくくなる効果を持ちます。速く走ると心筋が鍛えられ、安静時心拍数が下がります。同じフォームで走れるペースを広げることは、この2つの効果を組合せることができるので、より速く走れることに繋がります。


 でも、初めはゆっくり走るとフォームが変わってしまいますよね。どうしたら、変わらなくできるか?ですよね。


走り方を合わせる上で大切なこと
 僕にとって、大きな分岐点になったのは、スロージョギングをフォアフットに切り替えたことでした。

 冷静に見た時、Vaporflyはフォアフットでこそ、力が発揮できます。確かに接地がフラット向きのシューズもありますが、カーボンプレートの構造を考えますと、フォアフットが良いと思います。
 そして、スロージョギングは小走りの延長です。小走りってチョコチョコ走るのでフォアフットなんですよね。
 ですから、両方ともフォアフットにすることで、走れるスピードを広げることができると思うんです。

 僕の走り方を振り返ります。
 先に書きましたが、僕はスロージョギングに取組み始めた初めは、踵着地でした。その結果、レースでも着地が変わって、身体が立ってしまい、タイムが伸びませんでした。
(着地がどこか?はスロー動画を見たり、シューズの減り方を写真に撮っておくことで変化を確認できます)

 そこで、僕はスロージョギングでもフラット着地で走ることに取り組みました。でも、レースではフォアフットで走ることが多く、更に、レース途中で踵を着いてしまうことが多かったです。

 そんなことから、スロージョギングでもフォアフットで走ることに取組みました。
 ここからは僕の具体的な取組み方です。
 初めは1時間だけ踵を上げてみました。そして、少しずつ踵を持ち上げられる時間を延ばしました。

 苦労は長い時間、持ち上げることもありますが、スピードを落とすこともなかなか大変な点です。例えば、ピッチが極端に下がると走りにくいです。


まとめ
 今の時期は是非、今シーズンでの収穫を大きくすることを考えてほしいです。でも、目の前にあるレースを考えると緊張が高まりますから、そんな時は春以降の練習をどうすべきか?考えるべきですよね。
 僕は春以降の大会をどうするか?そして、2024年秋以降にどんな走りを目指すのか?を考えることが多いですね。
 そうすると、今、目の前に良い結果を出すことも大切ですが、それ以上に未来にも更に良い結果を出せることが大切なんだと気づきます。目の前のレースは1つの通過点と分かると、気持ちが楽になると思います。