「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」は1回目の本番レースが終わり、2回目の本番レースに向けた練習に移っていきます。

 先々週に本番レースを走った方は今週末から練習再開ですね!

 僕は1回目の本番レースを先週に終えて、今週末はお楽しみでホノルルマラソンを走ってきます。そして、来週から練習を再開していきます。僕と同じように先週がレースだった方は休んだ方が良いですが、距離走をされるなら、というのを書いておきます。



前回の宿題に対する答え

 質問は「何故レース後半が大切か?」というものでした。


 この答えはすべての厚底シューズに言えることではないかもしれません。少なくとも、VaporflyやAlphaflyには言える内容です。

 adidasは踵着地で弾む構造だったり、new balanceはアッパー素材によるホールド感が弱かったり、と、シューズによっては違うかもしれません。


 そして、その答えは

身体が立ってしまう

からです。


 カーボンプレートは接地した後に沈み、そして、蹴り出す時に強い反発力を生み出します。この時に反発力を前方への推進力に替えられるか?が課題です。

 これに必要なのは、ズバリ!弾む力を前に向けるように押さえつける力です。ちょっと分かりにくいかもしれません。簡単に言えば、前傾姿勢です。

(フォアフットなのか?踵着地なのか?は過去に書かせて頂いています。論点が分散してしまうので、ここでは敢えて書くのを止めておきます)



 レース後半になると、この前傾姿勢を保つのが厳しくなります。身体が立ってしまいます。

 その結果、弾む方向を前に向けるように押さえ付ける力が弱まります。その結果、反発力が上に逃げてしまうんです。

 ですから、上下動が大きくなります。そして、スピードが遅くなりす。



後半までスピードを保つ走り方が大切な理由

 ここまでの内容で、前傾姿勢が崩れると反発力が上に逃げてしまい、スピードが落ちることを書きました。


 そして、ここでもう1つ加えたいことがあります。

 後半にスピードが落ちる時の変化です。

 まず、ピッチが低下しますが、スピードを保つように、ストライドを広げます。が、ストライドを広げて走り続けるのが難しくなり、スピードも保てなくなる時、ピッチが低下して、ストライドも狭まります。

 つまり、ここでフォームが崩れるのです。


 ここがポイントです。

 ポーズが崩れると、前傾姿勢が崩れてスピードが一気に落ちます。

 これがスピードの落ちるメカニズムです。


 そうなると、どすれば良い?



■答えは簡単です!

 その答えはゴールまでフォームを崩さないことです。つまり、フォームを保ち続けることです。

 普通のシューズならフォームが崩れても走れたのが、厚底カーボンプレートシューズでは上手く走れずにより失速してしまうというです。


 ですから、30kmからペースを上げて全力で走る練習が大切です。つまり、これがゴールまでフォームを崩さずに走りきる練習なのです。



これから1月末までは気合いを入れた練習で行きましょう

 同じ距離走でも、ペースの考え方で練習強度は大きく異なります。
 こんな練習方法を提案します。この前、ルカも同じ意見を言っていたので、良かったなぁと思っています。
案1:10kmジョグ+30km走(30km後半でペースアップ)
 →初めは最後まで同じペース
 →30kmの残り5km位を全力走に
 →30km前半のペースを上げて最後まで同じペース
 →30kmの残り5km位を全力走に
案2:30km走+全力5km走
 →初めは前半30kmのペースは抑え気味
 →2回目以降は段々と前半30kmのペースを上げます

 そうなんです。
 こうやって、後半のスピードを磨くことがフルマラソンのタイムを伸ばすことを意味しています。

(かすみがうらマラソン2023の40km過ぎでの1枚。前の週が彩湖ウルトラだったので、前半を抑えたら、後半は非常に力強い走りができました)