「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」を考える中で、改めて「蹴り」について質問を頂きました。それは月曜に書きました「膝の痛み」の話題から、頂くことになりましたが、タイムを伸ばす上で大切なことが含まれていましたので、今日は改めて触れさせて頂きたいなぁと思っています。

 そして、ご自分のフォームを動画に撮って、是非、観てほしいですし、色々考えてほしいと思っています。

 

 そう思いながら、本論を前に悩むことがあります。

 というのは、練習方法に関する本はあっても、前日に書きましたような、前傾姿勢と接地位置の関係のような基本的なことが載っている本は少ないですよね。疑問に感じます。

 僕は陸上経験がありませんから、勝手な想像です。

 例えば、高校や大学の監督やコーチは「フォームを指摘したり、治すのか?」あるいは「一人一人に合ったフォームを考えているのか?」と感じたりするんです。

 多くの場合、たくさんの選手から与えた練習内容の下で伸びるランナーを選んでいるように見える時があります。もしかすると、ランニングフォームを治すことより、タイムを見ている方が多いのかも?と思うんです。

 勿論、怪我を防ぐように左右バランスを治したり、ストレッチ等だけかもしれません。

 

 そんな僕はフォームについてもう少し詳しく書いてみたいと思います。

 

 

身体の位置に対する膝の曲がり方

 走る時に、上下動が少ないと考えますと、身体の真下で膝が曲がることになります。(伸ばしていたら、足を前後に振った時、前後で足が地面に着かなくなりますもんね)

 ですから、着地したら、膝を曲げながら身体の真下に動かして、後ろに足を送りながら、膝を伸ばしながら地面を蹴ります。

 

 

着地で接地する場所が変わります

 身体に対する接地の位置が足裏のどこで着地の仕方で変化します。具体的には、踵着地では身体の前で着地する傾向で、フラット着地、フォアフット着地と段々と後ろに下ります。

 僕は画が得意ではないので、シンプルな形でしか描けないのですが、フォアフット着地と踵着地の図を作ってみました。

 それぞれの図には3つ載せていて、右が着地した時、真ん中が身体の真下、左が蹴り出す時です。例えば、青線が右足、赤線が左足になります。

(フォアフット着地)

(踵着地)

 

 ここにありますように、踵着地は身体の前の方に着地して、後ろの蹴りは比較的前です。ランナーさんが強く地面を蹴っているのが、比較的真下に近いので、跳ねるように上に持ち上がって歩幅を広げます。

 フォアフット着地は着地する位置が身体に近くなります。そして、後ろに蹴る位置が、より身体の後ろになります。

 

 

 このように、着地の位置が変化しますと、上半身の姿勢も変化します。

 恥ずかしいですが、僕の異なる時期のフォームを載せます。

 2019年は着地位置が身体から離れて、踵着地に近い状態で着地していました。このため、身体が立っていました。2021年春は着地位置が身体に近づいて、フォアフット着地に替わりました。更に前傾姿勢がかなり強まっていました。
 

(2019年夏のフォーム)

 
(2021年春のフォーム)

 
 

足を前に出した時の膝は?

 膝下を前に振り出して、膝を伸ばした状態で着地しますと、着地の衝撃が膝に集中するため、膝に痛みが出ます。

 関節は多少でも曲がっていますと、更に曲げることで、衝撃を吸収させる動作に繋がります。ところが関節が伸びていますと関節が曲がらないために、衝撃が吸収できずに痛みに繋がります。

 

 膝の痛みを軽減するには、膝を曲げた状態で着地することが大切です。具体的には、意識して、タイミングを早めて着地することが大切です。膝を前に振り出す前に着地させる具合です。